「祈りぐせ」初谷むい
はぐれるなこころ! 窓を開けたらでかい月見たまま全部を伝えてみせる
手癖で生きてきみを愛してしかるべき天国にぼくはゆくのでしょうか
牛乳に湿るグラノラ かつてとても やさしい人を好きだったこと
眠れずに見ていた扇風機が止まりぼくは簡単に途方に暮れる
夏にぬいぐるみは暑いけどあたたかいから一緒にいたわけじゃない ね?
グミをつまみながら思うよ きみのこと よく眠れているかとか、思うよ
ガチャガチャはきみの分まで回してるいいのがでたら渡しにゆくね
ぞろ目を見つけると神様になった気分だ ぞろ目を失うと神様はいなくなる
さわっていない部分がないから知らないことがないわけじゃない きみが眠る
テレビのリモコンで扇風機が動く まちがいでも笑う にせものでも笑う
噴水の前では話がしたくなるどんな余談もここまでおいで
風が強い、でも諦めないフリスビー楽しい 祈りぐせのあった頃