She isの更新は停止しました。新たにリニューアルしたメディア「CINRA」をよろしくお願いいたします。 ※この画面を閉じることで、過去コンテンツは引き続きご覧いただけます。
日々のルーティンを楽しむ。よしいちひろの生活の視点の切り替え

日々のルーティンを楽しむ。よしいちひろの生活の視点の切り替え

機嫌がいいことで、家族にも心地よさを還元できている

2019年5・6月 特集:ぞくぞく家族
インタビュー・テキスト:飯嶋藍子 撮影:佐藤麻美 編集:竹中万季
  • SHARE

家族が集う、家の風景。あなたはどんな空気を感じ、どんな光景を思い浮かべるでしょう。自分が思いっきり好きでいられて、同時に家族も心地よいと感じられる空間を、どうつくっていけばいいのでしょう。

She isでは5・6月の特集「ぞくぞく家族」のギフトでお送りするオリジナルプロダクトとして、イラストレーターのよしいちひろさんと、お買い物や外遊びにぴったりな『マルシェに想いを馳せたマルシェバッグ』をつくりました。

自身のライフスタイルやインテリアについての取材を数多く受けるほど、家はもちろんのこと、ファッション、メイク、仕事にも、自分らしいこだわりを光らせるよしいさん。自分のことも、仕事のことも、家族のことも諦めない、そのバランス感覚はどこからくるのでしょうか?

マルシェバッグが入っている6月のギフト「ぞくぞく家族」のページはこちら(お申込みは6/30まで)

【後編】よしいちひろに聞く、どんなシチュエーションでも今を最大限楽しむコツ

工夫して、できるだけ楽しく過ごしたいっていう意識があって。

よしいさんが実家を出て最初に住んだのは、現在の夫と結婚する前に家賃を決め手に借りたという、和室2部屋にキッチンダイニングがついた昔ながらのアパート。そのときから、現在のように好きなものをぎゅっと詰め込んだ部屋で暮らしていたのでしょうか?

よしい:当時はとにかくお金がなかったので、そのときの自分たちができることをやっていました。リサイクルショップで500円の椅子を買ったり、和室だったので絨毯を敷いたり。もともと、つるっとした新しいものよりも、いびつだけれども本物の木を使ったものだったり、味のあるものに惹かれるから楽しくて。小さい木のスツールやデッキチェアをホームセンターで買ってきてベランダに置いて、コーヒーを飲んだりもしていました。

よしいちひろさん

忙しい日々のなかでも、よしいさんのように「ちょっと椅子を持ってベランダに出てみよう」と思う余裕があるだけで、部屋の見え方や暮らし方が変わりそうです。

よしい:工夫して、できるだけ楽しく過ごしたいっていう意識があって。インテリアにちゃんとお金を使うようになったのは、自分でお金が稼げるようになってからですね。私は家のデザインや装飾に執着があるので、今は基本的に家族が私のやりたいようにさせてくれています。

着替えて初めて「私」になる感じがするんですよね。

そんなよしいさんが現在住んでいるのは東京の西側にある、緑の多い住宅地。お子さんができたことがきっかけで、「新しい家に住もう」と話が進んでいったのだそう。

よしい:子どもができたとわかった春に、ふと、家を買おうと思い立ちました。家を建てることに決めたら、せっかちなので「早く建てたい!」と思って、気に入っていた東京の西側でいっぱい土地を探して見つけたのがこの場所なんです。上水沿いだし、オオタカを保護するために市が残している雑木林があるのが決め手でした。出産直前までずっと家をつくるやりとりをしていて、10月末に子どもが生まれ、3月末に家が完成しました。

取材はよしいさんのご自宅で行いました。

妊娠と、家を建てるという大きな決断、そして、出産と、住まいの変化……ものすごいスピード感で怒涛の1年をすごしたよしいさん。子どもができると、ファッションもどうしても機能を重視しなければいけなかったり、メイクも日々のルーティンになりがちです。そんななか、よしいさんにとってお気に入りのファッションやメイクが自分の時間を始めるスイッチになっているのだそう。

よしい:その日になにを着るかは私にとってすごく大切で。朝、着替えを後回しにして仕事をすることはないですね。忙しくて考える時間があまりない場合でも、そのときに気に入っている組み合わせの服を着て仕事するようにしています。着替えて初めて「私」になる感じがするんですよね。

これまでは、朝ごはんをつくったり、家族を送り出すところまでは、全部パジャマでやってたんです。「今日はどんな気分かな」って思いながら、その日着る服を考えたりして。でも最近は、朝までにできるだけ決められるように、夜にベッドで目をつぶりながら「明日はなにを着ようかな」って考えるようにしています。

お気に入りの服に袖を通すことを自分の仕事をはじめるスイッチにしているという工夫上手なよしいさんですが、子どもが生まれるまでは仕事と生活の境目が今ほどなかったそうです。

よしい:もともとはめっちゃだらだら仕事するタイプだったんですよ。忙しいときは夜中までやって、3時間床で寝て、また起きて作業して、また朝方3時間寝て……それだったら夜に6、7時間まとめて寝れたじゃん! みたいな生活をずっとしていました(笑)。でも子どもができたら、保育園に預けている時間しか仕事ができないとわかったので、子どもが帰ってくるまでには絶対仕事を終わらせるように、時間を意識するようになりました。

子どもができたということで仕事が減るのがいやだった。

よしいさんは、以前、土日も昼夜も問わずに働いていましたが、お子さんができてからライフスタイルががらっと変わったことで、仕事の内容も徐々に変化していったと振り返ります。

よしい:子どもという存在ができてからは、「未来」について考えることが増えました。世の中がもっとこうなったらいいのにっていう気持ちが以前よりも強くなって、働き方のことや子育てにまつわる社会問題などについてもSNSで発信するようになったんです。そうすると、昔よりも締め切りがタイトな仕事はそんなに来なくなったし、絵やコラムなど自分から発信することが増えていきました。

だから、あんまりキャパオーバーになるようなことはやっていないし、だいたいの仕事は平日に子どもが保育園に行っている時間におさまるようにできていて。それでも間に合わないときは、土日に夫に子どもを見てもらったりもしています。

よしいさんのイラスト。6月30日(日)に行われるShe is Members限定イベント『家族の風景館』で水彩画を用いた似顔絵を描いてくださいます。詳しくはお知らせページへ。

「今はちょうどいい感じです」と、仕事のバランスを語るよしいさんですが、出産前後は仕事に対しての葛藤もあったのだそう。

よしい:フリーランスなので、子どもができたということで仕事が減るのがいやで、仕事関係の人には一切妊娠していることを言ってなかったんです。だから陣痛がくる前日まで仕事をしていて、入院中に電話対応して、出産して3日後に納品していました(笑)。当時は「子どもが生まれたばかりだから」って思われるのが本当にいやで、勝手にめっちゃ頑張ってましたね。

それでも、SNSで出産報告をしてからは、みんなたぶん気を遣ってくれて、産後1年くらいは仕事の依頼も落ち着いていて。だからそこまでの大変さはなかったかな。

PROFILE

よしいちひろ
よしいちひろ

イラストレーター。1979年兵庫県生まれ、東京都在住。女性の憧れや日常を、やわらかくみずみずしいタッチで描く作風が人気を呼び、雑誌や書籍、広告などで幅広く活躍。リラックス感がありながら、エッジのきいたファッションやもの選びにも注目が。

日々のルーティンを楽しむ。よしいちひろの生活の視点の切り替え

SHARE!

日々のルーティンを楽しむ。よしいちひろの生活の視点の切り替え

She isの最新情報は
TwitterやFacebookをフォローして
チェック!

RECOMMENDED

LATEST

MORE

LIMITED ARTICLES

She isのMembersだけが読むことができる限定記事。ログイン後にお読みいただけます。

MEMBERSとは?