今日はなにを着て生きようか。今日はどんな自分で生きようか。「よそおい」を決めることは、心地よい自分の姿を探す最初の一歩になりえるのかもしれません。She isでは、9・10月の特集「よそおうわたし」のギフトでお送りするオリジナルプロダクトとして、モデルの小谷実由さんと一緒に、足元にさりげなくきらりと光る3色のラメソックス「見せかけじゃなくて本当にするラメソックス」をつくりました。
モデルという仕事をとおしてさまざまな「よそおい」をしてきた小谷さん。幼少時代から服が大好きだった小谷さんが服を着ることで得てきた自信や、なりたい自分に近づいていく過程、「なにかのフリ」をするという意味での「よそおい」について、そして、自分のスタイルが見つからない人へのアドバイスまで、じっくり伺いました。
【後編】小谷実由が紹介。尊敬する古着屋、気の合う店、緊張するブランド
小学生の頃、私は本当に背が高いことくらいしか取り柄がなかったんです。だけど服は好きだった。
モデルというお仕事をするうえで、日々さまざまなよそおいをしている小谷さん。「よそおう」ことをどのように意識しているのでしょう?
小谷:もともとは、小さい頃から服が好きで、服をたくさん着られるからっていうすごく単純な理由でモデルになったんです。服を着ることが好きなのは、服が自信をもたらしてくれたからだと思います。
小学校高学年から雑誌を読むようになって、自分の好きな服を見つけられるようになって。そこに載ってるジュニアブランドがかわいくて、とにかく着たかったけど、高かったので私はあんまり買うことができなかったんですよね。
小学生の頃、私は足が速いわけでも、人気者でも、頭がよかったわけでもなくて、本当に背が高いことくらいしか取り柄がありませんでした。だけど服は好きだったから、素敵な服を着ていたら少しはそういう友達たちと足並みを揃えられるかなって感じていたんだと思います。
小谷さんにとって、服は自分の居場所を見つけるための大切なものだったことが伝わってきます。今もずっと「とにかくいろんな服が着られて楽しい」という気持ちが続いているという小谷さん。モデルになってから実際にたくさんの服をまとうようになり、新しく気づいたこともありました。
小谷:いろいろな服を着ると、自分にどういう服が似合うのかがわかるようになってくるし、「いまは似合わないけど、これから似合いたい服」も出てくるんですよね。それってたぶん「なりたい自分」みたいなものだと思うんです。バンドマンに憧れていたのでバンドマンみたいな格好をしていた時期もあります(笑)。なりたいものを服に投影していたし、服を通して自分のキャラクターを見つけてきたのかもしれない。
あるブランドと出会ったことで、「服の選び方」がらりと変わりました。
そうやって自分のスタイルを模索してきた小谷さん。20代前半で出会ったあるブランドの服がきっかけとなり、「服の選び方」が変わったそう。
小谷:20代のはじめの頃までは、とにかくいろいろな服を着てみたくて、ファストファッションばかりを買っていて。だから1着1着に対する気持ちはそこまで大きくなかったんです。でも、あるブランドと出会ったことで、がらりと変わりました。
そのブランドはmameなんですけど……。mameを身にまとったときに、「これが似合う自分になりたい」って初めてはっきり思いました。展示会で出会ったので、服が実際に手元に届く半年くらいの間にはたして自信を持って着られるようになるのか? って自問自答したり、この服に見合う自分になれるようにしなきゃって、すごく考えました。
その出会いがあってからは、服を選ぶときに、おばあちゃんになってからも着られるのか、もし自分に子どもが生まれたら受け継ぐことができるのか、それくらい大事にできるのかってことをすごく考えるようになりましたね。
- NEXT PAGEまったく自信がなかった自分から、自信が持てるような自分に変われた理由
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