市販の生理用品はハート柄とかキラキラしたパッケージで、虚像の女性像というか、求めているのはこれではないなと感じてしまう。(本田)
─それでsisiFILLEでは、オーガニックコットンでできた使い捨てタイプのサニタリーパッドを作られたんですね。
本田:でも、いろんな壁にぶつかりました。まず、サニタリーパッドを小規模で受託生産してくれる会社が国内に数社しかなかったこと。あとは、ナプキンは薬事法で守られた医薬部外品になるので、使える部材が限られてしまったり、漂白を避けられなかったり。生産側もオーガニックコットンで作るのははじめてなので、お互いに試行錯誤で……。できあがったのは奇跡的だなと思いました。
柿沼:グラフィックデザイナーの田部井美奈さんが手がけられたパッケージもかわいいですよね、持ち歩いているだけで心がほっこりする。ネガティブになっている時期に、デザインや機能などですこしでもほっとできることはすごく大事ですよね。
本田:市販の生理用品はハート柄とかキラキラしたパッケージで、虚像の女性像というか、求めているのはこれではないなと感じてしまう。パッケージは主張しているのに、買うときには過剰包装されてしまうことにもずっと違和感を感じていました。
sisiFILLEでは、手に取りたくなるデザインにしようとかなりこだわっていて。シンプルなデザインにしたことで男女問わず受け入れてもらいやすく、展示会で男性が「娘がそろそろ生理を迎える頃だから渡してみようかな」とか、「奥さんが布ナプキンを干すのが大変そうだからプレゼントしようかな」とか言ってくださるんです。生理もパートナー同士で一緒に考えてもらえたらうれしいし、男性にも早い時期から興味を持ってほしいと思っています。
─『HIGH(er) MAGAZINE』で、生理用ナプキンの使い比べレビューがあったときにいい企画だなと思いました。お茶の飲み比べレビューはよくあるのに、どうしていままで当たり前になかったんだろうって。
本田:あれはいい企画でしたよね。女性の活躍と比例して、生理用品を媒体で扱ってくれる機会も増えたように思います。そうやって公の場でいろんな人が考えてくれることはうれしいです。
─生理についてオープンに話せる機会が増えればいいですよね。「辛くても我慢しなければ……」と黙ったままだと、周りも気づかないし、なんとなくタブーになってしまうこともあるなと。
柿沼:うちの社内では生理の時に「ちょっとエミリーなんで」って言っています(笑)。生理用品を扱う部署があることで男性も話題に出しやすくなっているし、社内の女性からこっそり「いい薬ないですか?」って相談メールをもらうこともあって。自分で働きやすい環境を作っていけたらいいなと思っています。
今回のサニタリーショーツはシンプルにして徹底的に気持ちよさを追求したので、きっとやさしさに包まれる心地よさを感じられるはす。(柿沼)
─生理用品も自分にとっての「心地よさ」を大切にしながら自分の視点で選んでほしい、というのは3ブランドの共通した思いかもしれないですね。今回作ったサニタリーショーツも、素材選びから心地よさにこだわりました。
本田:サニタリーショーツの素材には、国際的な賞を数々受賞しているソーシャルプロジェクト「bioRe(ビオリ)プロジェクト」から生まれたインド産のオーガニックコットンを使用しています。単にオーガニックコットンを買い取るだけでなく、継続的にオーガニックコットンを栽培できるように生産地での農法支援や子どもたちへの教育、女性の自立支援にも力を入れています。綿の栽培から生地が完成するまでも厳しい基準のもとで管理をしているので品質にも自信を持っています。sisiFILLEの製品にもこのbioReプロジェクトから生まれたオーガニックコットンを使用しています。
柿沼:私はこれまでいろんなサニタリーショーツを試してきたけれど、生理中は身体がデリケートになっているから素材によってはかゆくなってしまうし、経血の漏れを重視しているものが多いせいか、ゴムの締め付けがきつくて痛くなってしまうものが多くって。それに、ローライズのものが多くて、おなかが冷えてしまいがち。
なので、オーガニックコットンの心地よい素材を使いながら、おなかがすっぽり隠れるくらいハイライズのデザインに。おなか周りのゴムも、漏れは防ぎつつも締め付けすぎない、絶妙なゆるさを実現しました。
─サニタリーパッドをあてる部分の素材もこだわっているんですよね。
柿沼:通常は防水布が使われているんですが、蒸れてしまいがちなので心地よさが損なわれてしまう。サニタリーパッドで十分に経血を吸収できると考えると、防水性よりも通気性と洗いやすさを重視しました。sisiFILLEのサニタリーパッドや、EMILY WEEKのデリケートパッド(布ナプキン)はもちろん、自分の好きな生理用品と合わせて使ってもらえたらなと思っています。
本田:色も、意外とない色ですよね。普通は漏れを意識してか、黒とか目立たない色ばかり。
柿沼:そうなんです。すごくファンシーなものかすごく地味なもののどちらかが多いのですが、自分の気持ちが上がる色が大事だなと思っているので、スタイリッシュに仕上がる色合いを揃えました。オリーブグリーンとダスティピンクとグレーの3色で、いまEMILY WEEKでは同じ生地と色のブラジャーも作っているんです。今回のサニタリーショーツはあえてレースなどを使わずシンプルにして徹底的に気持ちよさを追求したので、きっとやさしさに包まれる心地よさを感じられるはず。ぜひ多くの人に体験してほしいですね。
EMILY WEEK × She is × sisiFILLEの3ブランドがアイディアを出し合って生まれたサニタリーショーツは、She isの2月のギフト「超好き 〜Ultra Love〜」を2/28までにご注文いただいた方に3月末にお届け予定。ギフトではsisiFILLEのサニタリーパッドも併せてお届けするので、すぐに心地よさを実感してもらえるはず。
3月上旬からEMILY WEEKのオンラインストアとポップアップストアでの販売、3月下旬からはsisiFILLEのオンラインストアでの販売も予定しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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