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第九回:朝5時、蒸し暑い夏の幕張。

昨晩の余韻、夏が終わる感覚。最適な名前はつけられないけど

2018年8月 特集:刹那
連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
テキスト・撮影:つめをぬるひと 編集:竹中万季
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私は朝の幕張が好きだ。幕張に朝の5時にいること。この時間にそこにいる人の多くが、何らかのイベント帰りで、大抵元気がなくて、言葉少なに余韻に浸っている。

私が「朝の幕張」を経験したのは、オールナイトイベントが今よりも盛んな時期で、FREE DOMMUNEやソニックマニアのように夏の蒸し暑い幕張もあれば、electraglideのように冬の寒い幕張もあった。

夏のイベント帰り。朝5時頃に終演して外に出ると、蒸し暑さを感じ、ほんの少し潮の香りがするようなしないような。いや、本当は疲れていて、早く帰りたくて、潮の香りとかどうでもよくなってるんだけど、海浜幕張駅から京葉線に乗って、車窓から見える工業地帯を眺め、自分の家へ近づいていくにつれて、薄暗い空がはっきりとした朝になり、近所の公園ではお年寄りがラジオ体操をしているという、その一連の流れが私は好きで好きでたまらなかった。
朝帰りしてお風呂に入って、昼過ぎまで寝て起きたその時、昨晩の余韻と共に夏が終わるような感覚がする。あの感情や現象に最適な名前が思いつかない。その瞬間のなんともいえない余韻が私は好きだ。

昔、フジロックに4回ほど行ったことがあるが、その帰りもそんな感じだった。まだ7月の終わりで、世間ではこれから夏が始まるという時期かもしれないが、フジロック帰りの人たちは、一番乗りで夏の終わりを感じているのかもしれない。

まったく「刹那」とは関係ないが、私は昨年ソニックマニアに電気グルーヴのお面で参加した。今年も石野卓球のお面持参で、ピエール瀧役の友人と行く予定だ。お面でうろうろすることは、朝5時の幕張に身をおくことと同じくらい楽しみにしている。

昨年のソニックマニアの様子

電気グルーヴの爪は何度かつくっている

8月の特集テーマ「刹那」の爪「humidity」

朝5時の湿度と、薄暗さから明るくなること。

使った色

A. She is オリジナルネイル「Setsuna blue」
8月のギフト「刹那」に同梱)
B. ベージュ
(今回は5月のギフトに同梱されていた「Hidamari」を使用)
C. マットトップコート
D.
E.
F. えんじ
(今回は「資生堂ネイルエナメル ピコ VI606 しそ」を使用)
G. 深い青
(今回は「資生堂ネイルエナメル ピコ BL603 ぶるーべりー」を使用)
H. オレンジ
I. 蛍光のようなビビッドなピンク

D~Iは色が合えば正直なんでも良い。
ハッキリした色や濃いめの色など、発色の良いものがおすすめ。

塗り方

1. 片方の親指にベージュを塗り、上からマットトップコートを塗る。
2. 残りの指を「Setsuna blue」で塗る。
3. 小一時間おいて完全に乾いた後、D~Iの色を使って、にじんだ模様を描く。にじんだ模様の描き方だが、爪にまず一色、適当な形の丸を描く(ネイルポリッシュの筆先を爪にちょんと置くくらいで描ける)。
5秒ほど置いたら、すぐにティッシュで弱めに押さえて、1秒で離す。あまり長く押さえるとティッシュが爪にくっついてしまうので早めに。これで、にじんだような模様を描くことができ、色を重ねていくことによって、写真のような模様になる。

PROFILE

つめをぬるひと
つめをぬるひと

爪作家。CDジャケットやイベントフライヤーのデザインを爪に描きそのイベントに出没する「出没記録」、「身につけるためであり 身につけるためでない 気張らない爪」というコンセプトで爪にも部屋にも飾れるつけ爪の制作、爪を「体の部位で唯一、手軽に描写・書き換えの出来る表現媒体」と定義し、 身体性のあるファンアートとして、DOMMUNEの配信内容を描く「今日のDOMMUME爪」。これら活動を並行しながら年に数回、人に爪を塗る「塗る企画」を TONOFON FESTIVAL2017等の音楽フェスやその他イベントにて実施。

INFORMATION

連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
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第一回:彼は「自分なんて」を一切言わない。
第ニ回:コンプレックスの有効活用。
第三回:ターニングポイントはボーナストラック。
第四回:変わることと隠すことは紙一重。
第五回:「始まっている」と思った時から、それは始まっている。
第六回:誰も行けないのに、誰にも言いたくない店の話。
第七回:過去の手紙と、SNSをやっていない友人。
第八回:帰省という日常と、旅行という非日常。
第九回:朝5時、蒸し暑い夏の幕張。
第十回:物欲と金銭状況の均衡。
第十一回:拠点を変えてみるという選択。
第十二回:全力で応えるのは敵意ではなく好意でありたい。
第十三回:競技よりも色濃い、発掘された石の記憶。
第十四回:爪作家と名乗る理由。
第十五回:配色という名の遊び。
第十六回:夢のような夜明け。
第十七回:苗字が変わることで救われる人もいる。
第十八回:自分に課した楽しみでさえも逸してみる休日。
第十九回:服の影に見惚れたこと。
第二十回:体の操縦。
第二十一回:根拠のないおまじない。
第二十二回:なんてことない場所でも楽しいと思えることを誇ろう。
第二十三回:自分に合うという感覚を大事にする。
第二十四回:ダミ声の猫。

第九回:朝5時、蒸し暑い夏の幕張。

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