生理の期間は、ついつい自分をおざなりにしてしまいがち。お気に入りのショーツも履けないから、「もうどんな下着でもいいや」と憂鬱な期間をやり過ごしている人も多いのではないでしょうか。She isの2月の特集「超好き 〜Ultra Love〜」のギフトでは、そんなネガティブになりがちな期間にそっとやさしく自分自身を包み込んでくれるサニタリーショーツをお届けします。
女性のバイオリズムに寄り添うアイテムを提案するブランド「EMILY WEEK」と、オーガニックコットン素材にこだわったプロダクトを展開する「sisiFILLE」、そしてShe isの3ブランドがアイデアを出し合い、実現した今回のサニタリーショーツ。企画に関わったEMILY WEEKの柿沼あき子さんとsisiFILLEの本田久美子さんに、生理期間も自分を愛しながら心地よく過ごしていく方法について伺いました。
Webの技術はこんなに進化しているのに、生理に関してはあまり進化していないことにずっと違和感を感じていました。(柿沼)
─She isが昨年6月にティザーサイトを立ち上げたときに、EMILY WEEKの柿沼さんからご連絡をいただいたんですよね。
柿沼:EMILY WEEKの立ち上げの準備をしていたときに、She isさんのサイトをたまたま拝見して、考えていることや伝えたいことが近いと感じてご連絡したんです。私たちは、ファッションの力で生理周期をポジティブに変えていけるようなブランドをつくりたいと考えていて。She isさんも「毎月おとずれる憂鬱な時期をハッピーにしたい」とおっしゃっていて、その共通点にうれしくなりました。
─She isはウェブマガジンだけじゃなくて、毎月Membersの方にギフトをお届けしているのですが、その背景に「月に一度生理があるのなら、逆に自分を祝福してくれるようなギフトが届いたら前向きな気持ちになれるのでは?」という想いがあったんです。
柿沼:しかも、本サイトの立ち上げタイミングも9月14日と15日で1日違いでしたよね(笑)。運命を感じてしまいました。
本田:sisiFILLEも、生理期間をもっとポジティブに捉えられたらという想いから生まれたブランドなので、EMILY WEEKさんとShe isさんと出会って感情的な部分を共有できるのがうれしかったです。
もともとオーガニックコットンの会社なので素材にはこだわっているし、お客さんに伝えたいことや知ってほしいことが盛りだくさん。でも、洗練されたデザインで届けたかったので、あえて打ち出すのは控えめにしていました。今回お二方とサニタリーショーツの企画でご一緒できて、ブランドの根底にあるストーリーを伝えられるチャンスかなと思っています。
─ライフスタイルや身につけるものにこだわりがあっても、生理用品に関してはあまりたくさんの選択肢があるわけではないですし、どこか妥協して買っている人も多いのではないかなと思っていて。かといって、布ナプキンとなると急にハードルの高さを感じてしまったり。
柿沼:そうなんですよね。生理期間も自分にとっての気持ちよさを最優先に考えてもらえたら、毎日がハッピーになって、自分や周りをもっと好きになれると思うんです。「布ナプキン派」「紙ナプキン派」のような考え方もありますが、EMILY WEEKは派閥を作りたくなくて、両方扱っています。大事なのは、気持ちよさを一番に考えて、自分で能動的に選んでいるかどうか。「私はこれがいい」と思えるものを選んでほしい。その選択肢の幅を広げていけたらいいなと考えています。
EMILY WEEKでは生理週間を軸に、女性の4週間のバイオリズムに寄り添うライナーやアロマブレンドなどを提案している
─柿沼さんは、どんなきっかけでEMILY WEEKを立ち上げようと思ったのですか?
柿沼:仕事が好きだったこともあって、前職のWeb制作会社にいたときは連日のように夜遅くまで働いていました。当時は毎月生理が訪れる度に、薬を飲んで無理やり痛みを和らげて、どうにか生理前と変わらないパフォーマンスを出そうとがんばってしまって。生理は私にとって、すごく苦痛なものだったし、Webの技術はこんなに進化しているのに、生理に関してはあまり進化していないことにずっと違和感を感じていました。
でも、転職を考えていたときに生理用ナプキンをいろいろ試してみたら、新しいものを試したくて次の生理を楽しみにしている自分に気付いて。気持ちいいナプキンを探したりかわいいショーツが欲しくなったり、生理に対する自分のマインドががらりと変わりました。今までは疑問もなく生理用品や生理周期を受け入れていましたが、能動的に向き合えたことで考え方も生活も前向きに変わったんです。私と同じように生理期間に悩んでいる方や、これから生理を迎える女の子達に向けてそんな考え方を共有できるブランドを作りたいなと思うようになり、ベイクルーズに転職しました。
本田:生理用品に特化した業界ではなく、アパレル業界にいかれたんですね。
柿沼:ファッションが好きだったこともありますが、洋服を選ぶような感覚で生理用品を選ぶ楽しみを提供したいと思い、アパレル系にしぼって転職先を探しました。実は個人でやろうかなとも考えていたので、手縫いや刺し子で布ナプキンを作ったこともあるんですよ。
本田:ええー! 自分で作ったなんてすごいですね。
柿沼:でも手縫いって大変で、すぐに断念しました(笑)。それに個人でやっても規模感に限界がありますし、広めたい気持ちが強かったので会社がいいなと。それで、ベイクルーズに入社後に新規事業提案制度を使ってEMILY WEEKを提案したんです。入社してすぐにブランドを立ち上げられるとは思っていなかったので、タイミングがよかったですね。
「布ナプキンのような使い心地で、使いきりタイプのものがあったら」と思っていたんです。(本田)
─本田さんもオーガニックコットンの会社にいながら、新規事業としてsisiFILLEのブランド立ち上げを行っていらっしゃいます。現職に就かれたきっかけは?
本田:もともとアパレル会社でPRをしていて、私も毎日深夜残業の働きづめでした。その後、会社を辞めて1年間働かずに過ごして、夫の仕事の都合でサンフランシスコに移住することになったんです。サンフランシスコはオーガニック文化が根づいていて、ファーマーズマーケットは当たり前だし、食や衣類などにオーガニックコットンが自然と使われていて、その心地よさにすっかり夢中になってしまいました。
日本に帰ってきて、オーガニックコットンを活かした仕事をしてみたいと思い、今の会社(パノコトレーディング)にたどり着きました。育休明けに会社が20周年を迎えるにあたり、女性に向けたオーガニックコットンブランドを立ち上げるという話があり、その企画を任せてもらえて。生理が女性を象徴するものということもあり、まずは第一弾アイテムとしてオーガニックコットンのサニタリーパッドをローンチしました。
sisiFILLEではオーガニックコットンを使ったサニタリーパッドのほか、使い切りマスクやフェイシャルコットンも
─お二人とも自分の課題感をもとに、心地よく生活する方法を模索されてきたんですね。それがブランドとなり、お仕事にもなっているという。
柿沼:そういう意味で、sisiFILLEさんとは共通点が多いですね。私は市販の紙ナプキンは肌に合わなくて使えなくって、普段は布ナプキンを使っているんですが、sisiFILLEさんのサニタリーパッドに出会ったときは感動して……。使い捨てナプキンなのに使い心地がすごく良いんです。
本田:私も産後で肌が一変した時に、化繊で肌荒れするようになってしまって。それから布ナプキンを取り入れるようになり、生活や気持ちが変わっていくのを実感しました。でも、子どもがいるので育児をする中で自分に時間がとれず、ナプキンを毎回洗うのがストレスになってしまって、「布ナプキンのような使い心地で、使いきりタイプのものがあったら」と思っていたんです。
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