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何か新しいことが始まる気がする、簡単かわいい紙の束ね方/脇田あすか

何を描きたいとか、何をしたいとかわからないとき

2020年7・8月 特集:癒やしながら
テキスト・写真:脇田あすか 編集:野村由芽
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何をしたいとかわからないとき、とりあえず紙を束ねてみる

仕事柄、紙をよく使います。打ち合わせ中にメモしたり、デザインを出力して確認したり、もちろん作品そのものにも、紙はわたしにとって常に身近にある存在です。
1枚だとぺらぺら存在感のない(失くされ捨てられがちな)紙だけど、束ねた瞬間になんだかただの紙じゃなくなるのが不思議。メモ、落書き、物語、日記、なんとなくの目的がうまれます。何を描きたいとか、何をしたいとかわからないとき、とりあえず紙を束ねてみる。そして、開く。何か新しいことが始まる気がします(始まらなくてもメモ帳にしちゃえばいいね)。

というわけで、簡単かわいい紙の束ね方をいくつかご紹介します。使用するものは全て、ホームセンターとか文房具屋さん、ネットショッピングで安価に手に入るものです。最後のひとつは、ちょっと難しくコツがいるのですが、わたしは家でアートブックをつくるときにこのやり方で本を綴じることも多いです。

簡単かわいい紙の束ね方をいくつかご紹介

サッとクリッピーでとめる

「サッとはさんで、サッとはずせる」というキャッチコピー通り。ぎゅっと押し込んで止めることができ、引っ張ると抜けます。いわゆる目玉クリップなどのように飛び出さず、紙のふちにすんとおさまる造形が良いです。

穴をあけて割鋲でとめる

束ねた紙に穴あけパンチでバシッと穴をあけます。好きなところに開けてよし。そこに割鋲をいれて、反対側にぱかっと開いてください。これも、簡単なのにちょっと高級感があり、可愛いです。穴を1つだけにすると、紙がくるくる回る仕様になってそれもなかなかおすすめ!

ホットメルト+寒冷紗でちょっと本格的に

最後にちょっと難しい方法を。
1.紙をたばねて、クランプ(材料を作業台に固定する工具)でぎゅっとおさえつけます。
2.たばねた面にカッターで切れ込みをいれます。(こうすると糊が染み込みやすいよ)
3.紙の厚さよりおおきめなサイズに切った寒冷紗(主に麻や綿を荒く平織に織り込んだ布)をホットメルトでくっつける。
4.乾いたら完成!

紙束は、気に入らなかったり、書いたことが恥ずかしくなったら捨てちゃえるくらいの気楽さでつくるのが良いです。束ねる紙は大きさも種類もふぞろいでも(むしろその方が)可愛いと思います。ノートに大事にかくのもいいけれど、もっと気軽に書いたり捨てたり、そうやって自分を更新していくのもいいなと思います。是非つくってみてね。

PROFILE

脇田あすか
脇田あすか

1993年生まれ、愛知県出身。アートディレクター・デザイナー。東京藝術大学デザイン科大学院を卒業後、コズフィッシュに所属。展覧会や書籍・広告のデザインをしながら、豊かな生活をおくることにつとめる。主な仕事にPARCOの広告、雑誌『装苑』のデザイン、ZUCCaのブランドブックなど。また個人でもアートブックなどの作品の制作・発表をしている。

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