衆議院議員選挙までに考える。自分が「政治に求めるもの」って?

今年は秋までに衆議院議員選挙が。日頃から意識したいこと

連載:わたしたちのコトバで、政治を語る。
テキスト:宮坂奈津・三村紗葵(NO YOUTH NO JAPAN) 編集:竹中万季
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Instagramを中心にU30世代に向けて政治や社会の情報を発信するNO YOUTH NO JAPANの連載。さまざまな女性たちに政治へのかかわり方を伺うインタビューや、代表の能條桃子さんが政治を語るためのきっかけを綴るコラムをお届け。政治を語るコトバを持つということは、それぞれが自分の想いに気づくということ。政治を語るわたしたちのコトバは、わたしたち一人ひとりが生きたい社会に繋がっていくはず。

新たな年を迎え、昨年9月から始まったこの連載も、早いもので5回目を迎えました。今回は、そんな一年の始まりに改めて「そもそも政治は何のために、誰のためにあるのか」、そして「わたしたちは政治に何を求めるのか」について、考えていきたいと思います。

コロナ禍でわかった「男女平等」の実態

ステイホームが始まって、もうすぐ1年。年が明けても一向におさまる気配のないウイルスの脅威は、当たり前の日常をさらに遠くへ追いやり、今まで見えてこなかったものを浮き彫りにします。

先日、それまで減り続けていた年間自殺者数が、2020年に再び増加したとの報道がありました。特に女性の自殺者数は6976人で、前の年より14.5%増加していました。深刻なのは女子中学生・高校生の自殺率で、全体で307人と、前年比48.8%も増えています(*1)。

総数で見ると男性の方が13943人と多いですが、男性の自殺者数は前年より減っているため、新型コロナウイルスの感染拡大によって起こった社会の変化の影響をより大きく受けているのは女性たちであることがわかります。ステイホームの期間中は、そのほかにもDV(ドメスティックバイオレンス:家庭内暴力)の相談件数や女性の解雇が軒並み増加したといいます。

このように、今の社会のシステムでは、今回のような感染症が流行すると、まずはじめに女性に影響が出ているのが現状です。男女平等が進んでいるとはいえ、本当の意味で女性の社会的立場が保障されなければ、名前だけの「男女平等」になってしまいます。

その状況を解決できる手段の一つは「民主主義」の下で行われている「政治」です。今の社会のシステムを作りあげてきたのが政治ならば、それを改善できるのもまた、政治だと思います。

*1:朝日新聞DIGITAL「自殺者、リーマン後以来の前年比増 小中高生は過去最多」より

そもそも「政治」「民主主義」って?

 とはいえ、「政治」や「民主主義」ってそもそもどんなもの? NO YOUTH NO JAPANのInstagramで今年から始めた「#政治の教科書」では、この二つの言葉をこのように紹介しています。

政治は「自分とはちがう価値観や考えの人たちと、同じ社会で生きるために必要なルールやお金の使い方を決めること」です。ニュースやネットで見る政治はどこかとっつきにくくて難解なもののように見えますが、「異なる他者が一緒になんとかうまくやっていくためのルール作り」をしているのだと言い換えることもできそうです。

例えばコロナ禍での全国民一律10万円給付も、大変な時にどうしたら少しでもみんなが困らずに生活できるかを考えて、お金の使い方を決めたルールを作ったとも捉えることができます。

「民主主義」とは「わたしたち一人ひとりが主役となって、国のあり方を決めること」です。わたしたちが政治を動かすことができるということも、民主主義という考え方の下に政治が行われていることの大きな特徴です。

「わたしたちのことはわたしたちが決める」。この前提に立ってはいるものの、日本では間接民主主義(*2)が採用され、実際の決定の場にいられる人は選挙で選ばれた政治家だけです。わたしたち全員が決定の場にいられるわけではないからこそ、自分なりの「求めるもの」を政治家にまっすぐ届けることが大事だと思っています。

*2:間接民主主義
国民が代表者を選挙し、その代表者を通じて間接に政治に参加する制度。

政治に対して「求める」ことで少しでも状況がよくなることを知っていれば、どんな小さな変化でも起こせる

新型コロナウイルスによって、世界的なパンデミックが宣言されてから1年。毎日の暮らしに不安を抱える人も多いと思います。「いつ感染してしまうかわからないけれど、仕事には行かなければいけない」「コロナ禍で休業することになったが、明日からの生活はどうすればいいのか」「アルバイトの収入が減り、学費を払うのももう限界」。当たり前だと思っていた日々の生活が保障されないという恐怖を感じている人も少なくないと思います。

1週間後、1か月後の未来が見えないそんな今こそ、政治と自分をつなげる「コトバ」を持つ良い機会ではないでしょうか。なぜなら、私たちが声をあげることで政治が解決できることはたくさんあるからです。

例えば、選択的夫婦別姓制度(*3)の導入に対する議論が活発化してきたこと。婚姻時の性の変更自体は男性も女性も行えるものの、日本の慣習として女性が変えることが多かったことから、姓の変更によって社会的な立場で不利益を被ってきた女性たちが制度の変更を求めて声をあげ続けてきた結果と言えます。緊急避妊薬が処方箋なしで薬局で買えるようになることが昨年12月に男女共同参画基本計画に盛り込まれたことも同様の動きです。

実際に政治の議論の場に反映されるまでには長い時間がかかりますが、声をあげなければこれらの変化は生まれません。まずは選挙で投票に行き、具体的に求めるものが見えてきたらネット署名に参加したり、パブリックコメントで意見したりするという手段もあります。政治に対して「求める」ことで少しでも状況がよくなることを知っていれば、どんな小さな変化でも起こせる可能性があると思います。

*3選択的夫婦別姓とは:
結婚後も、夫婦がそれぞれ結婚前の氏(姓)を使うことを認める制度。現状日本では認められておらず、法的な結婚の手続きの際に、必ず一方がもう一方の姓に変更しなければならないきまりがある。

2021年は秋までに衆議院議員選挙が。自分なりの「政治に求めるもの」を見つけて

みなさんが政治に一番求めるのはどんなことでしょうか。まずは新型コロナウイルスの早期収束? 経済の成長? 十分な支援? それとも信頼できる国会運営? 環境問題やジェンダー平等への取り組み? もちろん、政治に対して思うこと、求めることは一人ひとり違います。わたしたち自身も政治におけるプレイヤーのひとりだからこそ、自分は何を一番に優先したいかを見つめ直すことが大事だとわたしたちは思います。

そして、今年は秋までに国会の衆議院議員選挙が行われます。日本で投票権をもつ全員が同時に投票を行う大きな選挙です。衆議院議員選挙は行われる時期が事前に決まっていないため、いつ投票することになるかはわかりません。日頃から自分が「政治に求めるもの」を少しでも意識しながら生活することで、いざという時の大切な一票に託す重みが増すのではないでしょうか。

わたしたちが生きる社会を作っているのは、わたしたちです。政治に必要なものは何かを考え、共有し、声を上げる。そんな風に、政治を「遠い誰かがやってくれているもの」から、「わたしたち自身が作り手になるもの」と考え、動き出す人が増えていく先に、今よりちょっと納得できる社会が作られると思います。

2021年もNO YOUTH NO JAPANでは、「#わたしたちが生きたい社会を作ろう」の理念のもと、若い世代の政治・社会参加のハブになれるよう、小さなことから一つずつ変化を起こし、より多くの人に共感してもらえる変化を作っていきたいと思います。

PROFILE

NO YOUTH NO JAPAN
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「参加型デモクラシーをカルチャーに」をビジョンに掲げ、U30世代が政治や社会について知ってスタンスを持って行動するための入り口づくりを行う。U30のための政治や社会の教科書メディアをInstagramなどで運営するほか、イベントや記事の執筆を行っている。

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