毎度お騒がせしております、チーム未完成です。
身の回りにいる、いろんな生き方をしている人を毎回ゲストに招いて、大衆酒場でダラダラ飲みつつ、働くとか人生とか、そんなことにずいずい切り込む連載「働くとは何ぞや」。ちなみにルールがあって、毎回、全員分の飲み代は1万円以内に収めてみせます!(詳しい企画のなりたちについてはぜひ第1回目をご参照ください!)
今回のゲストは、映像、グラフィック、はたまた「おすしのスノードーム」などなど、幅広い分野で、ハッピーな作品を生み出し続ける伊波英里さん。
すっかり季節が通り過ぎまくってしまいましたが、実はクリスマス当日に行われたこの取材。このメンバーならではのプレゼント交換の模様などもお楽しみください。
(8か月先取りで今年のクリスマスプレゼントの参考に……\(^o^)/)
道路に「止まれ」とか書いてあるでしょ? ああいう表示が薄くなってないかチェックするバイトしてた。
ぱいせん:クリスマスなのにありがとう!
伊波:いえいえ!
ゆりしー:さて、何食べよう。
しをりん:謎のキャッチフレーズついてるメニューが多いんだよね。「ガンダーラ古代岩塩のピザ」とか。
ゆりしー:ピザは炭水化物だから腹持ちいいよ、頼もう!
伊波:1万円以内に収めるって、「ゴチ」みたいだよね(笑)。
しをりん:ちなみにお通しだけで1500円いってます。
伊波:へー、そうやってちゃんと計算していくんだね!
しをりん:でも前回はオーバーしたの……(しょんぼり)。
伊波:前回の記事を見たんだけど、厚揚げ頼まないとね。(※厚揚げが好きすぎるあまり、名前も厚揚げの「げ」からとってしまった、自称・厚揚げソムリエのげっちゃんが、毎回厚揚げ批評「厚ログ」を行っています)
ゆりしー:(メニューを見ながら)なんと、このお店は厚揚げがなさそう。
げっちゃん:あら、じゃあ代わりに豆腐ステーキで!
ぱいせん:2回目にして、いきなり「厚ログ」番外編なんだ(笑)。
伊波:えっ、これで注文できるの⁉ 逆に新しいね。
ゆりしー:このタイプ初めて見た。
ぱいせん:じゃあ、ビールもきたので乾杯で。
一同:かんぱーい! メリークリスマース!
ぱいせん:伊波さんの生い立ちから聞きたいなー。
伊波:3歳まで東京にいて、そこから埼玉に住んだあと、高校まで群馬にいたの。高校を卒業してからは、東京の美術系の専門学校に行って。そこは技術的なことを教えるというよりも、第一線で活躍する先生が実際の仕事みたいな課題を与えてくれるところだったの。鍛えられる授業が多くておもしろかったな。
ゆりしー:卒業してからは?
伊波:デザイン事務所で映像制作のアシスタントをしたあと、ずっとバイトしながら作品を作ってた。展示があると休まなきゃいけないし、アメリカに行くためにお金を貯めたかったから、短期バイトをよくやってて。変わったのだと、道路に「止まれ」とか書いてあるでしょ? ああいう表示が薄くなってないかチェックするバイトしてた。自転車で現場へ行って「『止まれ』薄いな、『D』」とか評価をつけて。
しをりん:たしかに薄いかどうかチェックする人がいないとねえ。
ゆりしー:大事なバイト。
伊波:毎回自分がチェックする分が振り分けられるんだけど、自分のペースでできたから、午前中にさっと済ませて、午後は公園で昼寝してる日もあったなあ。
ぱいせん:ほかにはどんなバイトをやってたの?
伊波:テレフォンオペレーターやってたときは、社員にならないかって言われたりもした。「死ね」とか言ってくるようなクレーマーの人から最後に「ありがとう」って言われたり(笑)。
ゆりしー:伊波さん包容力あるからなあ。
げっちゃん:クレーマーの話は聞いてて大丈夫なの?
伊波:いや、くらうくらう。
しをりん:私も家庭教師をおすすめするテレアポをちょっとだけやったことあるけど、しんどかった。「死ね死ね」言われるし。
伊波:びっくりするよね、本当にそんなこと言う人いるんだって。
げっちゃん:私もやったことあるから、自分にそういう電話かかってきたときにすごい丁寧に断っちゃう。
源氏名は、呼ばれたときに自分だと分かるように「みなみ」。
しをりん:伊波さんが前にInstagramで着物姿の写真をアップしてて気になってたんだけど。
伊波:私、たまに芸者もやってるんだよ。
未完成一同:ええー‼
伊波:とはいっても、お酒を注いだりおしゃべりするだけの、「半玉さん」という立ち位置なんだけど。それも、アメリカに行く前に始めたんだ。
ゆりしー:芸者さんの仕事ってどうやって探すの?
伊波:普通にバイト情報誌で(笑)。そのつながりで、今も年に1回、忙しくなる花火大会の日だけやってるの。源氏名は呼ばれたときに自分だと分かるように「みなみ」だよ。
しをりん:まわりの芸者さんは何歳くらいなの?
伊波:40代の人もいれば20歳の学生さんも。三味線のお姐さんは、70歳くらいの人もいるし。「置屋さん」っていう芸者の派遣所みたいなところがあって、そこからお座敷に呼ばれることが多いんだけど、私は昔働いてた料亭に所属して芸者をやってるんだ。
げっちゃん:おもしろーい!
ニューヨークで1年くらいベビーシッターをやりながら学校に通って、制作も続けてた。
しをりん:さっきアメリカに行くためにお金を貯めてたっていう話をしてたけど、なんでアメリカに行こうと思ったの?
伊波:14歳の頃にアメリカにホームステイして、日本とのあまりの違いにショックを受けたんだよね。そのときにめちゃくちゃ感化されて、17歳のときにもう一度アメリカに行ったんだけど、やっぱり住んでみたいなっていう気持ちがずっとあって。安く行ける方法を調べたら、アメリカの国務省が、25歳までの外国人が働きながら語学学校に通えるっていうプログラムをやってたから、その試験を受けて25歳からニューヨークに1年くらい行ったの。ベビーシッターをやりながら学校に通って、制作も続けながら。
ぱいせん:そういうものがあることに気づかなかったね。25歳のとき、何してたか覚えてないもん(笑)。
伊波:気になるなあ。
ぱいせん:こういうところ(居酒屋)にいた気がする。
げっちゃん:ニューヨークから帰ってきたあとはどうしてたの?
伊波:その頃付き合ってた彼氏が、北京からポルトガルまで自転車で横断する旅人だったから、ニューヨークからそのままインドで待ち合わせて、4か月くらいいたの。アメリカに住んでるあいだ、チーズをガムみたいに食べてたから15kgくらい太ったんだけど、インドで体調不良になって、半分くらい痩せて日本に帰ってきた(笑)。そのあとは京都に住んだりもしてたんだよね。
ぱいせん:アメリカから帰ってきてすぐ制作のお仕事はもらえたの?
伊波:全然! 帰ってきて何かしらアクションを起こさなきゃと思って、展示をやったりZINEを作ったりして、それを見てお仕事をくれる人がだんだん増えてきたような感じかなあ。
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