自分の人生を前に進めるための、和田彩花さんの心、肌、態度の保ち方
─気持ちの面で自分自身を心地よく保っておくために工夫されていることはありますか。
和田:たとえば仕事や学校の締め切りがストレスになって「あと○日しかない……!」って締め切りのことばっかり考えてしまうときがあって。そういうときには焦らずに、いったん事実を事実として認識し直すようにしているんです。たとえば締め切りまであと3日だったとしたら、「3日しかない!」じゃなくて「そうそう、あと3日だよね」って落ち着いて考えるようにする。「3日といえば、24時間が3回あるって考えるとけっこうな時間だな」とか。それは自分のなかで、大事にしている考え方かもしれないです。
─状況は変わっていなくても、とらえ方を変えることで楽になれるんですね。和田さんは悩んだり迷ったりすることがありつつも、一方で今のお話のようにすごく思い切りのよい部分があると感じるのですが、追い詰められるような状況になったとき、どのように自分を信じて力を出しているのでしょうか。
和田:「ここでやらないとだめだ」という瞬間は「もうやるしかない」って自分に言い聞かせています。ステージに立つことが多かったからだと思うんですけど、その瞬間って逃してしまったらもう戻ってこないものじゃないですか。
たとえばそれによって評価が決まってしまったりすることもあるって肌で感じていたし、「ここぞ」っていうときはもう迷っている場合じゃない。始まっちゃったら終わるしかないから。悩んでしまうときももちろんあるんですけど、そういうときは、いったんとことん悩んでみて、考え抜くことで私の場合は楽になれるんです。
─お仕事柄、人から視線を集めることも多いと思うのですが、いまお話しいただいたことが、ゆらいでしまいそうなときにも、迷わずに進むことができるための和田さんの方法なんですね。
和田:少し話がそれてしまうのですが、私が前髪を伸ばし始めたとき、「切ってほしい」って、スタッフさんも含めて、何度も言われたんです。それはたぶん、前髪がある方が、かわいらしいイメージに見えたからだと思います。今まで通りの姿でいてもらいたいんだなってことを感じました。
だけど私は、大人になったときにどんな姿を見せられるかをずっと楽しみにしていたし、人は変わっていくことが当然だと思うんです。実際に、自分自身が、齢を重ねて大人になっているという事実もあるし。そこで折れずに前髪を伸ばし続けたり、どんどん自分のなりたい姿になっていくにつれて「素敵だね」って言ってくれる人がいることも知れて、変わっていく私の姿も楽しんでくれるんだという発見になりました。やっぱり自分の心は曲げられないんです。
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