枝優花は寂しくて救われたくて映画を撮る。「気持ちの弱さは悪いことじゃない」

枝優花は寂しくて救われたくて映画を撮る。「気持ちの弱さは悪いことじゃない」

敏感は弱さじゃない。「freeplus YELL project」

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インタビュー・テキスト:松井友里 撮影:永峰拓也 編集:野村由芽
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日々の出来事にゆれ動く心や、そのときどきにうつろってゆく身体。強さとは、ぶれず傷つかないタフさを持つことのように感じたりもするけれど、柔らかいものほど折れにくいように、ざわめき、たゆたう感覚を保ったままだからこそ得られる、しなやかな強度がきっとあるはず。

今回She isでは、敏感肌研究から生まれたスキンケアブランド・freeplusがおくる「freeplus YELL project 2020」とコラボレーション。敏感な感受性を肯定し、一歩先へ踏みだそうとする人の背中を優しく押すこのキャンペーンと連動し、柔らかな感覚を持ってそれぞれの道を歩む3名の女性にインタビューを行います。

初の長編監督作『少女邂逅』(2017年)が話題を呼んだ、映画監督の枝優花さんは「弱さは悪いことじゃない」と話します。なにかを生み出そうとする人にとって、欠かすことのできない孤独な時間と、枝さんはどのように向き合ってきたのか、伺いました。

<もくじ>
p1…枝優花さんの根本にある「寂しさ」「救われたい」という気持ちと、映画を撮る責任感
p2…自分の人生を前に進めるための、枝優花さんの心、肌、態度の保ち方

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枝優花さんの根本にある「寂しさ」「救われたい」という気持ちと、映画を撮る責任感。「下の世代の考え方をアップデートしたい」

─映画『少女邂逅』が公開されてから約2年が経ちました。変化も多い時期だったのではないかと思うのですが、公開から現在までを振り返ってみて、どのような時間でしたか。

枝:最近になるまで気づけなかったんですけど、一言で言うと、いっぱいいっぱいでした。学ばなければいけないことが多くあるなかで、いただいたお仕事を一つ一つ必死でこなしていて、毎回慣れることがなかったです。とにかく場数を踏もうと思って働き続けてきたんですけど、自分のキャパや、努力してできる部分とどうしても無理な部分がわかってきたので、本質的にやりたいことをやるために、これからどう動いていくかが今ようやく見えてきた感じです。

枝優花さん

─全力で走り続けた結果見えてきた「本質的にやりたいこと」について教えていただけますか?

枝:やっぱり、映画です。私は映像を撮ることも好きだけど、物語を通してなにかを伝えたいという思いが強い人間なんだなと、あらためて感じました。0から1を生み出す作業が一番楽しいです。だから今年は、時間をかけて物語を構築したり、何もないところからみんなで役をつくり出したりすることを、腰を据えてやりたいなと思っています。時間もかかるし、すぐに結果も出ないから怖いんですけどね。

─答えのない作業に向き合っていくのは恐ろしいことですよね。

枝:面白いかどうか、わからなくなるんですよ。「こんなことやっていて誰が見てくれるの?」って思ってしまう瞬間があって。あとは、すごく孤独な作業なんですよね。同世代は就職して毎日働いていたりするなかで、台詞1行のために1週間脚本が進まなかったりしたときの、「何もやっていない感」とか。世間から取り残されたような気がしてしまうんです。それは現場のスタッフとすら共有できない感覚で。

友達から「好きな仕事をできてよかったね」って言われたりすると、私自身もよかったと思う反面、常にそういう葛藤はあります。なので最近は、同世代の音楽をやっている人たちに会ったりしているんです。0から1を生み出している人って、ジャンルは違えど、向き合っている実感は一緒だったりするから。

─それでも、作品をつくろうとしていくのはなぜなのでしょうか。

枝:この間、すごく信頼している俳優さんと「こんなに苦しくて、お金がたくさんもらえるわけでもないのに、どうしてものをつくっているんだろう?」という話をして。「多分、自分たちは寂しくて弱いから救われたいし、そういう人たちを救いたいから、ものをつくっているんだね」という結論になったんです。

ときどき、「きっとこの人は寂しくないんだろうな」という人と出会うことがあって。それは全く悪いことではないしむしろ幸福なことで……。ここでいう寂しいっていうのは「きっと作品や創作がなくても大丈夫」という意味です。でも自分はそういうものがないと生きていけなかったから。

─作品をつくることだけでなく、寂しさを抱える人同士が集まってものをつくるということでも、寂しさが解消されていく感覚はありますか?

枝:すべての過程にあると思います。脚本を書いているときは、だいたい寂しさの積み重ねで、「寂しい、なんで一人でこんなことやってるんだろう」って思うんですけど(笑)、登場人物たちを書いているなかでも、少しだけ救われたり。そこからさらに衣裳合わせや読み合わせをやっていくと、それぞれの部署がプロフェッショナルなので、自分が考えていた以上に掘り下げてくれて、具現化していくことにも救われています。割り切ったビジネスとして生まれた作品って、きっとお客さんにもわかってしまうんです。現場でみんなが救われたくて撮った空気感を映像に閉じ込められた作品に、観た人も劇場で救われるんだと思います。

─「作品を観た人への救い」という感覚にも繋がるように思うのですが、枝さんは大人としてというか、つくり手としての責任と使命感のようなものを強く持っているように感じます。

枝:けして大人になりきれているわけじゃないんですけど、自分の作品が世に出たときにいただくメッセージを見ていると、自分よりも若い子が多くて。あとは定期的に小学生に向けた演技のワークショップをやっているんですけど、彼ら、彼女らと接しているときにも、ものをつくっている側の責任を感じることがあります。

─どのような場面で実感されたのでしょうか。

枝:例えば、小学生ですでに歳を重ねていくことに対してマイナスのイメージを持っていたりするんですよね。「どこで教わったの?」って聞くと、漫画やテレビなどのメディアがきっかけになっていることが多くて。自分が子供の頃と比べると、いろいろなメディアが増えましたけど、よくも悪くもそこで見たものがすべてになって、影響を受けてしまったりする。

忘れかけていたけど、子供たちってすごく狭い世界に生きているじゃないですか。それって怖いことだなと。大人を変えるのは難しいし、下の世代の考え方をアップデートしていく方が、可能性があって、面白いものが生まれると思っているんです。自分も10代の頃、いいなと思える映画に出会って、そういう作品をつくる大人たちが映画業界にいてくれることが救いだったりしたので、「やるべきこと」って言うと大げさだけど、今自分がやりたいことはそれかなと思っています。全部ひっくるめて、自分が救われるからやっているんですけどね。

PROFILE

枝優花
枝優花

映画監督/写真家/ライター。学生時代から映像製作に携わり、注目を集めている新進気鋭の映画監督。
映画に関わる仕事がしたいという気持ちと反し、就職活動の波や両親からの反対による迷いがあったが、自分自身と時間をかけて向き合い、映画業界で活動することを決心した。
23歳にして制作した初の長編映画『少女邂逅』はインディーズ映画ながら異例のロングランヒット。
現在は、ドラマやMVの監督、写真家、ライターなど多岐にわたる活動をしつつ、誰かの心に届くような映画を作るために挑み続けている。

INFORMATION

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敏感肌研究から生まれたフリープラス。肌が敏感になりがちな時もお手入れを楽しんでいただきたいとの想いから、低刺激設計はもちろん、つけた瞬間の肌あたりの優しさと使い心地の良さにこだわっています。

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