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吉澤嘉代子、夢のなかで恋をする。現実世界に作用する夢の力とは

吉澤嘉代子、夢のなかで恋をする。現実世界に作用する夢の力とは

夢の住人に恋をし、曲を生む。#いつかの夢日記の紹介も

2019年3・4月 特集:夢の時間
SPONSORED:アロマリッチ
インタビュー・テキスト:飯嶋藍子 撮影:田中一人 編集:竹中万季 ヘアメイク:池田奈穂 フラワーアレンジ:大橋桃子 イヤリング提供:圓子槙生
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自分の心の変化を記録する日記をつけていろんな方向から考えることで、自分のクセを研究しています。

—夢だと自覚して夢を見るとおっしゃっていましたが、子どもの頃からそうだったんですか?

吉澤:子どもの頃もあったんですけど、特に大人になってからが多いですね。アカサタさんに恋をして、もしかしたらいままでも何度も夢で会いにきてくれていたかもって思ったときに、いろいろな手がかりを忘れたくなくて夢日記をつけるようになったんです。それから、夢を認識する力が強くなった気がしていて。朝起きてスマホのメモ帳に書いているんですけど、断片的な単語だとあとでわからなくなってしまうこともあります(笑)。

—夢日記だけでなく、起きているときに自分の心の変化を記録する日記も書いているんですよね?

吉澤:はい、この2年半くらい書き続けていて。出来事の記録ではなくて、「今日は穏やかである」とか「今日はざわざわしている」とか、そのときの感情を書いています。そこから、「じゃあなんでこういう感情なんだろう」って考えて、これから起こることを予測するんです。「ざわざわしているから、心が乱されることがあるかも。念頭に置いておこう」とか。感情って一秒ごとに変わっていくから、日によっては10回くらい書くときもあります。

—10回も。

吉澤:大人になると、思考パターンが決まってきてしまうじゃないですか。たとえば「人にこういうふうに言われた。この人は私のことが嫌いなのかもしれない」とか、事実に対して自分が色づけしている部分が必ず出てくると思うんです。そういうついネガティブに捉えてしまう思考のクセを自分で認識してみようと思って。「こういうふうに言われたけど、じつはこの人はこう思っていたかもしれない」とか、感情の日記をつけていろんな方向から考えることで自分のクセを研究しています。

—自分の感情の記録日記を振り返ってみると、その日見る夢に感情が影響していますか?

吉澤:すごく影響していますね。感情が揺れるから夢が揺れるのか、夢が揺れているから感情が揺れるのか、どちらが先かはわからないんですけどね。夢を見たことによって忘れていたことを思い出してしまったり、安心していたことが心配になったり、ふりまわされることもあります。だけど、夢の登場人物に注目してみるようになってから、その人たちの視点を想像したり、それにちょっとときめいたりしていくなかで、感情が揺さぶられる夢だったとしても意識が変わってきました。

いまの私がいちばん欲しているものって、自分自身を認めること。

—そんななかで制作されたアルバム『女優姉妹』は、「女性」という大きなテーマを書かれていたと思うんですが、今回なぜ女性を描こうと思ったんですか?

吉澤:曲をつくったり歌ったりする初期衝動が少女時代にあるから、その頃の記憶は大切にしてきたんですけど、ずっと歌い続けるうちに、「この曲では少女時代の素材を活かそう」とか、「ここではやめていこう」とか、コントロールできるようになってきて。そういう自分を客観的に見たときに、少女ではなく完全に女性だと感じて、今回は成熟した女性を描きたいなって思ったんです。でも「女性」を描くというのは無謀なことでもあって。

吉澤嘉代子『女優姉妹』収録“最終回”

—「無謀」と言うのは?

吉澤:人口の約半分の人たちを描くのが壮大すぎて(笑)。本来、私は女性性とか男性性っていうものの境をなくしたいという思考を持っていて、だからこそあえて「女性性」という枠組みに着目したのですが、知らず知らずのうちに生まれていたステレオタイプが浮き彫りになる感覚があって、自分に嫌悪感が生まれてきた部分もあって。それでも女性というものと向き合うことで、対峙するということを書きたかった。日記をつけることもそうですけど、いまの私のテーマはそこにあるかもしれないです。

—枠組みという話がありましたが、自分がなにかの枠組みにとらわれていることを嫌だと感じることはありますか?

吉澤:私は、歌詞を書くときにこの言葉は使わないとか、いろいろルールをつくるほうで。それによってがんじがらめになって苦しむこともあるけど、それを崩してしまうと自分自身が壊れてしまう恐怖があるから、どう自分を納得させられるか考えています。だけど、そのこだわりがなければ、この仕事ができていないだろうなとも思って、ある意味では自分自身に課してきたルールがここまで連れてきてくれたような気もしています。

—眠って見る夢ではなく、将来の夢という意味でいうと、吉澤さんは以前「メジャーデビューしたい」とおっしゃっていましたが、それが叶ったいま、どういう夢を叶えていきたいですか?

吉澤:ここでライブをしたいとか、この人と音楽をやってみたいとか、いろいろあるんです。でも、いまの私がいちばん欲しているものは、自分自身を認めることだということに気づいて。自分の依存心や孤独感はぜんぶ、自分を認められないということが根底にあるんじゃないかと思ったんです。

頭ではわかっていても、「どうしてできないんだろう」とか「どうしてやってしまったんだろう」とか、自分を許しきれない部分がたくさんある。だから、日記や夢日記を書いて自分の感情を知ることもそうなんですけど、あの手この手を使って自分を認めるということを、自分の力で自分に施したいと思っています。それがいちばんの夢ですね。

後編「吉澤嘉代子が夢の専門家に聞く。『夢が良くなると現実も良くなる』」

PROFILE

吉澤嘉代子
吉澤嘉代子

1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場育ち。
ヤマハ主催「Music Revolution」でのグランプリ・オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年メジャーデビュー。
バカリズム作ドラマ「架空OL日記」の主題歌として「月曜日戦争」を書き下ろす。2ndシングル「残ってる」がロングヒットする中、2018年11月7日に4thアルバム『女優姉妹』をリリース。

INFORMATION

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世界にひとつだけのオリジナルデザイン・ルームウェア&ランドリーボトルをプレゼントするキャンペーン。このキャンペーンに参加した方に、She isが編集した「夢」をテーマにした小冊子もプレゼントすることになりました。ここでしか読むことができない、吉澤嘉代子さんに特別に書き下ろしていただいた「よい夢を見るための詩」のほか、彼女が選んだ「よい夢を見るために読みたい3冊」も紹介。

<当選ギフト>
オリジナルルームウェア&ランドリーボトル:200名様
ランドリーボトル:1000名様

<応募期間>
2019年2月1日(金)〜3月31日(日)
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リリース情報
リリース情報
吉澤嘉代子
『女優姉妹』(CD)

2018年11月7日(水)発売
価格:3,024円(税込)

1. 鏡
2. 月曜日戦争
3. 怪盗メタモルフォーゼ
4. 女優
5. ミューズ
6. 洋梨
7. 恥ずかしい(新録)
8. よるの向日葵
9. 残ってる
10. 最終回

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