ひとは毎日、服を着たり、脱いだり、また着たり、脱いだり。She isの9月特集「よそおうわたし」に寄せて、「よそおう」ことをひとつの「分身なのでは?」と解釈し、絵にしてくださったのが、イラストレーターのたなかみさきさんです。
酒に男に溺れてみたり、
絵描きだってのに歌ってみたり
あたしゃ淫らな浮雲さ
酒の水面に貴方を浮かべて
飲ませて頂戴、飲ませて頂戴。
たなかみさきのおでましよ!!
これはたなかみさきさんのInstagramのプロフィールですが、たなかさんが自身を刻々と姿形を変える「浮雲」とたとえているように、「自分」というのは、その瞬間に幻のようにしか現れない、さまざまな色や形の「自分」の集合体なのかもしれません。たなかさんの「答えを押しつけない」絵のように、わたしたちがよそおうことで窮屈になったりせず、どんどん解放されていきますように。
「よそおう」は分身を作るようなもの
・特集「よそおうわたし」のテーマをどのように解釈しましたか?
悪い意味良い意味、外面内面、様々な解釈ができる言葉なので迷いましたが、よそおうことで様々な自分が出来ていく感覚から「よそおう」は分身を作るようなものだと解釈しました。
私は意味を自分の中で消化した後、答えを出さずに消化途中のものを作品に出すことができる
・作品をつくるときに込めた思い。
「よそおう」という言葉の色々な意味が取れる所が好きだと感じました。私は意味を自分の中で消化した後、答えを出さずに消化途中のものを作品に出すことができるので、それぞれの「よそおう」を思い出していただければと。
答えを出さない、押し付けない、白黒はっきりさせないことをいつも心がけている
・作品をつくるときにやらないようにしようと思ったことは?
これはいつも心がけているのですが、
答えを出さない、押し付けない、白黒はっきりさせない事です。
味方も敵も自分の中にたくさんいる
・つくっていておもしろかったところ、こだわりポイント。
分身を描いている最中、味方も敵も自分の中にたくさんいるんだなと強く感じ、不思議と心強い気持ちになりました。
影響をもらっているのは、雲の形から恋人の腕の傷跡まで日常の中にあるフェチ的な部分
・自分の作品に影響をあたえた/あたえているもの、こと、ひと
日常の中にあるフェチ的な部分です。雲の形から恋人の腕の傷跡まで日常の中の思わぬところから影響をもらっています。
・あなたにとって大切なSheはだれですか?
母親です。