私は先月結婚した。SNSには、長々と文章を書くのに気が引けて、ただ「結婚したよ」とだけ書いてツイートした。 爪と全く関係のないその5文字の発信ですら、必要だったかはわからない。
これは昔から思っていたことだけど、結婚して何が変わるのかもよくわからなかったし、結婚がゴールみたいな考え方もあまり好きではなかった。でも私はお父さんっ子で、尚かつ一人っ子ということもあり、父を安心させたいという気持ちからくる結婚願望は確実にあった。そして、これは詳細を割愛するが、私は自分の苗字を早く変えたいと思っていた。
父と母は苗字が違っており、私は母方の苗字で生活してきたが、いろいろわけあって早くこの籍から抜けたかった。別に普通の、どこにでもいる苗字だったが、ごくたまに生き辛さを感じる苗字でもあった。
先月、とある方と食事をしていた時に、その理由も含めて話をしたら「そうか、苗字が変わることで救われる人もいるってことなんですね」と言われ、なんだかその言葉で荷が下りたような気がして、まさに救われたような気持ちになった。
近年、結婚の在り方やその多様性について意見が飛び交う中で、夫婦別姓を希望する声が多く聞かれるようになった。さまざまな理由で苗字を変えたくない人もいれば、私のように苗字が変わることで救われる人もいる。
どんな意見も、そのひとつひとつが尊重すべきものであるからこそ、どちらが正しいかを決めるのではなく、苗字を変えることができる制度と、変えずにいられる制度が両方当たり前に存在して、自由に選べるようにする、ということで救われる人はいると思う。
銀行口座が新しい名義になっているのを見た父から「にんまりした」とメールがきた。苗字が変わったことで、あるいは変えずに済むことで、人生の新たなスタートをあたたかい気持ちで始められるような人が増えてほしい。
5・6月の特集テーマ「ぞくぞく家族」の爪「chain」
選択肢の連なりで人生と人を快活に結んでいけるように。
使った色
A. She is オリジナルネイル「bouquet」
(5月のギフト「ぞくぞく家族」に同梱)
B. 赤
C. 白
D. ラメ入りネイル
塗り方
1. 右の中指にA~Dのネイルポリッシュの筆の先端をちょんと置いて、色を塗り重ねる。
2. 左の小指に赤を塗る。残りの爪に「bouquet」を塗る。
3. 両方の親指に赤と白で交互に円になるように点を描く。
3で点を書く際は、細い筆を使うのも良いが、AWESOME STOREという雑貨店で販売されている2wayネイルペンが使いやすいのでおすすめ。