「どんな体型だとしても別にいいじゃない?」って受け取ってもらえたら一番いい。(バービー)
🍞:自分で、自分自身を認めてポジティブに生きていこうと思っても、外野からの声でめげてしまうことってないですか? 特にみなさんのようなお仕事だと、いろんな声を浴びる機会も多いと思うのですが。
黒沢:エゴサーチする?
CHAI:する!
黒沢:するんだ!
バービー:辛辣な声はどうやって受け止めるの?
マナ:「言ってるなー」くらい。逆にディスられるってことは、人気が出てきている証拠かなって思っちゃう。
ユウキ:アンチの人が増えるのは、知られてきたからだなってね。
黒沢:私はエゴサしないの。バービーは?
バービー:たまにします。でも、そういう声がないと成り立たないというか。例えば「ブス」って言われたとしても、そのフリがあるからできる仕事じゃないですか。これで、もしみんなが私のことを「かわいい」とか言ったら仕事にならないし。だから、共通のフリをしてくれてると思えばいいかなと。
カナ:すごい。
マナ:めっちゃかっこいい。
バービー:でも、たまに心配になるのは、私と同じような体型の女の子が、私がいじられてるのを見て、変な風に勘違いしちゃわないかなってこと。そこも含めて「どんな体型だとしても別にいいじゃない?」って受け取ってもらえたら一番いいなと思いますけどね。
🍞:バービーさんはまさにそれを体現している存在だと思うんです。Instagramを見ていても、めちゃくちゃおしゃれなお洋服をたくさん着こなしてますよね。
バービー:もともと身体を出すことに抵抗がなくて。私はすごく田舎で育ったから、人も少なくて、誰かと比べるっていう概念自体がそもそもなかった。そんな風に、外見がコンプレックスになり得る環境じゃなかったから、東京に来て初めて、男の人の「ブスは黙ってろ」的な雰囲気とかを感じて、「そっか! ブスなんだ!」ってなったの(笑)。外見ひとつで、しゃしゃり出ちゃいけないと思われる社会なんだなって。だけど、それはこの場所での価値観であって、私は違う価値観で生きてるから、別にいいやって。だから、脱ぎたいときに脱いで、身体も出す(笑)。
🍞:バービーさんのように自分の尺度のものさしを持つことで、人の価値観に振り回されずにすみますよね。
バービー:でも「ちゃんと人と比べてますよ」みたいなフリもしておかないと、調子に乗ってると思われて攻撃されたりするよね。「大丈夫です、私はちゃんと比べておとなしくしてます。ちゃんと自分のことブスだってわかってますから……」ってやっておかないと、出る杭は打たれる社会だから。
女の子は全員が生まれた瞬間からかわいいし、男の子はいつだってかっこいい。(ユウキ)
🍞:CHAIはどう思う?
ユウキ:私たちは、『グラミー賞』を獲って、「かわいい」の価値観を変えることが目標で。今の「かわいい」は二重じゃなきゃいけないとかモデルさんのように細くなきゃいけないとか思わせてしまうから「かわいい」の範囲が狭いんじゃないかなって思ってて、私たちはそこの基準に入らないから変えようとしてる。革命的なことをしようとしてるから、アンチがあるのは当たり前かなと思う。
黒沢:誰に向けて発信してるっていうのはあるんですか? 例えば男の人なのか女の人なのか。
カナ:両方!
ユウキ:女の子は全員が生まれた瞬間からかわいいし、男の子はいつだってかっこいい。そのままでいいんだよっていうことをみんなに言いたい。誰でもコンプレックスをひとつくらいは持っちゃってる気がするから。
バービー:でも、もしそのうちコンプレックスが尽きちゃったりしたら、モチベーションがなくなっちゃうんじゃないですか?
カナ:きっと年を重ねるごとに出てくるコンプレックスがあると思うの。今の世代だから感じるコンプレックスもあるし、これからもいろいろ変わっていくんだろうなって。
ユウキ:女だから、老いてくごとに悩みは尽きないよね。
バービー:「結婚しろプレッシャー」とか「35歳くらいまでに妊娠しろプレッシャー」とかも、これから出てくるね。