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違う場所の同じ日の日記

ささやかな個人史が小さくとも点々と世界に灯り、のこること

テキスト:野村由芽
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2020年4月7日(火)

穐山茉由さん

本日も、リモートインタビュー撮影。

ウイルスとの戦い、そして日本政府の対応のニュースなどで一人でいると鬱々としそうになるが、このインタビュー企画でそれぞれの言葉を聞いていると勇気付けられることが多い。

飯田エリカさん

昨日、非常事態宣言が出るというニュース。予定がほとんどなくなる。
朝、「わたしはロランス」を見た。美しくて愛しているからこそぶつかってしまって苦しい。
色彩や表現があまりにも美しくて感情の表現がとても素晴らしかった。綺麗なロランス。
一生の人、永遠に思う人とのこと。出会ったときのことたぶんずっと焼きついている。
身に覚えがありすぎた。

伊波英里さん

世界保険デー。医療従事者の方々のマスクの跡の写真がSNSで流れてきて心苦しくなる。
医療従事者の方々はもちろん、研究者の方々やスーパーやコンビニで働いてくれている方々、ゴミ収集業者さん、運送業者さん、
公共機関で働く方々など、家にいたくてもいられない人達に感謝を伝えたくて、このグラフィックを描きはじめた。
1日でも早く収束する事を願いつつ、想像力を保ちたい。

今橋愛さん

7時には起きて下でつくなんでたらめずらしく起きてきた子ども熱が下がって。
というかきのう病院ではかったら もう熱は平熱で。だけどこんな時期だし。と、もう一日学童休む。

遠藤麻衣さん

緊急事態宣言が出されるとのことで、悩んだ結果矯正歯科の予約をリスケすることにした。バスで途中まで向かっていたんだけど、歯医者さんにとってもリスクがある気がしてきて、電話をした。よくよく考えると、当日でキャンセルする方が迷惑なのでは? と思ったけど、もう電話をしてしまったあとだし、とりあえず一月先延ばしにしよう。

大崎清夏さん

スーパーへ買い出し。「TVで話題 免疫力アップ!」という文句の掲げられたバナナの棚が空っぽになっていた。

クロダミサトさん

今日から勇真さんはお店(ジム)を閉めることを決めた。しかし朝から従業員の人たちとオンラインで打ち合わせしたり、リモートトレーニングをしたりで忙しそう。夜は杏里と二人でお月見をした。

辛酸なめ子さん

デパ地下への思い
緊急事態宣言が発令される日の昼過ぎ、私は食材を買いにデパートに行きました。三越にしばらく行き納めだと思うと、胸に迫るものがあります。今日まで開店してくださったデパートの方々への感謝の思いとともに、明日からどうしようという不安が……。

杉田ぱんさん

「もう十分に寝た」とからだの訴えを受け、目覚ましいらずで起床するとまだ5:00、というのがここ数日のルーティンだ。
目覚ましは7:00にかけているため「まだ十分じゃないっ」とからだへ申し伝えてから二度寝をきちんとする。睡眠においての無理はきらいだ。8時間以上の睡眠を心掛ける。

つめをぬるひとさん

付き合いの長い2歳上の先輩と、オンライン飲み会なるものをやってみた。
適当におつまみを揃えて、4時間くらい喋ったり喋らなかったりしながら
緊急事態宣言の会見をテレビで流していた。

花田菜々子さん

朝から慌ただしい。ついにXデー。明日からの閉店が決まった。とりあえず日々の仕事をこなすが、非日常へのワクワク感と無力感とが心の中で混ざり合って心がざわつき、落ち着かない。明日からの自宅待機に備えてメールの転送や各所への連絡、打ち合わせなど。

麦島汐美さん

「おもいだしたらいうわ」のLINEグループへ、4月号に一緒に執筆する人たちの初校が送られてきた。同じときに、新しく何か表現をしようとしている人たちが近くにいることに励まされている。妊娠している友達は、出産後の面会が家族でも禁止になったそうだ。彼女と電話で今週のテラスハウスの話をする。

吉野舞さん

布団圧縮袋の中で寝ている。まるで人が真空パックされているみたいに。普通に寝ていたのにいつの間にかどんどん袋が密接されていって、空気が薄くなり息苦しくなっていく。必死に声を上げて助けを呼びたいし、誰かの手を握りたいけど、声は届かないし身体も動かない。これが私のコロナウィルスに対して、例えばのイメージ。

和島咲藍さん

今日が始まったのは13:21だった。昼も夜もなく家にずっと篭っているとどうしても1日ずつの区切りがなくなってしまうので「いまこの瞬間から今日!」と決めるようにしているのだ。「今日」が始まったら熱いコーヒーを一杯飲む。インスタントのコーヒーもなかなかイケる、というのはこの暮らしにおける嬉しい発見だった。「灯台下暗し」の灯台の周りを、ゆっくり照らしながら歩いているような日々。

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