日本で女性首相が生まれるには?女性リーダーがいる国と比べて考察

カマラ・ハリス次期アメリカ副大統領の勝利演説から考える

連載:わたしたちのコトバで、政治を語る。
テキスト:NO YOUTH NO JAPAN(宮坂奈津)  編集:竹中万季
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そもそも、なぜ女性首相は生まれた方が良いのか?

よっしー:それぞれの国の歴史や選挙制度も踏まえながら、女性の政治参加について話してもらいましたが、ここで根本に立ち返ってみたいです。そもそもどうして女性首相が生まれることは必要なんだと思いますか? 「史上初」となれば今回のように盛り上がるのかもしれませんが、今後女性がリーダーになることが日常的になるとすると、それが意味することって何なんでしょう?

もも:やっぱり、社会の構成員は男女半々ずついるのに政治の中には男性が圧倒的な数を占めていることはアンバランスだからってことだと思います。代表される声が偏っているとそれだけ弊害も起きてくるよね。男女の性別役割分業に基づいて政治も行われているから女性の声が十分に反映されず、解決されない問題がまだまだ多い。女性首相が誕生すれば、そのもとで育つ女の子たちは、女性でも政治の世界でリーダーシップを取れることを生活の中で目にすることができる。それはすごく良い影響を与えると思います。

あかり:ニュージーランドのアーダーン首相は出産、産休を経て、今は子育てをしながら首相をしています。だからニュージーランドの家族にとっても説得力のあるロールモデルになっていると感じます。男性も女性も関係なく、協力して生活する。それをリーダーが身をもって見せてくれているのは大きい意味があると思います。

りゅうた:ドイツのメルケル首相も同様だと思います。国を引っ張るリーダーが女性だから、社会を引っ張っていく立場に女性がいやすくなる。そういう価値観が受け入れられやすくなるという意味で、必要な存在なんだと思います。ドイツ語には男性形と女性形があるのですが、メルケルさんが首相の立場にあることで、最近ではもともと男性形だった単語も女性形を併記するようになってきたりしています。ポジティブな面で女性の社会進出が浸透していっているんじゃないかと思います。

「みんなで一緒に政治をつくっていく」という一体感が、女性首相が生まれる鍵になるのかも

よっしー:この連載のタイトルは「わたしたちのコトバで、政治を語る」ですが、怒りに任せた感情的な言葉ではなくて、女性が政治の世界で声をあげる時に使える「伝わるコトバ」にはどんなものがあると思いますか?

あかり:言葉以前に、海外の政治家の演説と日本の演説を比較してしまうと、言語の違いは大きいと思います。英語の演説で使われる言い回しは日常会話とあまり変わりません。だから子どもたちにもわかりやすく、みんなに響く演説になるんだと思います。

デンマーク、メッテ・フレデリクセン首相の子供達に向けたメッセージ

Evening everyone. Thought I’d jump online and answer a few questions as we all prepare to stay home for the next wee while. Join me if you’d like!

Jacinda Ardernさんの投稿 2020年3月25日水曜日

ニュージーランド、ジャシンダ・アーダーン首相、ステイホーム中ののFacebookライブ

りゅうた:英語だとワードがすごく残る気がします。日本語で政治家の演説を聞くことってあんまりないですよね。日本だと日常会話で政治の話をしないから、言葉としても身近じゃないのかなとも思います。

もも:日本では選挙期間の街頭か、テレビでしか政治家が話すのを聞くことはないよね。普通に暮らしている人に届いているという実感があまりないのかも。カメラの前で演説する時も、つくられた原稿を読み上げることが多いから「自分のコトバ」で話して欲しいとも思います。

よっしー:カマラさんの勝利演説も、翻訳したら日本語でも感動している人はいましたよね。日本の政治家の言葉があまり響かないのは何でなんでしょうか。

りゅうた:理念や概念などの力強さかなと思います。海外の政治家のスピーチはそこが強調されていると思います。日本人が求めるのは抽象的なワードよりも具体的な数値。求めているものが違うから、響き方が違うんじゃないかと思います。具体的なものを求めすぎるあまりに胡散臭く聞こえるのかもしれませんね。

もも:政治家に対して褒めたり、政策を評価したりすることがないこともひとつの要因かもしれないね。「有権者はお客様」思考が政治にもあるから、一緒に政治をつくっていくという感覚がないのかなと思います。有権者として政治を見ると、わたしたちはどうしても政治に対して粗探しをしてしまいがち。全てに問題があるわけではないと思うから、「良いものは良い」と素直に伝えることも大事なんじゃないかと思います。わたしたち有権者が政治家の「政治を語るコトバ」を聞いてしっかりとフィードバックをする循環があれば、「みんなで一緒に政治をつくっていく」一体感が生まれてくるはず。そうすることで男女関係なく政治の世界で声が響く環境が整い、女性首相も誕生しやすくなるのではと感じました。

PROFILE

NO YOUTH NO JAPAN
NO YOUTH NO JAPAN

「参加型デモクラシーをカルチャーに」をビジョンに掲げ、U30世代が政治や社会について知ってスタンスを持って行動するための入り口づくりを行う。U30のための政治や社会の教科書メディアをInstagramなどで運営するほか、イベントや記事の執筆を行っている。

能條桃子
能條桃子

一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事
1998年生まれ、慶應義塾大学経済学部4年生。若者の投票率が80%を超えるデンマーク留学をきっかけに、2019年7月政治の情報を分かりやすくまとめたInstagram NO YOUTH NO JAPANを立ち上げ、2週間でフォロワー1.5万人を集める。その後、選挙前に「投票に行こう」と選挙前にバズるだけでは投票率は上がらないと考え、NO YOUTH NO JAPANを団体に。現在、60名のメンバーとともに、ジェンダーと気候変動に関心を持ちながら、「参加型デモクラシー」のある社会をつくっていくために活動中。

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