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チーム未完成の「働くとは何ぞや」第三回
ゲスト:LIP・田中佑典

台湾と東京を繋ぎ、次はアジアへ。職業は天使でもある

連載:チーム未完成の「働くとは何ぞや」
インタビュー:チーム未完成(しをりん、ゆりしー、ぴっかぱいせん、げっちゃん) テキスト:ゆりしー 撮影:ぴっかぱいせん 編集:竹中万季
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僕は手先は不器用だけど、鼻は利くところがあって、3年くらい先までならなんとなく嗅ぎとれると思ってるの。

げっちゃん:台湾とのコネクションはどうやって作っていったの?

田中:『LIP SERVICE』時代に一緒にやっていた友達が台湾からの留学生だったから、彼を通じて台湾の人とFacebookで連絡をとるようになって、ネットワークが広がっていったかな。あとは、大学卒業後に大学時代のゼミの先生のアシスタントをしていた時期があるんだけど、その先生がやっていた雑誌で、台湾でコーディネイターの仕事をしている青木由香さんが連載していたから、その縁もあったり。

げっちゃん:人生って無駄なことが一つもないんだね。昔、イベントに出たときにしをりんがみんなの前でモー娘。を踊ったんだけど、曲の途中から参加したのに「スッ」てダンスに入れたの。あのときに、「昔、一生懸命モー娘。を踊ってたのは無駄じゃなかったんだな」って思った。全部繋がるね。

一同:(笑)。

田中:あとは、前に僕が荻窪の6次元で毎月やってた「台湾好塾」っていうイベントに来てくれてたお客さんの中に、今一緒に仕事をしている人たちがたくさんいて。そのイベントをきっかけにいろんな人と繋がっていったから、そのあとは一切、営業をしてないの。その頃から、カルチャーやビジネスで台湾に興味を持つ人たちが増えてきた気もする。いつも思うのが、僕は手先は不器用だけど、鼻は利くところがあって、3年くらい先までならなんとなく嗅ぎとれると思ってるの。だから、3年前に種まきをしたものが、花が咲くっていう、その繰り返しでここまでやってきた感じ。

仕事で食っていけるようになったキャンちゃん。

「田中くんって台湾好きじゃないでしょ? 台湾を使って自分を表現したいだけだよ」って言われたことがあって、ドキッとした。

げっちゃん:最初に『LIP SERVICE』の営業に行ったときに、本屋さんから相手にされなかったって言ってたけど、私なら「自分が間違ってたかも」と思って諦めちゃいそう。そこから床で転がってるだけの生活が始まっちゃう。

ゆりしー:自分のやってることが間違ってないって思えたのはどうして?

田中:僕は占いが好きなんだけど、僕の星座である牡羊座の人って、美しいものが好きだし、自分も美しくいたいんだって。そのせいかもしれないけど、僕は格好付けて生きていたい。だから、ある人から「田中くんって台湾好きじゃないでしょ? 台湾を使って自分を表現したいだけだよ」って言われたことがあって、ドキッとした。もちろん台湾のことは好きなんだけど、そういう面はあるような気がする。僕は結局自分のことが好きなんだろうな。

ぱいせん:でもそれはみんなそうだと思う。

しをりん:少なからず、それをやっている自分が好きじゃないとやってられないよね。

田中:未完成もそうかもしれないけど、僕の職業ってある種の「芸人」だと思っていて、自分を見世物にする使命があると思う。だから、今はようやく仕事も安定してきたけど、それは3年前の辛い努力が実を結んでるからであって、そろそろ次の芸をしなきゃいけないなと。それで「台日系カルチャーマガジン」としての『LIP』は去年でバイバイしたの。

これからどうしていこうかはずっと悩んでたんだけど、結論から言うと、次は国じゃなくて「アジア」だなと。これから日本人はもっとアジアを求めるし、どんどん国同士が連動していくと思う。もともと僕はあえて台湾に住まずに、アウトサイダーとして、逆に台湾人が気に留めないようなものを日本に紹介していたけど、今度は僕自身がアジアにもみくちゃにされる様を見せた方がメッセージになると思っていて。いよいよ日本人がアジアに目を向けるようになってきたからこそ、次はその中に入っていった方がおもしろいことができる気がしてる。

ゆりしー:おお‼ 具体的にはどうなるの?

田中:僕はやっぱりコーディネイターの仕事が好きで、自分がいなければ交流することがなかった人たち同士を繋げられたときが、一番アドレナリンが出るの。今後はきっと、アジア全体でいろんな人同士がミックスしていくから、そのときに5、6か国語話せたらいいなって。

この前香港に行ったんだけど、台湾と違って香港の公用語は広東語なのね。お粥屋のおばさんに中国語で注文したら、一応言葉は通じるんだけど、それまで広東語で愉快に話してた人たちが、急に静かになっちゃったの。やっぱり言葉って魂にリンクしてるから、現地の言葉を話せないと、本当にその国の人たちが考えてることには近づけないなってあらためて思った。今年はその船出の年にするつもりで、東京の家も引き払ったし、住所が「アジア」の「アジアリンガル」になっていきたい。

ゆりしー:じゃあいろんな国を転々とするんだ?

田中:そう! 僕が作った『青花魚(さば)』っていう雑誌は、旅行と移住の中間の「微住」をテーマにしているんだけど、僕自身もそれをやっていこうと。だから言葉も、現地で間合いやノリも含めて、習得するつもり。

ぱいせん:喋れる言葉が増えると、また世界が広がるよねー。

げっちゃん:「ばいーん」とね。

しをりん:「ばいーん」って(笑)。

ゆりしー:雑だなあ(笑)。

しをりん:げっちゃんは来年の名前「ばいーん」でいいんじゃない。(※げっちゃんは毎年元旦に改名しており、今年の名前も、この連載の第1回目での話の流れから決まりました)

げっちゃん:「ばいんばいん」がいいな。「どうも、チーム未完成のばいんばいんです」。

ぱいせん:メールアドレスも「bainbain@」にしよう!

活動の幅がさらに「ばいーん」と広がっていきそうなキャンちゃん。

アジア全体で人の大移動が起きていったときに、僕は国や人を繋ぐ存在でいたい。

田中:今、地元の福井でインバウンドの仕事をするなかで、「一期三会」っていう言葉を広めようとしていて。田舎って行く場所が限られてるから、2週間滞在したら、同じ人に何回も会うの。人って会う回数が増えた方が仲良くなれるし、仲良くなると、またその場所に来ようと思う。そういう関係性はいいなと思ってて。

しをりん:今は全体的に「消費」っていうカルチャーがなくなりつつあるから、観光に行くとしても、いろんな場所に行って一時的に楽しむというより、同じ場所や人との関係性を長く続けていくっていう方向性に変わっていってるのかもね。

田中:行政の人たちって、地元出身の人にUターンを勧めるんだけど、1回その場所を出た人は正直あんまり戻らないの。そうじゃなくて、日本に微住したアジアの人たちがそこで本格的に生活を始める可能性の方が高いと思うし、これからアジア全体で人の大移動が起きると思う。だから今後そういう状況になっていったときに、僕は国や人を繋ぐ存在でいたい。

しをりん:うんうん、アジアが一丸になるくらいじゃないと、この先やっていけない気がする。

締めは、一杯のかけそばならぬ「一杯のルーローハン」。

げっちゃん:なんぞや的に言うと、今後はどうやって食べていくの?

田中:台湾に関わる仕事はもちろんやりつつ、一昨年から始めた「カルチャーゴガク」っていう語学教室をもっと全面的にやろうと思ってる。ほかのアジアの国の人たちも日本の言葉を覚えたがってるんだよね。現地から中継する授業もやってみたいな。

ぱいせん:自分でも微住するって話だったけれど、まずはどこに行くの?

田中:7月からしばらく香港に行くんだ。そのあとはこれまであまり行かなかった台湾の地方の町にも住んでみようと思っているし、ソウルにも行くつもり。

ぱいせん:現地でバイトしたりしないの?

田中:バイトもおもしろいね!

ゆりしー:香港で皿洗いとか。

しをりん:ちょっとだけ働くの、おもしろそう!

田中:未完成も最近ソウルやシンガポールとか、アジアのブックフェアに出展してるよね。

ゆりしー:キャンちゃんが言ってるようなアジアを求める感覚みたいなのが、なんとなくあったのかも。未完成ももっとアジアと繋がっていけたらいいな。

決めポーズを取ろうとしたものの見事に店員のおばさまとかぶる。

田中佑典さんにとって「働く」とは?

「好きを貫く」 田中佑典

本日のお会計

合計:10,500円
税抜トラップにはまってしまい、500円オーバー! 気をつけよう、赤信号と税抜価格……。

今回のお店

台湾料理 香味
住所:東京都港区新橋3-16-19
電話番号:03-3433-3375
JR 新橋駅 烏森口 徒歩3分
地下鉄銀座線 新橋駅 徒歩4分
都営浅草線 新橋駅 徒歩5分

厚揚げソムリエ・げっちゃんの厚揚げ干し豆腐ログ

香味
★★★★☆ 4.0/干/紐状

ほ、干し豆腐のレビュー……? じぇんだま(中国語で「マジで」の意)⁉︎ ……すいません。今回厚揚げがメニューになかったから完全に油断してました。今必死に味を思い出してはみるものの、そもそも豆腐。味の言語化を試みようと思うほどに、昨日の夢のように味が忘却の海へと沈んでいく……。覚えていることは2つ。①消しゴムみたいな歯ごたえがする。②店主一押しのタレや醤油などで自分流にアレンジしながら食べるとより美味しい。以上です。ぜひご自身でその味をお確かめください。金牌台湾ビールと一緒にどうぞ。

PROFILE

チーム未完成
チーム未完成

しをりん、ゆりしー、ぴっかぱいせん、げっちゃんの落ち着いた大人の女性4名によるクリエイターごっこ集団。各々が、写真、デザイン、似顔絵、ライティング(文章)、番組構成、音楽制作、DJ、ガヤなどの一発芸を持ち、2014年夏に渋谷センター街に彗星の如く出現した気でいます。パンと書かれたステッカー、パンのZINE、パンのグッズ、パンのアパレル、パンの楽曲等を次々と発表し、主にアートイベントの賑やかしとして活躍しています。最近、映像制作にも手をつけ始めました。

田中佑典
田中佑典

アジアにおける台湾の重要性に着目し、2011年から日本と台湾を行き来しながら、日本と台湾をつなぐカルチャーマガジン『LIP 離譜』の発行をはじめ、台日間での企画やプロデュース、執筆、クリエイティブサポートを行う“台日系カルチャー”のキーパーソン。2017年12月には東京・蔵前に台湾カルチャーを五感で味わうTaiwan Tea & Gallery『台感』をプロデュース。その他語学教室「カルチャーゴガク」主宰。著書に『LIP的台湾案内』(リトルモア)。2018年度ロハスデザイン大賞受賞。

INFORMATION

連載:チーム未完成の「働くとは何ぞや」
連載:チーム未完成の「働くとは何ぞや」
「どうやって食ってるの?」って人に酒の力を借りてねほりはほり切り込む

第一回ゲスト:刺繍作家・小菅くみ
第二回ゲスト:伊波英里
第三回ゲスト:LIP・田中佑典
第四回ゲスト:とんぼせんせい
第五回ゲスト:エリイ(Chim↑Pom)
第六回ゲスト:犬山紙子

チーム未完成の「働くとは何ぞや」第三回ゲスト:LIP・田中佑典

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ゲスト:LIP・田中佑典

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