2020年8月11日(火)
ナカコ 8月11日(火)9:00
今朝からオンライン読書会を植本一子さんと始めている。この読書会は山下陽光さんの企画によるもの。一子さんは2020年3月の日記を『個人的な3月』というジンにまとめて出版していた。私は『here and there』vol.14を3月に出版していた。この2冊を買った人は、LINEグループに参加できて、それぞれが互いの本を読んで感想を語ったり、書いたりしたことを読んだり、聞いたりできるし、自分でその会話に参加することもできる。
この試みは始まったばかりだ。でも準備段階から良い空気が流れていた。一子さんと陽光さんと私は、それぞれができることをして、そのことを楽しんでいた。これは、お金をもらう仕事ではない。けれども誰もがやりたいことだったし、自分のすることを楽しんでいた。本を売ることや、LINEグループを仕切ることなど。私はいつも『here and there』をつくるたびにイベントを企画してきたが、読者と深く交流するにはこの方法が一番なのではないかという気がしている。一方通行ではないからだ。書き手にとって、読み手の反応を知ることはとても重要だと思う。
エレン 8月11日(火) 20:00
私は一日中友達と音楽をきいていた。最初は台所で、次に車のなかで、数時間。そして家に戻ってから。音楽は私の携帯電話からながれていて、Spotifyによって操作されている。台所にはBluetoothのスピーカーがある。ピンク色で、とても質が良い。車では携帯電話をステレオにつないでいる。一日中かけていたのは、Spotifyのアルゴリズムが私のためだけにその日、ミックスしたもので、私の音楽傾向をもとにしている。これらのプレイリストを聴くことはまれだ。アルゴリズムを信用していないし、Spotifyのようなマスメディアにも疑いをもっている。けれどもこれからは聴くかもしれない。今日の「デイリーミックス」は最高だった。今一番好きな曲、大好きだったけど忘れてしまった曲、好きなバンドの知らない歌、発見もある。終わりのない音の楽しみのようだ。
10年間、音楽が嫌いな男性と暮らしてきた。私は音楽を聴くことをあきらめてしまっていた。2年半前に彼と別れてから、また音楽を聴き始めるのは簡単なことではなかった。最初はCDを聴くために古い小さなステレオを買った。けれども音が最低だった。友達のレティシアが「Spotifyを買いなさい」と勧めてくれてはじめて、音楽が私の暮らしに、毎日、ずっと入ってくるようになったのだ。かつてのように。テクノロジーを賞賛するのは気が引けるけど、それを最悪のものとみなすことは同様に愚かなことだ。