私たちの生活は、日々を積み重ねて、少しずつできあがっていきます。その日にしたこと、その日選んだもの。そんなふるまいのひとつひとつが、明日の自分につながっていくのです。だとしたら、なるべく心地よく、自分が自然体でいられる時間を、丁寧に探していきたいもの。
自分が心からやすらげる時間をつくるものは、なんでしょう。バスタイムはきっと、そんなきっかけのひとつです。日本女性の髪のために生まれた「いち髪 ナチュラルケアセレクト」は、厳選された和草をはじめとした、90%以上天然由来成分(水を含む)使用の、成分にこだわりぬいたヘアケアブランド。自分に合ったシャンプーをこだわって選びたいと望む人たちに寄り添います。
自分の心と身体からにじみ出る声をキャッチして、考えて、選びたい。自然体なわたしを知り、尊重していくために――そんな生き方を体現する美容ライターの長田杏奈さん、「MAG BY LOUISE」を運営するフローリストの河村敏栄さん、「いち髪 ナチュラルケアセレクト」の商品開発に携わる山﨑美華さんに、お話を聞きました。
美容は、自分の心や身体に立ち戻るスイッチとしても機能するんじゃないかと思う。(長田)
―まずは、主に美容の領域でライターとして活躍する長田さんに、私たちが自然体でいるための「美容」について伺ってみたいです。自分のための美容やケアって、どんなものだと思いますか?
長田:美容には、いろんな役割がありますよね。自分へのチアアップや周囲に対する武装として活用される場面もあるけれど、それだけではありません。
たとえば私たちは日ごろ、社会の概念やシステムに、ある程度合わせながらうまくやっていかなくてはならない。そんななか、自分の心や身体に立ち戻るスイッチとしても、美容は機能するんじゃないかと思っているんです。とくにスキンケアは、外で闘ってきた武装を剥がして、自分自身の本来の姿に戻す側面が強いと思います。ヘアケアにも、そういう面があるかもしれませんね。
―美しくなるためだけではなく本当の自分に戻るためにも、美容が役立つということですね。河村さんは「MAG BY LOUISE」という花屋を拠点に、女性向けに不定期営業のスナックをやったり、お花のワークショップをやったり、という活動をされています。さまざまな女性たちと関わるなかで、美容についてどう思われてきましたか?
河村:お店に訪れる年下の女の子たちを見ていると、とにかくきらきらしているんですよね。私自身が20代後半を、化粧っ気なくロンドンで過ごしたことも関係あるかもしれないけれど……日本の女の子って本当にきれいなんです。ある意味「きれいじゃないと外に出られない」という、プレッシャーがあるのかなと思ってしまうほど。
だからこそ、私は男ウケが悪いと言われる真っ赤なリップを塗ったり、派手な古着の花柄ワンピースを着たりして、お店に出ています。ほっと一息つきたいときに訪れる店で、透明感のあるナチュラルなお姉さんがいるよりも、そっちのほうがリラックスできると私は思うから。
長田:わかります。若い女の子たちに、「自己表現を恐れないこと」の見本を見せてあげるような気持ちですよね。好きな色のリップを塗ればいいし、それを選ぶ自分をオープンにすればいい、という。
河村:そう。お店に来た子たちに「こういうおばさんもいるんだな」っていうことを、花と一緒に持って帰ってもらうようなイメージなんです。
―ご自身をとおして、悩める若い人たちに「美容と自分らしく付き合うコツ」を伝えていこうという想いもあるんですね。
限界を迎えているときに欲するのは、自然のものだったりするんですよね。(長田)
河村:私は20代前半のころ、メイクアップアーティストをしていたんです。そのころは本当に、メイクにしかお金を使っていませんでした。撮影をするときに、いかにたくさんの口紅をそろえられるか、しか考えていなかった。でも、年齢を重ねるにつれ、飾りつけることではなく、自分に戻ることにお金をかけていいんだなって気づいてきました。
―それはどうしてでしょう? なにかきっかけがあったんですか。
河村:がむしゃらに働き続けた結果、その頑張りが体調不良として出てしまったんです。それでスキンケアなどのアイテムも自分に合うものを選んだりするようになりました。そうすると、すんなり調和するのを感じたんです。
いまお店に来るお客さんには、そういうものを手渡すような気持ちで、お花を選んでいます。私のお店にお花を買いに来る人って、心のなかでヘルプを求めている方が多い気がして。
長田:お花にヘルプを求める気持ち、すごくわかります。私も2年くらい前から、急激にお花にはまったんですよ。そのころ、人が「美」についてどう考えているかをたくさん取材していて……。相手の考えを自分の頭に一度入れて、またその人の言葉で取り出す、という作業を延々とし続けていたから、だんだん心が疲れてしまったんです。
それで、どうにかリセットしなくちゃと思っているうちに、藁をも掴むような気持ちでお花を買っている自分がいました。限界を迎えているときに欲するのは、自然のものだったりするんですよね。人工的なものじゃなくて、生きているもの。生老病死のリズムがあるものを、傍に置くことで癒される。
河村:「社会に貢献したり、利益を出したりしなくちゃいけない」みたいなことに知らん顔して「ただただ生きているもの」にふれないと、頑張れなくなるときってありますよね。お花じゃなくて、動物とかに癒される人もいるんじゃないかな。
長田:そうですね。私の場合は、植物、動物、小さな子どもの三択!
河村:そういうタイミングって性別を問わず、多くの人にある気がします。私の場合はそれが、40歳手前でした。社会に出て10年くらいは勢いで頑張れたんだけど、だんだん体力もなくなってきて、一回深呼吸をしたいと思ったんですよね。
現代の女性は本当に忙しいし、とてもよく頑張っているから、ともすると自分をいたわりそびれてしまう。(山﨑)
―山﨑さんはいかがでしょう? 心や身体が疲れたとき、どんなものにふれたくなりますか。
山﨑:お二人みたいに、お花にふれたくなるのはとてもわかりますね。でも、自分の心に余裕がないとちゃんとお世話もできないから、すぐ枯らしてしまったりもして……。本当にいっぱいいっぱいのときは、自分のコンディションがよくないことにも気づけない。
―確かに「疲れている」「癒されたい」と気づけないまま走り続けてしまうこと、ある気がします。そして、そういう状況は総じて自分らしくも、心地よくもない。
山﨑:そうですよね。現代の女性は本当に忙しいし、とてもよく頑張っているから、ともすると自分をいたわりそびれてしまうんです。だから「いち髪ナチュラルケアセレクト」では、自然由来の成分にこだわって、一人ひとりに寄り添うシャンプーやトリートメントをつくりました。毎日するヘアケアだからこそ、自分に合うものを使ってもらえたら、すこしだけでも支えになると考えたんです。
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