少しの嫉妬と憧れを抱いてしまう、
彼女たちの話/塩谷舞

milieu編集長が紹介する狂おしいほど今を生きる女性たち

2017年9・10月 特集:未来からきた女性
テキスト:塩谷舞 編集:野村由芽
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未来からきた女性。

そんな執筆テーマを受けて、「由芽さんそりゃまた厳しいお題だよ」とボヤいたんですよ。

(She is編集長の名前は野村由芽。彼女の名前は覚えておいてね。)

だってヒリヒリと魅力を感じるほどの女性は、いつも現実のど真ん中で、呼吸しながら生きてる。

素直に欲望を打ち明けて、汗臭いほどに一所懸命で、爪痕を残して。わたしはそんな女性が好きなんです。

仕事柄、多くの人に取材で話を聞くんだけれども、やっぱり「誰かのセリフ」を喋っていない人はうんと魅力的なんです。「誰かの顔色」を気にせずに素直に進める強さは、まぶしいなと思うんです。

あらゆる関係性が渦巻くこの社会で、「大人の事情」や「大多数の総意」だなんてつまらんモノを吹き飛ばすくらいの強さと、ひたむきさと、意思がある女性たち。彼女たちは、このイケてない社会にひどく呆れた私たちを「あぁ、捨てたもんじゃない、こんな人がいるんだから」と勇気付けてくれる。

大きな野望だったり、小さな幸せだったり、描くものはそれぞれだけど、それがまたいい。

台湾をこよなく愛しすぎてそれを仕事にしてしまった田中伶ちゃん

アーティストとして生きる道を何度も噛み締めては強くなるAKI INOMATAさん

こまかな生活に愛を注いで自分を精一杯生かしている、美大生のももかちゃん

画力や心を武器に、ずっと闘い続けている絵描きのchiaki koharaさん

ホテル王になる! だなんて夢を21歳にして爆速で駆け上がっている龍崎さん

発表するたびにクオリティが一段ずつ上がっていく、美大生アパレル社長のハヤカワ五味ちゃん

そんな同級生にライバル心を燃やしながら漫画にぶつける山科ティナちゃん

文章を書くために生まれてきたような嘉島唯ちゃん

継続こそが唯一、私のできることだと語る、起業家の矢島里佳ちゃん

SNSを味方に修羅の道をひとり駆け上がるタレントのゆうこすも。

誰しもスマートじゃない。失敗してたり、後悔したり、それでもまた立ち上がったりして、ちゃんと自分の意志を言葉にする。動く。刻む。形にする。話す。広める。描く。いろんな形で、超生きてる。

彼女たちが生きてるのは、未来なんかじゃなくて、狂おしいほどに現在だと思うんです。

明るい人も暗い人も、真面目な人も大雑把な人もいるけれど、見ているとなんだか「希望だなぁ」とか思って、嬉しくなるわけです。

ちょっとずつ憧れてるし、ちょっとずつ嫉妬してるし、でもそれ以上に好きだし。

未来からきた女性、なんてSFチックな存在じゃない。

それでも、彼女たちは半歩だけ、未来に片足をつっこんでいる。
ちょっとだけ進んでいる。

王子様を待たず、上司の顔色も伺わず、ドラマティックな運命も願わない。願いはダッシュで自ら掴みにいく。自分から行く。そしてみんなを連れていくの。だから半歩だけ、未来にリーチしてる女性。

由芽さん、そんな感じで解釈しちゃったんだけれども、大丈夫でしょうか?
お返事待ってます。

塩谷舞(@ciotan

PROFILE

塩谷舞
塩谷舞

milieu編集長。1988年大阪・千里生まれ。京都市立芸術大学 美術学部 総合芸術学科卒業。大学時代にアートマガジンSHAKE ART!を創刊、展覧会のキュレーションやメディア運営を行う。2012年CINRA入社、Webディレクター・PRを経て2015年からフリーランス。執筆・司会業などを行う。THE BAKE MAGAZINE編集長、DemoDay.Tokyoオーガナイザーなども兼任。

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