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『HEAPS』×『HIGH(er)magazine』×『Sister Magazine』座談会

『HEAPS』×『HIGH(er)magazine』×『Sister Magazine』座談会

ミレニアル世代が作るメディアって?女性編集長座談会

2017年9・10月 特集:未来からきた女性
インタビュー・編集:野村由芽 テキスト(本文):羽佐田瑶子 撮影:馬込将充
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エロくても、ボーイッシュでも、ガーリーでも、自分が好きならいいじゃん! って。(さこ)

─どのメディアもあくまでも「個人」という出発点を尊重して、それぞれが自分の興味ある方向を選択し、堂々と進めばいいという考えですよね。あとは、三者とも自分たちの世代の「女性」や「フェミニズム」の思想を更新していこうとしているところも共通しています。

haru.:たぶん、フェミニストという言葉には、男性を責めているイメージがまだ残っている。正しい定義が広まっていないから、フェミニストと言うとひかれるんだと思うんですよね。私は「性別を超えて、ひとりひとりが楽しく生きられるように」という思いをこめて『HIGH(er)magazine』をつくっていて、それが自分たちの世代のフェミニズムだとも思っています。

みんなフェミニズムっていうとどんなことをイメージするかな? ELLEとかの女性誌でも特集したり、我らのクイーンビヨンセがフェミニスト宣言の歌を歌ったりしてけっこう身近で耳にするようになってきたよね。ハイアーでも2号目で特集を組んだよ。 . わたしは自分のことをフェミニストだって言ってるの。それは性別間の社会的、政治的、経済的な平等を信じているから。 全ての人が性別に関係なくその人らしくのびのびと生きられる世界ってそう簡単に実現できることじゃないよね。悲しいけど現状はその理想からまだまだ程遠い。けどできることはたくさんあると思うの。 今日はその活動の大きな一歩となるだろうなっていうことをシェアするね。 . わたしがめちゃリスペクトしてるりさちゃんに最近教えてもらったのだけど、広辞苑のフェミニストの定義は未だに1955年からアップデートされていなくて、「女に甘い男」ってなっているの。広辞苑だけでなく、日本の辞書はどれもそういう定義になってる(オーマイガ)。 わたしも高校時代たくさん辞書を使って勉強したから、もし自分もフェミニズムについて調べてたらきっとすごく間違った解釈をしていたんだろうなって思う。 . そんな日本の辞書に掲載されているフェミニズム、フェミニストという言葉の再定義を求める署名運動があっておハルも署名しました✍️10年に一度改訂作業があるんだって。 よかったらみんなも参加してみてね。 キャンペーンのリンクはこれです: https://www.change.org/p/拝啓-広辞苑様-フェミニズムが-性別間の平等-を願う思想であると書いてください . 最後になってしまってたけど教えてくれたりさちゃん、活動をしている明日の少女隊のみなさんありがとう♡ ティーシャツは @honeyhandsmag.shop のものだよ🐽

haru.さん(@hahaharu777)がシェアした投稿 -

haru.のInstagramより。第七版までの広辞苑における「フェミニスト」「フェミニズム」の説明文の改訂を求める署名活動に参加したときの投稿。2018年1月の新装版では、改訂が決定。

つかさ:たしかに、世代によってフェミニズムの捉え方がだいぶ違ってきているよね。私は大学生のときに少年アヤさんの文章や、柚木麻子さんの小説を読んで、いままで自分が大好きだったものにフェミニズムが組み込まれていたことや、フェミニズムというものがすごく身近で、自分がいつも不満に感じていたことを表す言葉だったということを実感したんですよね。2013年にエマ・ワトソンがフェミニズムについてのスピーチしたことで、日本でもその考えが少しとっつきやすく、広まりやすくなったと思います。

─徐々に、印象が変化してきていますよね。

つかさ:『Sister Magazine』の語源も実は、「シスターフッド」(ウーマン・リブ運動でよく使われた言葉。女性同士の連帯や、仲間の理解と愛情を確認し合うために使われることもある)からきていて。「フェミニズム」っていう言葉自体横文字だし、日本で今はまだ海外から入ってきた思想というイメージが強いなと思うことがあるんですが、実は日本でも昔からたくさんの人たちが女性の権利のために闘ってきた歴史があるんですよね。

でもそれって長い間あまり焦点を当てられてこられなかったり、マイナスなイメージが先行して社会で度外視されてきたんじゃないかということもあって、なかなかぱっとわかりやすい場所にはまとまっていなくて。だから海外から入ってくる「新しい」ものに目を向けるだけじゃなくて、先人たちが残してくれたものを暗いところからもう一度探し出して、光の当たる場所に置き直すっていうのも私たち世代のやるべきことなんじゃないかなとよく考えます。

さこ:私も、アメリカに来るまでフェミニズムって怖くて過激なもの、というイメージがあって。でも昔は男性と同等の地位に立つことを主張することがフェミニズムだと思われていたけれど、いまは女性もある程度社会的な権利が整ってきて、二人の言うとおり、考え方がアップデートされてきているよね。ジェンダーの前に「個々の選択を尊重すること」がフェミニズムだと思います。

ドラッグ、セックス、ジェンダー。オフィシャルな学校という場でもっとオープンに教えてもらえたら、考え方や接し方が変わると思います。(さこ)

haru.:本当にそう。男性だから、女性だから、という性別の壁はいらないんですよね。この間男女の友だち同士でタンポンの話をしていたら、男性が「見たい!」と言ってくれたんです。タンポンを見比べながら、生理用品との違いとか、初心者用はどうだとか、真剣にみんなで話して。生理って、女性にとって重要なことだから、男性にも知ってもらえたらいいし、一緒に考えるきっかけをつくれてよかったと思いました。

ほのか:学校で性教育を男女別々にやるのが、根源的な問題だと思うんですよね。男性も女性も知っていたほうがいいことなのに、なんで別々にするんだろう。

haru.:私は高校の頃にドイツにいたのですが、学校でコンドームのつけ方を教わったよ。でも日本の学校では性について教えてくれない。自分たちの生活では大切な位置にあるのに、親にも聞きづらくて、結局本番になって初めて何もわからないまま体験することになるんです。子どものときにこそ正しい知識をわかっていないと、危ないと思いますね。

さこ:学校で教えてくれないから、自分たちのなかでもタブーになっちゃって、オープンに話せないんだよね。ドラッグ、セックス、ジェンダー。オフィシャルな学校という場でもっとオープンに教えてもらえたら、みんなの考え方や接し方が変わるんじゃないかな。

PROFILE

SAKO.h

ニューヨーク在住、HEAPS Magazineの編集長。世界各地の若者が起こすアクションとムーブメントを独自取材しながらカウンターカルチャーシーンを日々、日本のみなさんにむけて配信中。

失恋して(あるいはその予兆を察して)真夜中におにぎりを買いに走るのは19歳くらいから変わらず、ただニューヨークではそれがピザになりました。

『HEAPS Magazine』instagram

haru.

同世代のメンバー5人を中心に制作されるインディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』の編集長を務める。『HIGH(er)magazine』は「私たち若者の日常の延長線上にある個人レベルの問題」に焦点を当て、「同世代の人と一緒に考える場を作ること」をコンセプトに毎回のテーマを設定している。そのテーマに個人個人がファッション、アート、写真、映画、音楽などの様々な角度から切り込む。また、雑誌に付随するトートバッグや缶バッジなどの制作も行っている。

Scarlet&June

女の子たちによるインディペンデントウェブマガジン「Sister Magazine」創立者のつかさとほのかです。「Scarlet & June」では私たちのより個人的な活動場所として文章やイラストなどを掲載しています。フェミニズムやシスターフッドなどをテーマに朗読イベントの実施やzineの制作も行っています。

INFORMATION

メディア情報
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『HEAPS MAGAZINE』

「時代と社会の、決まり文句にとらわれない」
ニューヨークに拠点を置く、カウンターカルチャー専門のデジタルマガジン。世界各都市の個人・コミュニティが起こすユニークな取り組みやムーブメントをいち早く嗅ぎつけ、深堀したストーリーを配信中。世界の若きマイノリティたちの生き様を届けます。

HEAPS MAGAZINE
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『HIGH(er)magazine』

学生や若いクリエイターによるインディペンデントマガジン。ファッションや写真、カルチャーなどを自分たちの目線から発信。

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『Sister Magazine』

2016年3月にオープンしたウェブマガジン。「女の子たちが姉妹のように語り合える場所を」をコンセプトに、インターネットを使って多種多様な女性たちが集い、様々な意見を交換できる場所を作ろうと活動を続ける。一時的な休止を経て、2017年クラウドファンディングが成功し、再開が決定。

Sister Magazine

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