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違う場所の同じ日の日記

ささやかな個人史が小さくとも点々と世界に灯り、のこること

テキスト:野村由芽
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2020年4月5日(日)

植本一子さん

曇り
朝、チャイムの音で目が覚める。娘が出ると、なんともうヨドバシからたこ焼き器が届いた。そんなに急がなくてもいいのに、なんだかすみません・・・。最近はクロネコヤマトが、新型コロナウイルス感染予防のために、対面での受け取りではなく、インターホンなどで非対面での受け取り希望を伝えると、玄関の前などに置いて行ってくれるサービスを始めたという。

大崎清夏さん

晴れ。予定がなさすぎて、何をすればいいかわからない。窓を拭いたり、放ったらかしだった鉢に多肉植物を植え替えたりしてみる。請求書を一通、ポストに投函しに出かける。自転車だと運動不足になりそうなので歩く。その足で明日のオンライン飲みのための缶ビールを買いに行って、広いカフェですこし読書。周りは普段と何も変わらないように見える。うまく呼吸ができなくなってくる。帰宅。

クロダミサトさん

高円寺にある新カステラを買ってきてスポンジにして手作りケーキを作った。以前杏里の誕生日にケーキを作ったときは泡立て器で必死になって生クリームを作っても、なかなか固まらなかったのに、勇真さんに頼んだら氷も使ってないのにすぐにカチコチの生クリームが出来た。固まりすぎてちょっと塗りにくい(笑)。

花田菜々子さん

子どもたち(パートナーの)は朝からなぜか映画版クレヨンしんちゃんを片っ端から観ている。集中力が続かなくて長い映画って苦手なのかなと思っていたけど、短い動画についに飽き始めたのかも。その逆転がおもしろい。
夜はミナト(子ども1)が今いちばんハマっているバイオハザートをトン(パートナー)に半ばむりやりやらせることに成功したのでみんなでそのプレイをあれこれ言いながら観戦する。

文月悠光さん

詩人の新川和江さんのエッセイ集『朝ごとに生まれよ、私』(海竜社)を手に取る。数日前、荻窪の古書店・ささま書店の閉店セールで見つけた一冊。1986年刊行なので、私より5歳年上だ。
第2章、「女のつぶやき」と題された中の「豆を煮る」という文章が面白い。女友達との電話口で「豆を煮ているの」と話した著者は、「あら、いやだ。あなた、そんなことほかの人に言うのおよしなさい。あなたのイメージ・ダウンになってよ」と丁寧に忠告されてしまう。

麦島汐美さん

なんと夕方の4時に起きた。明日からちゃんと働ける気がしない。
月刊紙「おもいだしたらいうわ」に参加することになって、書き始めてみる。19時からテレビで桜の中継番組を見た。季節を踏みにじってリズムが急に乱れるいまみたいなことが自分の身に降りかかった瞬間、視野がぐっと狭まって、生活や心が半端ない勢いでぐらつくことを実感する。満開の桜に戸惑って、落ち込んでしまう。

和島咲藍さん

今日はいわゆるリモート飲み会をした。近況報告をして、だらだらしょうもない話をして笑って、おすすめのyoutube動画を紹介しあったりして、慈しみ深く楽しい時間だった。

だけど、思うさま別れを惜しんで、おやすみおやすみ、パソコンを閉じたら、急に部屋がしんとして怖気づいた。

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