小さな問いをたててその日の自分をケアする。そうすることで、なんとかこの日々を乗り越えていけるのだと思います。(伊藤)
カウンセリング、プロダクト、空間づくりそれぞれの領域から、「#わたしにちょうどいい働き場所」についての考えを伺ってきました。コロナ禍の変化を受け入れ、自分なりに試行錯誤してきた数か月を経て、現在感じている課題や自身の変化についてお話を伺いました。
小田桐:個々に異なる課題を抱えていますよね。通勤されていた方は、分散通勤や時差通勤が急に始まり、自身の意思に関係なく変更しなければならないことも。私も年明けから在宅勤務が本格化し、会社にいた時は気づかなかった些細な変化に不便さを感じています。たとえば、印刷がすぐにできない。簡単な相談を上司に気軽にできない。集中できないなど。それらを解決する術を、一つずつ見つけていきたいですし、H¹Tはそうした悩みを解決できる第3の場所として在りたいです。
杉山:そうですね。H¹Tは、家でも会社でもないクッション的な居場所として、利用してもらえるのではないでしょうか。そのためにも、自分にとって居心地のいい場所になってくれるように、これからも改善を重ねていきたいと思っています。
龍崎:働き方を変えることも大変ですが、ホテルなどリモートワークができない業種もたくさんあります。個人的な課題意識としては、働き方を変えられない人にとっての心地よい働き場所を提案したいです。ただ、こうして働き方を見直すことが、自分自身を見つめられる良いきっかけにもなっていると思います。通勤をしなくなった分、余暇の時間が増えた、家族との時間が増えたという話も聞きます。積極的に自分自身と向き合うことで新しい発見を重ねるのも楽しいですよね。
自分自身と向き合う上で、大切なこと。伊藤さんは「先の見えない不安を抱くよりも、目の前の課題ひとつ一つに向き合う」ことを推奨します。
伊藤:先が見えない状況下で、根本的な解決策を探ろうとすることはとても難しいことだと思います。なので、大きな問題よりも小さな問題から考えて、解決していくことが大切。たとえば「今日の働き場所はどうしたらいいのだろうか。どうしたら快適に働けるだろうか」と、小さな問いをたててその日の自分をケアする。そうすることで、なんとかこの日々を乗り越えていけるのだと思います。
柴田:そうですね。私もこれまでは、大学の常勤やいろいろな役目を担っていたことから、「ビジョン」を見据えて大きな話をすることが多かったんです。しかし、コロナ禍になりいくら考えても状況は変わってしまうことに愕然として、状況を想定することをやめたんです。
とりあえず始めたことは、毎日早く帰って家でご飯を食べるということ。人生で一番ご飯を作っていますね(笑)。でも、それがすごくヘルシーで、仕事も順調です。これまでは、朝起きたと同時に戦闘モードのような状態で頭の中は仕事でいっぱいでした。でも、今はもう少しゆとりがある。物事への考え方や人との接し方など、何事に対しても寛容になったと思います。厳しい状況だからこそ、優しくなれているんでしょうね。あまりにも予測のつかないことばかりだから、ぼんやり見るようになったからだと思います。そうすることで、以前よりもハッピーに仕事ができるようになりました。
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