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環境問題と生理用品の考察/柿沼あき子

環境に優しい生理用品、貧困問題から生まれた生理用品

2020年1・2月 特集:これからのルール
テキスト:柿沼あき子 編集:竹中万季
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バナナの木の幹やヒヤシンスを使用。環境問題と貧困問題から生まれた生理用品

南アジアやアフリカなどの一部の地域では、経済的な理由で安全な生理用品を手にできない程の貧困問題を抱えています。そういった背景から、環境問題への配慮と共に衛生面と低コストでの開発が考慮された生理用品が生み出されはじめています。

以前Twitterでご紹介した生分解性100%のナプキン

バナナの木の幹を使用したインド「Saathi(サティー)」
マサチューセッツ大学に通う女性工学者達が2015年に立ち上げた生理用品ブランド「Saathi」は、捨てられるはずのバナナの木の幹を使用してナプキンを開発しました。パッケージにいたるまでの工程で一切化学物質やプラスチックを使っていません。生分解性があり環境に優しく、貧困問題が深刻な農村地域には無料で配布する活動を行っています(*10)

バナナの木の幹を使用した「Saathi」

インド医薬品省が開発した1枚2.5ルピー(約3.8円)の「Suvidha(スビダ)」
インド医薬品省(Department of Pharmaceuticals)が開発し、2018年の国際女性デーに発表された生分解性生理用ナプキン「Suvidha」は、インドでの1枚当たりのナプキン平均価格8ルピーを、2.5ルピーという価格の安さで発売し注目されています(*11)

ビクトリア湖に生えるヒヤシンスを使用したケニア「Jani(ジャニ)」プロジェクト
スウェーデンのチャルマール工科大学の学生たちが行ったプロジェクトでは、アフリカ最大の湖であるビクトリア湖に群生し環境問題となっていたホテイアオイ(ヒヤシンス)の繊維を使用した生理用ナプキン「Jani」を開発、発売しました。ビクトリア湖の環境問題とケニアの公衆衛生問題を解決につなげた好事例です(*12)

日本ではまだ少ない環境問題を意識した生理用品。選択肢の一つになることを願って

日本の生理用品は安全性と機能性を兼ね備えた素晴らしい商品が多く販売されていますが、環境問題を意識した商品というのはまだ少ないように感じます。

日本でも2030年度の温室効果ガス排出量の26%削減(2013年度比)を目標として掲げており、環境省は脱炭素社会へ向けた製品の選択やライフスタイルの見直しを求めています(*13)

今後環境問題への取り組みが必須となっていく中で、世界各国の動きと同じように日本の優れた技術と環境問題への配慮を兼ね備えた生理用品が生まれ、若い世代の選択肢の一つとなっていくことを期待しています。

私も気候変動による影響を日々実感する中で、環境問題に取り組む一歩を踏み出せればと思います。

参照元:
*1:Annual climate statement 2019
*2:WG3 緩和 | 気候変動の今 | 気候変動の、いまを伝える 地球温暖化防止コミュニケーター
*3:今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~|広報特集|資源エネルギー庁
*4:「未来のための金曜日」の小中高生デモ、世界に拡大 | SUSTAINABLE BRANDS JAPAN
*5:ミレニアル世代とZ世代、社会・環境への関心高まる | SUSTAINABLE BRANDS JAPAN
*6:Ella Daish - Home
*7:Sainsbury’s stops production and sales of own-brand plastic tampon applicators | Metro News
*8:「プラスチックフリー」へ 女性がエコ生理用品を選ぶべき理由 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
*9:1万回以上繰り返し使える、環境に優しいタンポンアプリケーターが話題 - フロントロウ、re.t.a | Thinx
*10:バナナがインドの女性を救う。「土に還る生理用ナプキン」とは?、Sanitary Napkins Manufacturer, Saathi. Eco-friendly, period.
*11:完全に土に還る生分解性の安価なサニタリーナプキン、5月に発売、On Women's Day Government Launches Biodegradable Sanitary Pads Suvidha At Just Rs 2.50
*12:環境・貧困問題解決の新たな切り口! 土に返るエコナプキン「Jani」が途上国の女性の暮らしを変えていく?
*13:脱炭素社会づくりに貢献する製品で温室効果ガス排出量削減|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。

PROFILE

柿沼あき子
柿沼あき子

「EMILY WEEK」ブランドコンセプター。2009年に女子美術大学絵画学科を卒業後、同年にベンチャー企業へWEBディレクターとして就職。その後WEBプロモーション企業を経て、2014年(株)ベイクルーズへWEB販促プランナーとして入社。同社の社内新規事業として、生理週間を軸に女性のバイオリズムに寄り添うライフデザインを提案するブランド「EMILY WEEK」を提案し2017年9月に事業化。現在は「EMILY WEEK」にてWEB PR、バイイングなども担当。

INFORMATION

ブランド情報
EMILY WEEK

Harmony in Rhythm for Women's daily life
"日常を、心地よいリズムに。"

EMILY WEEKは生理週間を軸に、
女性の4週間のバイオリズム:Reset-Active-Neutral-Balanceに寄り添った新たなライフデザインを提案します。
日々を頑張るすべての女性へ、それぞれに合った心地よいリズムをサポートしたい。
EMILY WEEKを通じて自分と向き合うことへの喜びに出会えるよう願って。

EMILY WEEK (エミリーウィーク)
EMILY WEEK(エミリーウィーク)の公式通販 - BAYCREW’S STORE
EMILY WEEK(@emilyweek) • Instagram写真と動画
EMILY WEEK(@emilyweek_tokyo)さん / Twitter

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