コロナ禍で人々の移動が少なくなった2020年。偶発的に誰かと出会う機会も減ってしまいましたが、人と会わない時間が増えた今だからこそ、誰かと繋がりたい、友達を増やしたいと思った人も少なくないのではないでしょうか。
そんななか、Tinderをユニークに使いこなして新たな出会いを掴んだのが、ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんと、執筆・モデル・イラスト業などの領域で活動するはましゃかさん。龍崎さんは美術館を一緒に巡る友人を、はましゃかさんはご近所フレンズをそれぞれTinderで見つけました。
マッチングアプリ=恋愛のイメージがあったり、怖い思いをするかもしれないと不安感を抱いたりする人も多いと思います。今回はTinderアンバサダーでもある龍崎さんとはましゃかさんに、そもそもなぜTinderを使い始めたのかというところから、これからTinderを使う人へのアドバイス、さらに人との出会いそのもの、そして人と出会ううえでの自分のあり方について伺いました。
Tinderのプロフィールは、自分が望む条件などを明確に書く。
―Tinderを利用して、龍崎さんは美術館を巡る友達を、はましゃかさんは近所で一緒に仕事をしたり有事のときに支え合えたりするような友達を見つけていらっしゃいました。おふたりはもともとTinderやマッチングアプリにどんなイメージを持っていましたか?
龍崎:マッチングアプリのなかでもTinderはとくにカジュアルな印象を受けていて、友達や恋人づくりから、ただ体の関係を持つ人との出会いまで幅広いイメージでした。Tinderで知り合った人と付き合い始めたという友達がいたので、出会いを広げる身近な選択肢のひとつなんだなと思っていましたね。
はましゃか:私も知人のカップルがマッチングアプリで出会ったというのを聞いて。そのカップルの女性が「目的を明確にしてからマッチングアプリを利用して、そのままカップル成立した」と言っていたんですよ。
―自分が望む条件などを明確にするということでしょうか?
はましゃか:そうですね。その方は、結婚願望があるとか、子どもをつくりたいか、価値観や思想も含めて合うかどうかを、出会いの時点から擦り合わせていくために、自分の考えを明確に書いたチェックリストみたいなものをつくったそうなんです。今までマッチングアプリって一時的な関係を結ぶイメージがあったので、その子の話を聞いて「そういう人もいるんだ!」と思って、最近はだいぶ印象が変わりました。
龍崎:私も目的は明確に書きました。Tinderで美術館を一緒に巡ってくれる人を探したのですが、会うこと自体を目的にしたくなかったんですよね。あらかじめ自分の行きたい場所ややりたいことを明示して、それに興味がある人だけとマッチするようにしていました。
Tinderで知り合った方と京セラ美術館の杉本博司の展示行ってきたんだけど、建築やアートに詳しい人との美術館巡りまじで満足度高くて感激した、、、#ティンダー私はこう使う #TinderPR pic.twitter.com/hiBt67J7rV
— 龍崎翔子 / HOTEL SHE, (@shokoryuzaki) September 17, 2020
バーで出会った名前も知らない人としゃべる感覚に近い楽しさがTinderにはある。
―先ほどはましゃかさんがおっしゃったようにTinderと聞くとロマンスを思い浮かべる人も少なくないと思いますが、目的をはっきりさせることにまず気をつけると、自分にとっていい出会いとつながる可能性が高まりそうですね。
龍崎:気をつけたことと言えば、私は新しい恋人を探すために使っているわけではないので、恋人がいるということを最初に相手に明示しておいて、それに同意してくれる人とだけ会うようにしていました。夜に会う場合はふたりきりで会わずに、友人を交えて会ったりするようにもしていましたね。
はましゃか:私は地域のつながりがほしいなと思っていたので、インターネットとは違う知り合いをつくるという線引きはしっかりしようと考えていました。地域のつながりがほしい、物理的に距離の近い友達がほしいとなると、やっぱり自宅の最寄り駅周辺のことをプロフィールに書く必要があって。でも、個人情報には気をつけたかったので、Tinderで知り合った人とはSNSではつながらないようにしていました。
【書いた】
限界独居フリーランス生活心細すぎィ!となり@Tinder_Japan で散歩友達作ると決めたんですが、
マイ護身ルールを作ったら超快適だった…Tinderでご近所フレンズを見つけるためのご安全なプロフィールの作り方| @shakachang #ティンダー私はこう使う #TinderPR https://t.co/0VqywziQTM
— はましゃか (@shakachang) August 7, 2020
―勝手な想像で恐縮なのですが、お二人には知人が多い印象があるので、そもそもアプリを使わずとも龍崎さんは美術館巡りを楽しむ友人が見つかりそうだし、はましゃかさんも近所の友人を見つけられそうだな……と思うのですが、それでもTinderを選んだのはなぜだったのですか?
龍崎:「龍崎翔子」として人に会うのって若干ハードルがあるというか。つい仕事の話になってしまったり、お互い身構えちゃったりすることが多い気がしています。だから、はましゃかさんが言っていたように、私もマッチした人に会うまではSNSを教えないようにしていて。
そういう意味で、自分のことをまったく知らない人と話したいという気持ちがあったんですよ。Tinderでもマッチしてしばらく話したあとに「え、あなた龍崎さんじゃないですか」って言われることはあるし、それはそれでいいんですけど、最初からそうならないような匿名化された個人として、人と楽しく会話したかった。バーで出会った名前も知らない人としゃべる感覚に近い楽しさがTinderにはあるんですよね。
はましゃか:めっちゃわかります。自分のことを知られている前提で会う人と話すのと、何も知らない人と話すのとでは、全然違うじゃないですか。SNSでつながっている人には、私が何をしているのか常に知られているし、「この前〇〇してたね」「最近どうなの?」って言われると、リアルな仕事の悩みなんかは言いづらい(笑)。でも、SNSでつながっていない人だと、お互いに立場や肩書きがない状態だから、なんでも聞けるし、恥ずかしいようなことでも気兼ねなく話せる楽さがあるんです。
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