She isの更新は停止しました。新たにリニューアルしたメディア「CINRA」をよろしくお願いいたします。 ※この画面を閉じることで、過去コンテンツは引き続きご覧いただけます。
WeじゃなくIの話を。haru.×EMILY WEEKと考えるやさしい生理

WeじゃなくIの話を。haru.×EMILY WEEKと考えるやさしい生理

様々な議論が巻き起こる「生理」を今ふたりと語り合う

2019年9・10月 特集:よそおうわたし
インタビュー・テキスト:飯嶋藍子 撮影:佐藤麻美 編集:竹中万季
  • SHARE

パーソナルなことをオープンにすればいいっていう話ではないけど、アレルギー反応を少しでも緩和できたらいい。(haru.)

—生理は特別なことではなく多くの女性の身体に訪れることだからこそ、過剰によそおったり極端に避けたりするのではなく、どう付き合っていくかもっとオープンに対話する機会が増えていくといいのかもしれないですね。

柿沼:そうですね。オープンにしていかないとなかなか話されないことは、生理だけの問題ではないと思っていて。男女関係なく、症状がはっきりしていなくて言いにくいことっていろいろとあると思う。そうしたことを少しでも言えるようになることで、ちゃんとみんなが休めるようになればいいのにって思います。

haru.:たしかにそうですよね。休めないって、ほかのいろんな問題にもつながってくる。まだまだメンタルヘルスにまつわることは口に出しづらいし、セラピーに行っていると言うと変な受け取られ方をしてしまったりもしますよね。別にパーソナルなことをオープンにすればいいっていう話ではないけど、そういうことに対してのアレルギー反応を少しでも緩和できたらいいですよね。

—そういう意味で『HIGH(er)magazine』が生理について話す場をつくったのは大きかったんじゃないかなと思います。

haru.:『HIGH(er)magazine』では、なにかに対してのカウンターとして生理や政治のトピックを扱っているんじゃなくて、好きなファッションを取り扱うのと同じような感覚で、いろんなトピックのなかに並んでいることが大事なんです。

「真っ向勝負をしているんです!」っていう姿勢を取ると、そこについていけない人たちが生まれてくる。そうすると、そのトピックについて話すこと自体が戦闘モードになって、多くの人を除外してしまうかもしれない。だから、生理についても、いろんなところでたくさんの議論が生まれ始めたのはすごくいいと思うけど、みんなが生理を受け入れるための対話が生まれやすくなるような空気にもっとなっていったらいいなと思っています。

#NoBagForMeで、私たち世代だけじゃなく親世代にまで広がって、話す土台ができた。(柿沼)

—最近だと、「#NoBagForMe」を中心とした議論がSNSで発生していて、とても印象的でしたね。

柿沼:#NoBagForMeは、「生理用品をコンビニで買う時に紙袋に入れられる」という違和感についてこれまで話されてこなかったことにみんなが気づいたという意味で、本当にすごいプロジェクトだと思います。たとえば、私の母親は生理に対して結構タブー視していて、私に対しても「隠すこと」を教えてきた。

でも、そんな母親が「こういうキャンペーンをやっているよ」って私に言ってきて。私たち世代だけじゃなく、親世代にまで広がったっていうのは、話す土台ができたということだと思うんです。それって、強くメッセージを打ち出していかないときっとできなかったことですよね。

竹中:#NoBagForMeのメッセージや様々な生理にまつわるムーブメントの広がりによって、「もっと生理についてオープンにしてもいい」という土壌ができてきましたが、「オープンにしなきゃいけないのかな?」と感じている人も中にはいると思うんです。でも、決してそういうわけじゃなくて、そういう土壌のなかで、言いたいときに言ってもいいし、隠したいことやよそおいたいことはそのままでいいと、選択できるようになるといいですよね。

haru.:ひとりひとりが選べるかたちがいいですよね。「『みんな』特別でなければいけない」「『みんな』個性を爆発させろ!」みたいなメッセージが世の中全体に強くなってきたと思うんです。私はそれが結構しんどくて。

柿沼:WeとIの話ですよね。Weで語ると、そこから漏れる人たちが除外されていってしまうというか。だから、私はずっとIの話をしたいんです。自分自身がどうするか、どう思うか、どう気持ちいいか。そういうことを考えていくことこそが、いろんな選択肢につながると思うんです。

生理用品のパッケージに関しても、現状のキラキラなものやピンクのものを好きな方も絶対いて。だから今までずっとそういうパッケージが生まれてきていると思うんですけど、今は「それはちょっと違う」って思う人たちが声をあげようとしている。でも、自分がなにを選択するかって話だから、それはWeでは語れない。どちらもあっていいと思います。

PROFILE

柿沼あき子
柿沼あき子

「EMILY WEEK」ブランドコンセプター。2009年に女子美術大学絵画学科を卒業後、同年にベンチャー企業へWEBディレクターとして就職。その後WEBプロモーション企業を経て、2014年(株)ベイクルーズへWEB販促プランナーとして入社。同社の社内新規事業として、生理週間を軸に女性のバイオリズムに寄り添うライフデザインを提案するブランド「EMILY WEEK」を提案し2017年9月に事業化。現在は「EMILY WEEK」にてWEB PR、バイイングなども担当。

haru.
haru.

同世代のアーティストやクリエイターを中心に制作されるインディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』の編集長(なんでも屋)を務める。『HIGH(er)magazine』は「私たち若者の日常の延長線上にある個人レベルの問題」に焦点を当て、「同世代の人と一緒に考える場を作ること」をコンセプトに毎回のテーマを設定している。ファッション、アート、写真、映画、音楽などの様々な角度から切り込む。

INFORMATION

リリース情報
「#hello,period」Sanitary Shorts

「#hello,period」プロジェクトから生まれたサニタリーショーツ、タンクトップはEMIY WEEKにて11月22日(金)より発売開始いたします。

<EMILY WEEK ショップ情報>

ONLINE STORE

EMILY WEEK ルミネ池袋店
東京都豊島区西池袋1-11-1 ルミネ池袋 B1F ATELIER Spick & Span内

EMILY WEEK 大丸梅田店(11月22日(金)オープン)
大阪府大阪市北区梅田3-1-1 大丸梅田店 5F

WeじゃなくIの話を。haru.×EMILY WEEKと考えるやさしい生理

SHARE!

WeじゃなくIの話を。haru.×EMILY WEEKと考えるやさしい生理

She isの最新情報は
TwitterやFacebookをフォローして
チェック!

RECOMMENDED

LATEST

MORE

LIMITED ARTICLES

She isのMembersだけが読むことができる限定記事。ログイン後にお読みいただけます。

MEMBERSとは?