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短歌「祈りぐせ」/初谷むい

特集「癒やしながら」に寄せた6人の詩と短歌

2020年7・8月 特集:癒やしながら
短歌:初谷むい
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「祈りぐせ」初谷むい

はぐれるなこころ! 窓を開けたらでかい月見たまま全部を伝えてみせる

手癖で生きてきみを愛してしかるべき天国にぼくはゆくのでしょうか

牛乳に湿るグラノラ かつてとても やさしい人を好きだったこと

眠れずに見ていた扇風機が止まりぼくは簡単に途方に暮れる

夏にぬいぐるみは暑いけどあたたかいから一緒にいたわけじゃない ね?

グミをつまみながら思うよ きみのこと よく眠れているかとか、思うよ

ガチャガチャはきみの分まで回してるいいのがでたら渡しにゆくね

ぞろ目を見つけると神様になった気分だ ぞろ目を失うと神様はいなくなる

さわっていない部分がないから知らないことがないわけじゃない きみが眠る

テレビのリモコンで扇風機が動く まちがいでも笑う にせものでも笑う

噴水の前では話がしたくなるどんな余談もここまでおいで

風が強い、でも諦めないフリスビー楽しい 祈りぐせのあった頃

ほかの人の「情報ではない言葉を今。「癒やしながら」に寄せた6人の詩と短歌」をよむ
のびやかに紡がれた詩や短歌の言葉が、頭を満たしていた考えをときほぐし、ゆさぶり、ずらすことがある。自分で自分をたすけるための癒やしを宿した言葉を。

伊藤紺の短歌
大崎清夏の詩
戸田真琴の詩
文月悠光の詩
雪舟えまの短歌

PROFILE

初谷むい
初谷むい

1996年初夏生まれ。北海道在住。2018年、歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房)を刊行。短歌や散文の作成、朗読などの活動をたのしくしています。

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