個性的なモチーフを使ったコラージュやアート作品で、多くのファンを魅了しているとんだ林蘭さん。そして「コンプレックスはアートなり」という型破りなコンセプトを掲げるバンド、CHAIでベースとアートワークを担当しているユウキさん。今回はShe isの1月の特集「Dear コンプレックス」をテーマに、とんだ林さんにポーチを、ユウキさんに手鏡をデザインしていただきました。
人気沸騰中のお二人にも、実はいろいろなコンプレックスが。アーティストとしての活動を通じて変わったコンプレックスへの向き合い方や、コンプレックスとうまく付き合うためのライフハック、ポーチと手鏡に込めた思いを、「ずっと会いたかった!」と話す二人にお伺いしました。
1月のギフト「Dear コンプレックス」のページはこちら(お申込みは1/31まで)
CHAIは「コンプレックスはアートなり」ってメッセージを伝えたいという分かりやすい目標があるから。(ユウキ)
会ったのは今回の対談が初めてだというお二人。でも実は、これまでもお互いの作品に影響を受けたり、共通点を感じていたそうです。
とんだ林:CHAIさんのことはチーム未完成さんが監督をしていたMV『ボーイズ・セコ・メン』を見て知りました。それから見ない日はないくらい活躍されてて。いつか会えるかなあ、なんて思ってたんです。
ユウキ:ええ〜嬉しい! わたしは、Instagramでたまたま蘭ちゃんのアカウントを見つけて。「どこの国の人だろう、めちゃめちゃ可愛い」って思ってたら、日本人だと知ってびっくり。展示にも行ったし、もうただのファン! すごい好き。
とんだ林:歌詞ってどなたが書かれているんですか?
ユウキ:歌詞はほとんどわたし。
とんだ林:そうなんだ! 歌詞を聞いた時、こういうこと表現したいと思っていたなあって、すごい共感しました。わたしはビジュアルでしか伝えられないけれど、音楽って人にダイレクトに伝わるからすごいなと。
ユウキ:すごく嬉しい! そうだね、CHAIは「コンプレックスはアートなり」ってメッセージを伝えたいという分かりやすい目標があるからね。蘭ちゃんの作品の、嫌味ない毒っ気がすごい好きで。めっちゃ影響された! どタイプ過ぎて。いろんな作品がある中で、なかなかここまでぐさっとくることってないと思う。
美大に行ってたら、周りを見て自信をなくして今の活動を始めてなかったかも。(とんだ林)
みんなが好きとは限らない個性的なものや、一般的には隠したいと思われがちなものを、アートとして表現してきたお二人。それぞれ表現活動をしていく中で、自分自身のコンプレックスへの向き合い方にも変化があったようです。
ユウキ:わたしはもともとネガティブ出身で、自分のコンプレックスも、初めは隠したいって思ってた。けど、CHAIのメンバーと友達になってから、コンプレックスだと思っていたところをどんどん好きになっていって。隠したかった部分も、愛してあげようと思えるようになったんだよね。
とんだ林:わたしは、自分の鼻の穴が大きいのがすっごい嫌で。高校生の頃は洗濯ばさみでつまんでたなあ(笑)。ちなみにその頃はギャルだったんですよ。
ユウキ:えー! わたしはギャルになりたくてもなれなかった〜。
とんだ林:その時期は、いまと価値観がまったく違ってたな。思い返してみたら、わたしはもともと正統派な美しいものが好きだったんです。整った顔の人とか綺麗な人が美しいって価値観で育って。5年前くらいにイラストを描き始めてから、だんだん個性的なものが可愛いって気づき始めて、そこからいろんな美しさがあることを知って、惹かれていきました。
ユウキ:その気持ちわかる〜!
とんだ林:イラストを描き始めたときも、美大で勉強してないことがコンプレックスでした。当時はOLをしながら描いていたんだけど、最初はやっぱり自信もないし、ちゃんと勉強してきた人から見たらどうなんだろうなって。でも周りの人や先輩の話を聞いてたら、別に美大に行かなくても活躍している人もいるし、しょうがないって割り切れるようになりました。むしろ美大に行ってたら、周りを見て自信をなくして今の活動を始めてなかったかも。
ユウキ:わたしも、CHAIを結成するときにベースを始めたばっかりで、知識もないし勉強もしていないからベースコンプレックスを抱えてるよ。イラストも勉強したわけじゃないから、美大コンプレックスってすごく分かるな。どちらも勉強しとけばよかったなあって思うけど、「意外と褒められたからいっか」とも思う。
- 1
- 2