家でも会社でもない働く場所の選択肢。シェアオフィスやコワーキングスペースに求めているもの
野村:これまでのお話にもあった、家でも会社でもない働く場所の選択肢は、これから必要とする人が増えそうですよね。シェアオフィスやコワーキングスペースというのも一つの選択肢になるだろうと思うのですが、みなさんはそういう場所がもっとこうだったらいいなとか、こうだったら使ってみたいなというのはありますか?
林原:まさに家と会社じゃない場所がほしいなと思って、全国に展開しているコワーキングスペースにしばらく登録していたんですけど、あちこちにあって、カフェ感覚で使えるのはよかったです。
佐倉:私自身はコワーキングスペースを利用したことはないのですが、以前、仕事相手の方が指定された打ち合わせ場所がとあるコワーキングスペースだったことがあって。そこは受付もなく、カジュアルな雰囲気だったのでちょっと驚きました。ビジネスで利用する時は、受付や待ち合わせスペースがないと、「この人は信頼できるのかな……?」と相手に思わせてしまう可能性があるんだと、その時に感じましたね。
林原:あとは、コワーキングスペースには飲み会などの交流がたくさんあるというイメージもあります。使用している友人が、それに参加しなきゃいけないといった空気があると言っていて、それは少しつらいかな……と思いました。わがままだなとも思うのですが、人と話したいけど、強制的な感じになるのはまた違うのかな……と。
竹中:知り合いをつくりたいという意思があって登録するのであればそういう場所も楽しめることもあるかもしれませんが、必ずしもそうではない目的でコワーキングスペースを活用することもありますもんね。
野村:安心や安全が保たれているのは大前提として、自分が求める感覚や距離感はなにか把握したうえで、フィットするコワーキングスペースが見つけられるといいですよね。佐倉さんは、会社で契約しているサテライト型のシェアオフィスも使用されていて、そのシェアオフィスが提供しているホテルの1室を貸し出すサービスも利用されたということでしたが、実際いかがでしたか?
佐倉:コロナの影響で空室になってしまっているホテルの一室を、コワーキングスペースとして貸し出すという取り組みをしていて、打ち合わせで銀座へ行った時に、このホテルで仕事をして帰ったら幸せかな? と試してみたんですけど、アクティビティになってしまう感じはありました。普段と違うことでリフレッシュはされるけれど、仕事のことを考え抜くにはものが多すぎるのかなと。ホテルの一室だからベッドなどもあるし。
竹中:寝ちゃいそう……(笑)。
佐倉:そうなんです(笑)。眺めはいいけれど、テレビがあったり、デスクは小さいし、やっぱり仕事用の場所ではないなと感じます。
竹中:コワーキングスペースにこういうものがあったらますます使いやすいなと思うものやサービスはありますか?
佐倉:シェアオフィスだとお昼をどこで食べていいか、曖昧なところが多いですよね。オープンスペースで飲食OKということになっていても、においは大丈夫かな……? と気になってしまうので、はっきりここは食べていいよみたいなところがあるとすごく嬉しいです。
それから、今は人に限らず偶発的な出会いがすごく減っているので、文喫とか蔦屋書店みたいにいろんな本を置いて購入できるようなサービスがあったらすごく素敵だと思う。
一同:めっちゃいい~!
木村:私は東京で作業できる場所を探しているのですが、「H¹T」はオープンスペースとは別に会議室や個室があるのと、緑が豊かなところが個人的に好きです。
神谷:訪れてみて、カフェとオフィスの間のような雰囲気だなと感じて。しっかりした安心感もありながらリラックスできる感覚もあって、個人的に心地いいなと思いました。
木村:秋田で使っているシェアオフィスでも意識したことなのですが、仕事場も自分たちが大事にしている哲学と共鳴するような場所を選びたいんです。自分の大事だと思う哲学を、生活に散りばめたい。そう考える人は多いんじゃないかなと思うし、それを基準に場所を選ぶのはひとつのやり方としてありなのではないかなと感じます。
野村:確かに、自分が大事にしている哲学にあわせて場所を選ぶというのは、ひとつの指針になりそうです。「#わたしにちょうどいい働き場所」のプロジェクトでは、今回みなさんから集まった課題をもとに、働く場所にまつわる専門家の方々とお話しする機会をつくっていく予定です。そちらも楽しみにしていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました!
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