コンプレックスとはなんでしょう? 多くの人がその言葉でとらえているものに苦しめられてきた記憶と個人史を持ちながらも、その内容や向き合い方はもちろん人それぞれです。She isの特集「Dear コンプレックス」の一環として、なぜコンプレックスが生まれるのか? どんな影響を与えられ、そこからどう自らを救い出すことができるのか? そんなことを探るべく、今回は次の3つの問いかけをShe isのGirlfriendsの方々におこなって、50人の方に回答していただきました。
1.あなたのコンプレックスはなんですか?(なんでしたか?)
2.コンプレックスを克服するために/付き合っていくために、実行したことは?
3.いま、コンプレックスがある人への言葉。
返ってきた言葉は、50人ばらばらで、なかには相反する意見同士も同居しています。そしてそれはあたりまえのこと。「自分のコンプレックスについて語る」というこの記事がめざしていることは、傷を見せ合って慰めあうことでも、たやすい共感を求めることでもありません。ここに集まった声は、生まれた日時も暮らす場所も異なる「私」たちが、各々の人生を懸命に生きる過程で向き合ってきた歴史、生き延びた記録をただひとつひとつ並べたもの。そのなかから、読んでくださった方が、自分の心の声と響きあう言葉を見つけてくださったなら、そしてコンプレックスを生み出すそのおおもとの存在に目を向けてくださったなら、こんなに嬉しいことはありません。
自分がただ自分であるということを受け入れる
1.
・「愛されない」、「愛される側ではない」という自意識。
・「普通じゃない家族」。
2.
「愛されない」のであれば「愛する」しかなかった。確実に必要とされるものを持とうと努力した。
「外」に居場所を求めた。
3.
他人から受ける視線や意識などで形成されていく自意識が大きいと思います。でも実は他人というのはさほど重要でなく、自分が自分を認められるかどうかにかかっていてそれはとても難しいことなのですが、たった1人になろうが生きる意味がわからなくなろうが、自分がただ自分であるということを受け入れられることを願います。苦しい最中は特に難しいですが、あなたのことを傷つける存在がいるなら遠ざけて、自分を愛して欲しいです。
努力を重ねることで、自信に変えていく
1.
外見、内面、キャリア、学歴などなど、とにかくコンプレックスまみれの人生です……。
2.
自己鍛錬を怠らないこと。つまり、努力を重ねることで、コンプレックス自体を自信に変えていくこと。
3.
ポジティブであれ!
どうせならポジティブに捉えて、味方にしてしまえ
1.
今もありますが、眉間にうっすらとある赤いアザがコンプレックスでした。
2.
特に実行したわけではないのですが、小学生のときにセーラームーンにハマっていて、このアザがうさぎの形に見える事もあり、自分は本当は選ばれし者なんじゃないかと思ったときから、大切に思えるようになりました(笑)。
3.
このアザは「サーモンパッチ」という病名なのですが、「天使のキス」とも呼ばれ幸運の証と言われているそうで、コンプレックスも捉え方で変わるのではないかと思います。どうせならポジティブに捉えて、味方にしてしまえば良いと思います。
つかれたら思いきり休もう
1.
育った環境
2.
現代美術と出会ったことで、劣悪な環境で育ったという事実をほんの少しだけ乗り越えられた気がします。どの国で育ったのか、どんな背景の元に生きてきたのか、といった、パーソナルなバックグラウンドが重要視される分野はめずらしいし、なんらかのもう取り返しのつかない巨大なコンプレックスがある人にとって、現代美術は完全に救いだと思った。同じ理由で、ここ数年はヒップホップにもどハマりしています。ハードコアで貧乏で育ちの悪いゲットーなやつが勝ち、なんていう、アタシのための音楽がこの世にちゃんと存在していたんだ、と思った。泣きそう。ポエジーが大切になってくる音楽っていうのもサイコー。
3.
超えられないコンプレックスは、たぶんカルマのように永遠に超えられないと思う(少なくともアタシはそう)。だから、仕事さぼってでも、大切な予定と引き換えでも、つかれたら思いきり休もう。お昼を過ぎて午後の光に包まれて、眠ることに飽きたころに起きて、それでもまだベッドに横になって天井を見つめて。夜がきたら爆音で音楽を流しながら時間をかけて料理をして、酒をたらふく飲んで、ひとりで勝手に記憶を失って、またベッドにもどる。
マイナス要素も包み隠さず生きてみたら
1.
とにかくすべてがコンプレックスでした、容姿も取り柄のない自分も。
2.
誰かになりたいと思うことをやめて、変わることより、ありのままでいること選んでから、それはコンプレックスなんかじゃなくて自分にとって必要なマイナス要素だったのだなと、気づきました。
3.
自分よりも誰か、周りは眩しく見えますが、マイナス要素も包み隠さず生きてみたら案外楽しい気がします。
自分を少しでも好きになってあげられるように
1.
童顔で身長も小さいので、常に実年齢より若く見られてしまうこと。なんだか自分の精神年齢が外見に表れているような気がして、ずっとコンプレックスに感じています。
2.
まずはファッションで、バランスが少しでもよく見えて、自分の内面と外見が一致するようなスタイルを見つけ出すこと、そして、自分が理想とする内面を持った女性に近付けるように、日々自分なりに地道に努力して、自信をつけていくしかないのかな、と思っています。
3.
自分のコンプレックスは、周りの人が何と言おうと、結局は自分自身で納得して解決しなくては意味がないことなんですよね。そして、外見のコンプレックスは、実は内面のコンプレックスから来ていることも多い。だから、これからもずっと自分は自分で生きていくしかないからこそ、自分の嫌いなところをただ憎んだり嘆いたりするのではなく、少しでも好きになってあげられるようにどうしたらいいかを考えることができたら、少し気持ちが楽になるし、前に進めるような気がします。
コンプレックスを掘り下げたら、ふしぎといきいきとしてきました
1.
食べるのがとても遅いことです。
2.
お昼休みなど、周りに合わせないといけないときは、あまり外食をしません。
3.
今、はじめての漫画を描いているのですが、編集さんに「キャラクターのコンプレックスを設定してください」と言われました。
無敵でいてほしいキャラクターにコンプレックスを作ることは心苦しかったのですが、きちんとそこを掘り下げると、ぺらぺらだったキャラクターが、ふしぎといきいきとしてきました。
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