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MICO×穐山茉由「こうあるべき」への違和感を見過ごさずに歩む

MICO×穐山茉由「こうあるべき」への違和感を見過ごさずに歩む

いろんな人格を持ってもいい、うまくこなすのもやめていい

2020年1・2月 特集:これからのルール
SPONSORED:SHE IS SUMMER“嬉しくなっちゃって”
インタビュー・テキスト:松井友里 撮影:酒井優衣 編集:竹中万季
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みんなが「一人目は何歳くらいで産んで」っていう話を普通にしていることにすごく違和感があった。(MICO)

─受け入れ難い発言をする人を一方的に悪の側に置いてしまわずに、想像力を働かせてみることって、けっこうな胆力がいることだと思います。今「産む機械」の話が出ましたけれど、出産や結婚は人によって価値観の隔たりが大きいテーマの一つです。MICOさんは川上未映子さんの『夏物語』についてTwitterで書かれていましたね。

MICO:子供を産むということを巡って、小学生の頃、喧嘩になったことがあるんですよ(笑)。当時、手をグーにして手首を押したときにできる粒々の数が将来産む子供の数だっていう変な迷信が流行っていて。みんなが「一人目は何歳くらいで産んで」っていう話を普通にしていることにすごく違和感があったんです。

MICO:私は、なんで自分が産まれてきたのかも本当に不思議だし、この地球がある意味もわからない。そうやって自分が産まれてきた意味をずっと考えてきて、それさえまだ解けていないのに、さらに新しい命をつくるなんて、みんな軽はずみになんてことを言うんだろう! と思っていて(笑)。だから「なんで子供が欲しいの?」って聞いたんですが、そうすると「かわいいから」「老後を見てほしい」「将来さみしくない?」とか、みんなすごいことを言うんですよ。

穐山:小学生なのに?

MICO:そう。私はよく考えずに子供を欲しいと言うことが怖いなと思って、「なんでそう思うの?」ってしつこく聞いたら相手が怒っちゃった(笑)。そういう経験をしていたから、She isの『夏物語』についての川上さんのインタビューは一気に読んじゃいましたね。子供を産むということに対していろんな視点の人が出てくるから、本の中に自分も入って、登場人物たちと一緒に真剣に対話できているような感覚になって。ずっと抱えていた疑問について、いろんな人の意見を聞いて考えられた感じです。小説を通じて対話できたことで、自分の中では少し先へ進めた感じがしています。

─物語は自分とは違う意思のもとに生きている人たちの思いを想像するための手がかりになりますよね。

MICO:だから読み終わったときすごくさみしかったです。登場人物たちの話がもう聞けない感じがして。

ルールと違うことをするのが当たり前すぎたから、逆にルールに沿う方がいいときもあるって気づくことがあります。(MICO)

─MICOさんは「固定観念を打ち破りたい」という気持ちでSHE IS SUMMERをはじめたとインタビューなどでお話されていますよね。これまで、さまざまな固定観念やルールに対してどのように向き合ってきましたか?

MICO:私は穐山さんとは逆で、学生の頃とかはどれだけルールと違うことをできるかがかっこいいと思って生きたんですよね。それが当たり前すぎたから、逆にルールに沿う方がいいときもあるって気づくことがあります。

─例えばどんなことですか?

MICO:学生時代、自分のやりたいことを突き抜けてやればいいと思って部活にもまったく入らなかったけど、何かを継続するための精神的な筋肉って、部活をやっていたらすごくついたりするんだろうなって思います。理にかなってるルールもたくさんあると思う。

穐山:私は子供の頃に暗黙のルールみたいなものがわからなくて、よく大人に怒られていたこともあって、それからどんどん周りの目を気にするようになっていって。へんに器用だったからかもしれないけど、見えないルールにずぶずぶになっていったところから、ようやく抜け出せて今に至った感じです。でも、今の状態は「世間一般はこうだよ」みたいな通過儀礼を通ったことで形成されたんだと思う。

─でもそうやって行ったり来たりしながら、自分なりにちょうどいい温度感を見つけていくのかもしれないですね。

MICO:私は何事もやりすぎしか経験していないくらい、やりすぎ系なんですよね(笑)。『イエスマン “YES”は人生のパスワード』っていう大好きな映画があるんですけど、銀行で働いている主人公が、すべてに対して「イエス」って言えば人生がうまくいくと言われて、どのお客さんに「お金貸してください」って頼まれても「イエス」って言っちゃう(笑)。そうしたら人生がいい方向に転がっていったというお話なんですけど、そういう風に「絶対にこうする」っていうルールを決めないと脱せない自分の癖みたいなものって、知らず知らずあるじゃないですか。

そういう癖って人生をけっこう左右するものだと思うから、今は「極端なことをする」という癖をやめるように意識してるんです。それでも、どうしても走り出したくなっちゃう夜があるんですけど、そういうときにグッとこらえたりして(笑)。

PROFILE

MICO

エレクトロポップユニット“ふぇのたす”のボーカルとしてメジャーデビュー。
2016年4月ソロプロジェクト“SHE IS SUMMER”として始動。
同年8月1st E.P「LOVELY FRUSTRATION E.P.」をリリース、リード曲「とびきりのおしゃれして別れ話を」は、YouTubeの再生回数が320万回を超え、
2018年8月リリース「CALL ME IN YOUR SUMMER」は、Youtube が200万回を突破拡散、国内のみならず 海外からも注目も集めた。
2019年2月"内田理央"主演"じぶん銀行"Webムービーに新曲「君をピカソの目でみたら」を提供、5月には、3rd EP「MIRACLE FOOD」をリリースし、
東京LIQUIDROOMでのワンマンライブをソールドアウトさせるなど、リアルなガールズマインドと独特の世界観が支持され、高感度な音楽ファンから熱い視線を浴びている。
また、ファッションアイコンとしても注目を集め、ユニクロ WEB CMを筆頭に数々のファッションブランドとコラボレーションを行う。

穐山茉由
穐山茉由

東京都出身。ファッション業界で会社員として働きながら、映画美学校で映画制作を学ぶ。長編デビュー作『月極オトコトモダチ』が第31回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門へ正式出品され、音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB 2018」では長編部門グランプリほか4冠を受賞。監督を務めたSHE IS SUMMER「嬉しくなっちゃって」MVや、短編『嬉しくなっちゃって』がYouTubeで公開中。
日本の若手4監督による連作『蒲田前奏曲』では「呑川ラプソディ」編を監督、第15回大阪アジアン映画祭のクロージング作品に選出される。

INFORMATION

リリース情報
リリース情報
SHE IS SUMMER
『WAVE MOTION』(CD)

2019年11月27日(水)発売
価格:2,860円(税込)
Amazon

ライブ情報
SHE IS SUMMER ワンマンライブ "WAVE MOTION TOUR”

2020年2月23日(日)
会場: 大阪府 梅田ShangriLa 

2020年2月24日(月・祝)
会場:愛知県 新栄 APOLLO BASE

2020年4月24日(金)
会場:東京都 Shibuya O-EAST

チケットぴあ
ローソン
e+

ブランド情報
"LIFE LETTER” 

ー手紙を書くように、丁寧に毎日を残そうーをテーマに、意識をしないと流れていってしまう物事や時間を、
未来の自分へ手紙を送るように思いを込めて、毎日を綴る瞬間を少しでも増やすための様々な雑貨店。

LIFE LETTER

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