最近になってようやく、仕事のときと普段の自分の境目がなくなってきた。
mameに出会ってから、なりたい自分の姿についてより深く思いを巡らせていった小谷さん。その一方で、仕事のときに着る服に対してはどんな考えてを持っているのでしょう。
小谷:モデルとして服を着させてもらうときには、自分の好き嫌いではなくて、「絶対にこの服をよく見せなきゃいけない」という気持ちでやっていますね。
もう14年この仕事をしているけど、最初の頃はやっぱり誰も私のことを知らないわけで。だから自分の見せ方をすごく考えていました。自分の笑っている顔が好きじゃなかったから、「仕事のときは一切笑いません」みたいなこともやっていたし、「こういう女の子に見られたい」っていう自分なりの像をつくっていて。当時は手数も少なかったから、自信がある表現というのはほんの少しだけだったんです。
だけど応援してくれる人が増えて自信がついたり、普段の姿を見て「もっとそういうところ出したほうがいいよ」って信頼している人に言ってもらえたりしたことが大きくて、だんだん表現の幅が広がってきたんじゃないかなと思います。最近になってようやく、仕事のときと普段の自分の境目がなくなってきました。
自信がないなりに理想を持っていたことがいまに繋がっている。
「少しずつ自信がついていったんです」と小谷さんは続けます。
小谷:自分を信じられる瞬間が増えたのかもしれません。はじめは全然自信がなかったけど、自信がないなりに理想を持っていたことがいまに繋がっているんじゃないかな。なりたい自分の姿を思い描いたり、自信を持って世に出せるものだけを武器に突き進んでいた時代があるから、いまの自分の形ができあがってきたんだと思うんです。
よそおってた時代があったから、今はよそおわなくて済んでいる。だから、なにかのフリをするって悪いことじゃないんだなって。なにかのフリって嘘をついているみたいに感じることもあるかもしれないけど、本人に目的や理由があるんだったら、なにかのフリをしたっていいと思う。