出会う、何度でも

2021年3月の特集

「出会う、何度でも」

出会って、別れて、また出会って。 ひらかれた場所で。あるいはあの秘密の場所で。 わたしたちは、なにかや誰かに出会いつづける。

ときには胸をふるわせ、
ときには目を背けたくても背けられないものに、
出会う。
自分がはじめから自分だけのちからで
成立することはなく、
誰しものなかで、
時間や歴史や自然や他者の断片がまじりあう。
それらはその人だけしか持ち合わせていない
奇跡の集積で、
たったひとりのその人自身をかたちづくっていく。

たよりない現実を泳いでいく道中は、
いつでも複雑ではないですか?
たのしいことやうれしいことばかりではないし、 わかってもらえないと、傷つけてしまったと 苦しむ日々も山ほどある。

だけどそのままならない複雑さに関して、 難しさよりも豊かさのほうが
すこしうわまわると思えたときに、
暗闇をじんわり満たして照らす灯のような、 そんな出会いに導かれるのだと思う。

わたしたちは自由に冒険してもいいし、
覚悟を決めて逃げてもいいし、
やすんでもいいです。
もし叶うなら、
できるだけ心の歌に耳を澄ませながら
歩めるといいかもしれない。
わたしがここにいるのは、
ちゃんとここまで歩いてきたから。
ここにいることを讃えあえるあなたと出会いたい。

出会って、別れて、また出会って。 わたしはわたしと、わたしはあなたと、
何度でも出会い直したい。
いくつもの夜をこえて。何度でも朝がくるまで。