ロマンチックな夢や怖い夢、みなさんはどんな夢を見ながら、夜を過ごしているのでしょう。夢によって一日の気分が左右されたり、かつて見た大切な夢がいまもお守りだという人もいるのではないでしょうか。
今回She isでは、忙しい毎日を過ごす女性たちに自分自身を見つめ直す時間として「香りにつつまれる心地よい眠り」を届けたい、という思いから生まれた柔軟剤アロマリッチのキャンペーン「SLEEP WITH MY AROMA」と連動し、ハッシュタグ「#いつかの夢日記」でみなさんがこれまで見てきたとっておきの夢を募集。シンガーソングライターの吉澤嘉代子さんがそのなかから気になった夢を選び、夢の世界について語ってくれました。
小さな頃から夢の登場人物に恋をしたり、夢日記をつけてみたり、夢から影響を受けて楽曲をつくることもあるという吉澤さん。人一倍夢のことを考え続けてきた吉澤さんの視点を取り入れてみることで、現実世界にもいい影響を与える、夢との新しい向き合い方が見つけられるかもしれません。
夢と現実、どちらのほうが大切って言えないような重要さをそれぞれ持っていると思う。
—今回、「#いつかの夢日記」としてみなさんの夢のエピソードを募ったところ、なんと193もの夢が集まりました。吉澤さんにはすべて目を通していただきましたが、みなさんの夢を見てどう思われましたか?
吉澤:みなさんの夢を読んで、誰かに話したくなるような夢っていくつかに分類できるのかなと思いました。登場人物に運命を感じるような夢、漫画みたいなユーモラスな夢、死者が出てくる夢……。みんな別々に夢を見ているのに心に残る夢に傾向があるのって、おもしろいですよね。
—いくつか気になったものを教えていただけますか?
吉澤:おもしろいと思った夢は、「大きい館みたいなところで、召使の人たちに亡くなった小さい外国人の男の子に間違えられて、『ジョンの幽霊よ!ジョンの幽霊が出てきたわ!きゃー!』と逃げられていつのまにか周りに誰もいなくなる」っていう夢。女性が見た夢だと思うんですけど、性別も年齢も国籍も生死も越えて、少年の幽霊に変化しているところがおもしろいなって。
#いつかの夢日記
大きい館みたいな所で召使いの女の人たちに亡くなった外国人の小さい男の子に間違えられて、
「ジョンの幽霊よ!ジョンの幽霊が出てきたわ!!!きゃーー!!!」と逃げられていつのまにか周りに誰もいなくなってしまう夢— ayumi (@ayumi688403) 2019年1月25日
私、グロテスクなこわい夢をたくさん見るんですけど、おばけがすごく苦手で、夢のなかでおばけを演じるときがあるんです。一定の恐怖を超えると、逃げるより狂ったふりをしたほうが楽だから。この方は、すんなり幽霊に同化できて羨ましい。
—他にも「大切にしているテディベアとふたりで船に乗ってスペインに行きました。たくさん食べてたくさん笑いました」という夢にもチェックがついていますね。
吉澤:クマが出てくる夢、多かったですよね。かわいい。テディベアと食事をしたり笑い合うことは現実にはできないけれど、夢のなかだから嘘だということではなく、夢のなかの世界では本当に起きたこと。意識があるのが現実だから、現実のほうが大切なように思えるけれど、どちらが大切かは決め切れないですよね。夢の世界は、現実よりもスケールの大きい世界だと思うので、じつはそっちの世界のほうが主軸だったらなんて思ったりもします。
—夢のなかで起きたことが夢から覚めたあとに自分を癒してくれることもありますし、それぞれの世界同士が作用しあっていますよね。
吉澤:それで言うと、「つらいことがたくさんあって泣きながら歩いていると、優しいおばあちゃんがやっている1日1人限定の銭湯に出会った」っていう夢を見た方は、きっと目が醒めてからも癒されたんだろうなと思います。私も夢のなかで、その人に会うだけで自分が認めてもらえたような気分になる、太陽みたいな存在の女性に会ったことがあって。
辛いことがたくさんあって泣きながら歩いているとやさしいおばちゃんがやっている1日1人限定の銭湯に出会った
夢の中ではわたしは何度か利用している設定でおばちゃんは「あら、また来たの?いらっしゃい」って優しく出迎えてくれていっぱい優しくしてくれてご飯も食べさせてくれた#いつかの夢日記— あさ (@irotih2014) 2019年1月31日
—その女性は現実に知っている人ではなくて、夢のなかだけに出てきた人ですか?
吉澤:そうです。たぶん、自分を包み込むものの象徴として出てきたのかな。心のなかは夢のなかに在るというか、夢って自分の心の状態をいちばん表しているものだと思うんです。眠っている間に、1日のできごとを脳がまとめてくれて、なにかを解決しようとしてくれているのかなって。
そう考えると、私が見た太陽みたいな女性って、そのときの私にすごく必要な存在だったんじゃないかと思います。きっと悪夢だって、自分自身が見せているものだから、苦しませるだけのものではなく、なにかを解決させるために見ているんだと思うんですよね。
夢のなかで気持ちを伝えることができると、実際にちゃんと伝えたような気になる。
—さきほどのテディベアの夢もそれに近いですよね。身近なものが夢に現れて、自分を癒したり救ったりしてくれる。
吉澤:そうですね。あと、「裸で踊っていたら侍ふたりに切られそうになって、そしたらお母さんが歯磨きしながら走って『やめなさーい!』と叫びながら助けにきてくれた」って夢も、お母さんとの信頼関係がうかがえていいですよね。侍ふたりに切られそうになるって本当に怖いことだけど、お母さんが歯磨きしているのが心強い。私も夢のなかで助けにきてくれたしばらく会っていなかった友達に、起きてすぐに電話したことがあります。どこかで支えになっている部分があるんだろうな。
—吉澤さんは大切にしている人やものが夢に出てきたことはありますか?
吉澤:昔飼っていた犬がよく出てきます。夢のなかで私を探していたり、「ここにいるよ」ってしゃべっていたりするんです。私も「大好きだよ、ありがとう」って返したりして。それで寂しさが報われるわけではないんですけどね。でも夢のなかで気持ちを伝えることができると、実際にちゃんと伝えたような気になります。
夢のなかでは、現実に生きているものと死んでいるものの境が曖昧になっているから、すべての命が同等に登場する。だから、夢のなかで伝えたことや約束したことって、もういない人に対しては特に、本当に伝わったんじゃないかと期待してしまいますね。
—「大好きだよ」って夢のなかで飼っていた犬に返事をしたということですが、吉澤さんは夢のなかで、自由自在に思いを伝えることができるのでしょうか?
吉澤:私は夢を見ているって自覚していることが多いんですよね。ちょっと明晰夢っぽいというか。夢に出てくる人に対して名前を聞いてみたり、質問したり、いろいろ挑戦しています。彼らの化けの皮をはがしたくって(笑)。
—相手は吉澤さんの質問に答えてくれるんですか?
吉澤:夢のなかで、ある人に名前を聞いたら、「アカサタシワラクタです」って名乗られたことがあって。夢の住人っぽい名前だなあ、と思った(笑)。別の夢でも、夢の住人に「今日のこと忘れないでくれる?」って聞いたら、はぐらかされたんです。イレギュラーな質問は苦手なのかな。
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