「隣の芝生は青い」と思いながら関係を続けていくしかないんじゃないかな。(大九)
ー置かれた環境やライフステージの変化によって仲が良かった友達とだんだん話が合わなくなってしまったり、タカコとケイコのように「隣の芝生は青い」的な見方をしてしまったりするような経験を持つ人も多いのではないかと思いますが、どうしたらよい塩梅で関係を続けていけるものなのでしょうか。
大九:「隣の芝生は青い」と思いながら関係を続けていくしかないんじゃないかな。私は人間関係のことって本当にわからなくて。答えが出ないから映画をつくり続けているとも言えるんですけど。お互いを受け入れていたとしても意地悪な視点も常に持っているし、それがよきバランスであるのが友達や夫婦や恋人だと思うんです。全部を受け入れあったり、羨ましいなんて微塵も思わない人間関係はないんじゃないかな。
犬山:それができたら、解脱ですよね。
大九:うん、煩悩を捨て切らないと無理だと思う。
自分の気持ちを相手に「察して」で押し通すのって絶対に無理なんです。前提に愛があるからこそ、嫌だなと思うところがあっても関係が揺らがない。(犬山)
犬山:すごく尊いと思えている相手でも、合わない面はあるものだし、自分のコンディションが落ちているときだと相手のことを受け入れられなかったりしますよね。
大九:友達に限らず、夫婦も恋人も仕事仲間もですが、どんなに仲がいい相手でも「今日の飲み会超楽しかったな」っていう日もあれば、「今日はいまいちだった」と思う日もあって、ずっとそんな感じで続いていくものだと思うんです。でもそれこそが人間同士の関係の愛らしいところなんじゃないでしょうか。
犬山:私、「好き、愛してる」って友達に対して、言葉に出して言うんですよ。結婚生活においてもよく言われることですけど、自分の気持ちを相手に「察して」で押し通すのって絶対に無理なんです。前提に愛があるからこそ、嫌だなと思うところがあっても関係が揺らがないわけで、その愛をきちんと伝えないとお互い不安になってしまう場面があると思う。
だから、「こんな彼氏がいたら最高だよね」って思える彼氏になったつもりで女友達にも接しています。そうすると相手も甘い言葉をささやき返してくれたりするし(笑)。かりそめかもしれないけど、そうしているうちに大きな愛のある関係ができてくるんじゃないかなと思っています。
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