日々の出来事にゆれ動く心や、そのときどきにうつろってゆく身体。強さとは、ぶれず傷つかないタフさを持つことのように感じたりもするけれど、柔らかいものほど折れにくいように、ざわめき、たゆたう感覚を保ったままだからこそ得られる、しなやかな強度がきっとあるはず。
今回She isでは、敏感肌研究から生まれたスキンケアブランド・freeplusがおくる「freeplus YELL project 2020」とコラボレーション。敏感な感受性を肯定し、一歩先へ踏みだそうとする人の背中を優しく押すこのキャンペーンと連動し、柔らかな感覚を持ってそれぞれの道を歩む3名の女性にインタビューを行います。
Instagramでの恋愛に関するお悩み相談が多くの支持を得ている、まつきりなさん。うまく自分をさらけだせない時期もあったというまつきさんが、前に進むための力を得たきっかけや、大切にしていること、この先の目標などについてお聞きしました。
<もくじ>
p1…まつきりなさんが「猫をかぶっていた」時代から、無理せず自分らしくいたいと思うまで
p2…自分の人生を前に進めるための、まつきりなさんの心、肌、態度の保ち方
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まつきりなさんが「猫をかぶっていた」時代から、無理せず自分らしくいたいと思うまで。「自分じゃない自分を褒められても、嬉しくない」
─まつきさんはツイキャスから活動をスタートされて、YouTubeでメイク動画を発信されるようになりました。コミュニケーションを取ることが主なツイキャスと、YouTubeのメイク動画では、かなり違う面もあったのでは?
まつき:最初はけっこう苦戦しました。メイクについて説明することも難しかったし、撮影も全部自分でやっていたけど、機械音痴だから大変で。始めの頃はピントが全然合っていなくて。「カメラも扱えないのにYouTubeをやるな」というコメントが来たこともありました。メイクやヘアアレンジは好きだけど、そういうコメントが来るのはどうしてもしんどくて。やめたいと思って何度も泣いていました。
─とても辛い経験だったと思います。
まつき:初めてインターネットで叩かれたときはすごく落ち込んだんですけど、それでも私のことをいいって言ってくれるファンができたり、お仕事の依頼をいただけるようになって。いろんな人が私の存在に気づいてくれたことで頑張ろうという気持ちになれたし、救われました。
─自分の活動を肯定してくれる人の存在は、続けるための大きな力になりますよね。
まつき:誰かが求めてくれることって、すごく嬉しいです。幸せを感じます。
─何年か前のメイク動画を拝見したのですが、最近のInstagramでのお悩み相談のときとは、お話しされているときの雰囲気がけっこう違うな、と思って。
まつき:最近の私について「まつきはキャラがないから無理やりつくっている」って言う人がいるんですけど(笑)、始めの頃のほうが無理をして、標準語にしたり、声のトーンを上げたりしてたんですよ。
─無理をしてしまっていたのは、なぜだったのでしょうか。
まつき:みんなから「かわいい」とか「いい子だね」って思われたくて、猫をかぶっていた部分がありました。でも、あるとき久しぶりに地元に帰って、中学時代の友達に会ったら、「動画見たよ、『まつきりなでぇす♡』とかやっとるけど、どうしたん?」ってつっこまれたんです(笑)。恥ずかしかったし、確かに「なんで私こんなキャラを演じているんだろう?」と思って。自分じゃない自分を褒められていても、嬉しくないなって気づきました。
─そうですよね。
まつき:そこから、動画を撮るとき、徐々に偽物の自分を崩していくように努力しました。そうしたらだいぶ楽になって。どっちみち、どんなに自分をつくったとしても、みんながみんないいっていうことは絶対にないですよね。だったら無理せず自分らしくいたいなと思うんです。
─Instagramでの恋愛についてのお悩み相談はどうして始めようと思ったのですか?
まつき:フォロワーさんともっと仲良くなるための方法を考えたときに、Instagramのストーリーズ機能の質問コーナーを使って相談を受けてみようと、ふと思いついたんです。私のことを好きだと言ってくれる人って、けっこう変わってる……というか(笑)、外見じゃなくて、中身を好きになってくれることが多いから。「まつきになら言える!」っていろんな質問が来るんです。
─お悩みと向き合うときは、どんなことを大切にされていますか。
まつき:親身に答えつつ、せっかく相談してくれているなら、ちょっとでも相手にとってプラスになる回答をしたいと思っています。もともと相談を受けることが好きなんです。相談ってどんな相手にでもすることではないと思うので、私を選んで相談をしてくれていることが嬉しいですね。
─たしかに、悩みって信頼している相手じゃないと打ち明けられないです。まつきさん自身が悩んでしまったときは、どうしていますか?
まつき:私、母にめちゃくちゃ電話するんです。私の根本的な部分を知ってくれているし、とくに仕事の悩みって、身近な友達にはかえって言いづらかったりするんですよね。親だと、仕事に関わりがない分、客観的に見てくれる気がします。相談したことによって、自分が考えていたよりも重く受け止めなくてよかったんだと思えたりするんです。
─最近はSNS以外にも活動の場を広げられていますね。
まつき:今、生放送のラジオ番組でMCをやっているんです。喋ることが好きなので、どんどんそういうお仕事をやっていきたいなと思っているんですけど、アドリブ力が試されるし、MCという立ち位置でゲストの方の個性を引き出しながら自分のよさも出さなきゃいけない。これまで得意としてきた自分自身について発信することとは違ったから、かなり悩んで。ゲストの方について事前に勉強したり、事務所の方など、客観的に私のことを見てくれる人に意見を聞くようにしつつ、壁にぶち当たりながらやっています。私、これまであんまり勉強をしてこなかった方なんですよね……。でも、仕事のためにはもっといろんなことを勉強しなきゃいけないなと思って。
─異なる環境に踏み出すと、いろいろな変化がありますよね。
まつき:私は今、23歳なんですけど、今の時点で見えている世界ってめちゃめちゃ小さいと思っているんです。だからまずは25歳くらいまでは、あまり深く考えず目の前のお仕事をとにかく頑張ろうかなって。そのなかから、きっといろいろな目標が見つかってくるんだと思っています。
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