7.21参院選、大至急要点だけ教えて!
恥ずかしながら知識ゼロ。
でも、世の中にモヤっている私たちが票を無駄にしないために。
7.21参院選(参議院議員通常選挙)、大至急要点だけ教えて!
社会や政治の現状にモヤモヤと不安を覚えるなか、迎える7月21日の参院選。今ちゃんと選挙に行っておかなきゃ、世の中がヤバい方向に向かってしまうようなバイブスを感じつつ、何を決め手に誰に一票を投じるべきなのかがわからない。そもそも、私のちっぽけな一票、意味なくない!? 結局、何も変わらないんじゃない!?
そんなジレンマを抱えた私が、「政治音痴でもわかる選挙企画をやってみたい!」と一念発起したのは、劇団雌猫かんちゃんのツイートを見たのがきっかけでした。
アイドルとかゲームの運営にはすぐ怒るのに国の運営には怒らんユーザーちょっと面白くない?真っ当なゲームバランスを設定してちゃんと説明してくれてミスした時は適切に詫び石くれるPを選びたい ソシャゲ運営のPは選べないけど国のPは選べるので………
— かん (@kanrooom) June 27, 2019
付け焼き刃上等! 政治も選挙もよくわからない私たちなりに、いい感じの投票で国の運営を選びたい。若者の投票率アップを含めた「民主主義のアップデートのために命かけてる」先生に緊急取材し、必要最低限の選挙知識を教えてもらいました。
教えてくれるのは
「民主主義のアップデートに
命かけてます」
徐東輝(そぉ とんふぃ)
教わったのは
「自分のことで大忙し!
効率よく良い人を選びたい」
かん
「応援した候補が負け続け
一票の無力感に心が折れそう」
長田杏奈(おさだ あんな)
<もくじ>
p1.選挙で「推し」を決めるときに、まずやるべきことを教えて!
p2.投票するのって、党に? 人に?
p3.「推し」が当選しない私の一票、意味ある?
p4.選挙行かないとヤバいの? 実際、どうなるの?
p5.ともだち何人選挙に連れて行けば、世の中が変わる?
p6.今回の選挙はどのくらい重要?
p7.スマホでサクッとぴったりの投票先を見つけるには?
p8.自信を持って一票を投じよう&おまけ
「争点」で選び、「何が許せないか」で絞る。
かん:とんふぃ先生! 今日はよろしくお願いします。一般的には、候補者選びってどこを見るものなんですか?
とんふぃ:パーティ(政党)、パーソナリティ(人柄)、ポリシー(政策)、パフォーマンス(日頃の活動、公約の実現度合い)の「4P」を見て選ぶのが基本ですね。
あんな:その基本情報すら集める知識と余裕がない人、多いんじゃないかな。私のことだけど。
かん:政治が趣味みたいになってる人でもないと、情報をくまなくキャッチして俯瞰で見られないよね……。
あんな:街頭演説も聞かないし、選挙カーで候補者の名前を覚えることもない。選挙前に配られる公報は情報が薄いし、政党の公式ウェブサイトを見ても様式がまちまちで頭に入ってこない。
とんふぃ:紙の新聞も若い人はほとんどとってないですよね。
かん:藁にもすがる気持ちでバズってたYahoo!の「政党との相性診断」をやってみたんだけど、同率1位が3政党出てきていきなり困った(笑)! もっと思考停止したい……。
あんな:思考停止!?
かん:日々自分の生活だけで精一杯だから、正直、全政党の公約や争点をみている余裕がない。なるべく効率よく意思決定したいんです。
とんふぃ:それなら、いちばん解決したい争点に注目して選ベばいいと思います!
あんな:みんな争点争点って言うじゃないですか。「今回は年金選挙だ!」「いや、消費税選挙だ!」「いやいや憲法選挙!」。バラバラじゃん!? って混乱します。結局今回、何選挙なの!?
とんふぃ:憲法改正、消費税10%増税、経済政策、原発、最低賃金、夫婦別姓、LGBTQ……。国民の関心が高い問題はだいたい争点になっているので、迷うのはもっともですが、実は選挙の「争点」はみなさん自身がそれぞれ決めていいものなんです。
かん:え、自分で優先順位を決めていいんだ。
とんふぃ:自分がいちばん大切だと思う話に着目して選べばいいんです。周りは気にせず、自分の生活や人生にとって重要度が高く感じる公約を比較して、意見が同じところに投票すれば大丈夫。
あんな:よりよい社会にしようと欲張るより、自分にとっての明日のおまんま問題みたいに考えていいのかな……。
とんふぃ:できれば5年後ぐらいまでのおまんまについて、考えられるといいですね。経済政策や消費税は、おまんま……つまり生活に直結しています。実際、人生順調だし、仕事があって、なんとなくいい生活ができてるから自民党でいいなという人はいっぱいいます。
かん:与党は上手くいってるって実績アピールしてる一方で、野党は批判していて、どっちを信じたらいいのかわからない。
とんふぃ:上手くいっているところもあると思いますが、10月から消費税が増税されることについては専門家からも反対意見が多いですね。市場が消費を活性化するためにアクセルを踏んでいる中で、消費税増税はそれを止める大ブレーキになりますからね。
あんな:消費税10%、困っている人を助けるために使われるなら払ってもいいけど。消費税となると、困っている人のところからもとられるのが賛成できない。
とんふぃ:物価が上がっても実質賃金は上がってこないから、生活が楽になった実感はないですよね。そこを野党が突いている。経済政策の恩恵は、かなり時間が経ってから得られるものもあるのですが……。
あんな:うちは子供2人いる共働きでそこそこ稼いでる方だと思うけど、生活が楽勝という感じは全くしないもん。
とんふぃ:世帯収入の中央値は427万円。残り半分は、それ以下の生活をしていることになります。そういう人たちにとって、消費税2%の増税は命に直結する問題です。税収の使いみちが社会保障だとしても、じゃあその人たちが将来年金をもらえるのかというとわからない。だからこそ個々人で何を争点とするか考えてみて、その上で、自分に寄り添うのか、寄り添いたい誰かに寄り添うのか、決めればいいんです。
あんな:自分より困ってる人に寄り添ってもいいし、もちろん自分の生活の維持を優先してもいいと。
かん:争点に対する政策が似たり寄ったりで、複数の政党から絞れないときはどうすればいいですか?
とんふぃ:他の争点を見て、許せないことが多い政党を外しましょう。
かん:なるほど! 共感できること→共感できないことの順番で見る。
<ポイント>
Q.選挙で「推し」を決めるときにまずやるべきことを教えて!(かん)
A.「争点」で選び、「何が許せないか」で絞る。(とんふぃ)
STEP1. 自分にとっていちばん大事な「争点」
(例:年金、消費税、子育て支援、教育無償化など)を決め、意見が近い候補者や政党を選ぶ。
STEP2. 争点について複数の候補者や政党と意見が近いときは、その中から「許せないことを言っていないか」で、さらに絞る。
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