She isでは、特集テーマをもとにGirlfriendsに選曲してもらったプレイリストをSpotifyで配信中です。11・12月の特集テーマ「生理現象をおもいやる」では、生理の時期に聴きたい音楽を16人のGirlfriendsが選曲してくれました。
生理期間や前後、お腹が痛くなったり身体が思い通りに動かなくなったりと身体の変化に悩まされる人もいれば、苛立ったりわけもなく涙が出てきたりと気持ちがコントロールできないことに悩まされている人もいるはず。この時期の心や身体の状態は、本当に人それぞれです。
音楽は、気持ちをあげてくれたり心を落ち着かせてくれたりするだけではなく、どきどきする心にそのまま寄り添ってくれたり、一時だけでもつらさを忘れさせてくれたり、さまざまな作用をもたらしてくれるもの。Girlfriendsたちの曲の選び方から、ひとりひとりの生理の時期の過ごし方の違いも見えてきました。このなかから、今の状態や気分に寄り添う曲が見つかりますように。
01:カネコアヤノ “祝日”
<お腹が痛くなったら 手当てをしてあげる>からはじまる歌詞がそのまま慰めになるのはもちろん、カネコアヤノさんの曲や言葉は、ちょっと疲れてしまった時や苦しい時に聴くと、とてもやさしく心地よく、聴く人の心に寄り添ってくれます。日々の暮らしの中でささやかな光や勇気を与えてくれる、お守りみたいな音楽と言葉です。
(エミリー)
02:Jack Johnson “Lullaby”
普段は無理をしたり、我慢したり、意地をはったりしていても、
この時期だけはからだとこころが一致した生きものになって眠ることにしている。
わたしからわたしへ、優しい子守唄を。
(カトートシ)
03:Sarah McLachlan “black bird”
優しいメロディと穏やかな歌声が気持ちを落ち着けてくれると同時に、沈みすぎることなく、静かにエネルギーを充電させてくれるような感じがするので
(さやは)
04:Cat Power “Woman (feat. Lana Del Rey)”
ふたりのドライで温かく響く歌声が、ダウナー状態に踏み込もうとする私をじっくり癒してくれる。そしてなぜだかこの下腹部に付き纏うじんわりとした痛み、腰の重さまで宝物のように感じ出す。女戦士さながらに、気づけば自然とこちらまで「ウーマン、ウーマン……!」と口ずさみはじめ、毎月この慣れた気怠さと共に緩やかに狼煙を上げるのだ。
(櫻子)
05:泉まくら “candle”
そわそわする気持ちにリンクしながら、暗さを否定せず愛すべきものだと思い出させてくれる、
攻撃的になりそうな寂しい夜のいちばん側にある大好きな曲です。
(黄身子)
06:The Marías “I like it”
わがままでいたくて気持ちだけが先走るとき、情を鎮めるのではなくてキュートに寄り添ってくれる気がします。
(黄身子)
07:Stella Donnelly “Boys will be boys”
理不尽への怒りを美しいものに昇華するこんな素敵な女性がいることを救いと呼ばずして。
(黄身子)
08:カネコアヤノ “りぼんのてほどき”
<なんとか生き抜いた>という言葉が私を救ってくれる気がするから
(小林真梨子)
09:ヘンリー・マンシーニ“Moon River”
音や空気から伝わってくるやあたたかさを大切に聴きたいので、あえて歌詞は読まないようにしているのですが、美しいメロディや歌声が自分の心を「心のふるさと」へ帰らせてくれるようで、生理前後の浮き沈みの激しい時期は特に気持ちがほぐれて、聴いていると涙が出ます。
(田中茉裕)
10:Shadow “Chromatics”
揺れ動く感情と大地のリズム、水面と月の幻想の中に漂っている感覚になれるから
(後閑麻里奈)
11:OLAibi “seed feat.加瀬亮&高木正勝”
昔からOOIOOが好きで、以前ドラムだったOLAibiさんのソロも聴いてました。
鳥取の大山という山で、水も電気もガスもないところからHUTという場所を作り、運営されているOLAibiさんご家族の、自然の中で生活することへの覚悟や、息子さんのコーヒー修行の様子などをインスタで見ていると、強さやしなやかさ、生命力のようなものを感じて、精神が浄化されたような気持ちになります。
この曲はそんなOLAibiさんの楽曲と、高木正勝さんの瑞々しいピアノ、加瀬亮さんの流暢な英語によるポエトリーリーディングがとても耳に心地良いです。
(つめをぬるひと)
12:中谷美紀 “クロニック・ラヴ”
透き通る声と生まれたてほやほやのようなリズムが気持ち良い曲だから
(森陽里)
13:Róisín Murphy“Ancora Ancora Ancora(Original Mix)”
どっぷりと奈落の底まで落ち込みたい時に。
原曲はイタリアで1978年に大ヒットしたMinaによる過剰にドラマチックな歌い上げ系ですが、こちらは2014年にアイルランド人のRoisinが当時の恋人でプロデューサーだった伊系男性から口伝により一語ずつ音だけ覚えてレコーディングに臨んだイタリア語カバー集ミニアルバムからのシングルです。
去りゆく恋人になりふり構わずもう一度、もういちどだけ、とすがり、とどめに「もう一度私を『消費』して」と迫る、じつに凄まじい内容の歌詞ですが、このバージョンは声の処理から編曲まで徹底的に電気処理が施されており、おそらく意図的に不思議な(不気味な?)静けさを前面に押し出した仕上がりです。
イントロからいきなり麻酔/麻薬のように効いてきます。
(2.417c)
14:Mondo Grosso, 満島ひかり “ラビリンス“
ひとしきり落ち込んだあとはまずこのPVを繰り返し見て満島ひかりと一緒に疾走しつつ、旋律の力とプロのミュージシャンによる細部まで計算し尽くされたきらびやかな魔法を堪能して、甘やかな気持ちに浸りましょう。ホルモンのバランスもだいぶ落ち着いてきましたね。
よーく聴くと最初の方、数分の一秒程度ですが、指パッチンのテンポをわざとずらして歪ませていたり、隅から隅まで上質な仕掛けと香気に満ちた名曲です!
徹底的に落ち込むことと、光に向かってゆっくり登り坂を上がってゆくことの、両方の作業をいい感じに後押ししてくれる2曲。
(2.417c)
15:Winona “DJ Boring”
16:Come Down To Us “Burial”
17:Hedwig And The Angry Inch “Midnight Radio”
生理中、お腹の底で熱い血がドクドクと波打つのを感じます。血潮の音が音楽の拍子と合致することがあります。
子宮内膜が剥がれ血とともに出てくる、その生暖かさ。
子宮内が入れ替わってきれいになるようで気持ち良いとさえ今は思います。
16歳の時、遅い初潮を迎えてから自分の体が怖くなりました。変わっていく肉体が怖い。自分の持つ女性性が怖い。
ヌルヌルと流れる血を見る度、怒りが湧き上がって太腿に爪を立てた。なぜ私が? 私は出産したくない。
なぜナプキンのデザインは花と宝石? 「女らしく」したくない。
なぜ大人は男に生理について教えない? 私の膣は汚くない。
私の肉体は恥じゃない。
なぜ食事中に月経と言ってはいけない? それなら晩餐で私が上座を乗っ取って叫んでやる、月経、月経、月経に赤ワインで乾杯!
上記3曲は乾杯の音頭となる音楽です。
(燈里)
18:Nina Simon “Ain't Got No/I Got Life”
タイトルの「私にはなにもない、私にはライフがある」の通り、「あれもない、これもない」から「あれもある、これもある」に移っていくメッセージと共にあのニーナ・シモンの声が鳴る。そう、生理前後なんて「もうやってられっか!」とほんまに思うけど、「生理が自然にあるってことはよいことだよ」と、そのしんどさを誰かに預けて、霧が晴れる思いになれるから。
(吉野舞)
19:globe “FACES PLACES”
癒しの対極にあるKEIKOのハイトーンヴォイス。
眉間にしわを寄せ息を止めて聴くのは、
サビに来た時に静かに爆発するため。
(小泉綾子)
20:Negicco “ねぇバーディア”
アップチューンで心が明るくなる。
恋をしていなくても、恋をしているような、明るくやさしく全部を肯定する気持ちに変身できる歌。作詞作曲はレキシの池ちゃん。
(羽佐田瑶子)
21:私立恵比寿中学 “幸せの貼り紙はいつも背中に”
私立恵比寿中学は明るく元気に、サラリと素晴らしい言葉を歌ってくれます。ヨロレイヒと盛り上げた後の<私に生まれてよかった>というフレーズのパンチ力。生理が来なくて不安な夜も、心軽やかになります。
(羽佐田瑶子)
22:ハンバート ハンバート “あたたかな手”
23:山下達郎 “夏の陽”
24:スパイス・ガールズ “Wannabe”
25:アウスゲイル “Summer Guest”
26:Joey Dosik “In Heaven”
しっくりくる曲がくるまで、ずっとシャッフルを回している時があるんですが そういう時にラフに聞けて、聞き終わった後やんわり上がっていける曲
生理前は自暴自棄になることもあって、そういう時ちょっと上がり目の曲を聞くと 何もかもしゃらくせえと思う気持ちに、ハマる時があります笑
(Kaho Iwaya)