2020年10月2日(金)
ナカコ 10月2日(金) 10:00
バス停まで息子を見送りに行った。そこで私たちは、ロンドンの朝のバスが、何か変わっていることに気がついた。学校へ通う子供たちは、学生を乗せるためにだけに運行しているバスに乗る必要があるようだ。全部ではないが、いくつかの路線で、通学のためだけのバスを運行させているらしい。息子が乗るバスがどうなっているのか、ウェブサイトで調べなければならなかった。
どうやら、息子がバスターミナルで乗り換えるバスには、通学用のバスがあるようだった。バスが来ても、それが通学用のバスでなかったら乗らないようにと推奨されている。しかし、もしバスが混んでいなければ、他の乗客と距離をとって乗ってもいいようだ。かなり複雑なので、しばらくの間、毎朝息子と一緒にターミナルまで歩いていかなければならないだろう。
天気はいかにもイギリスという感じで、雨が降り続くうえに突風が吹くので、傘が役に立たない。日本を発つ直前に買ったレインコートには、頭を覆うフードがあり、防水で、膝下まで丈があるので、とてもいい感じだ。わたしはなぜかハンドバッグが好きでなく、日本ではいつもトートバックを持っているのだが、雨の日に書類が濡れたり、防犯上の理由で、ここではトートバックもあまり役に立たない。なので、アウトドアブランドの、防水のショルダーバックをいつも持ち歩いている。住む場所によって、必要なものも変わってくる。日本での私のファッションスタイルも、ここには合わない。そういうことを考えると、すべての国や文化はちがっているのだから、普遍的なスタイルなど存在しないのではないかという気がしてくる。
エレン 10月2日(金) 21:30
今日は、央子について考えていた。こんな大変な時に、息子と一緒に、彼が学校に通い続けられるようイングランドへ戻るなんて、なんて勇気のあることだろう!
私は、今日の午後は、世界の状況を考えて、かなり憂鬱な気分だった。いつ普通の生活を再開できるのだろう? いつまた旅行に行けるのだろう? 伝染病のために、生活をストップすることは正しいのだろうか? 本当は、何が起こっているのだろう?
3月の初めごろ、東京での最後の夜、友達にさよならと言ったときのことを思い出す。私はとても悲しくて、何か劇的なことが起こるような予感がしていた。日本ではコロナ禍がすでに始まっていて、ちょうど学校が閉校となり、美術館が閉館となったときだった。それから、本当にたくさんのことが起こった。
フランスでは、私たちの生活は激変し、厳しい衛生上のルールのせいで、楽しみがない。私が住むところでは、私を含め、ほとんどの人は、本当に行かなければならない理由がないかぎり、町には出ない。自然だけが今も変わらず、喜びをもたらしてくれる。