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第十九回:服の影に見惚れたこと。

一部だけ煌めいているのが、本当の「眩しい」なんだ

2019年9・10月 特集:よそおうわたし
連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
テキスト・撮影:つめをぬるひと 編集:竹中万季
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あまり軽々しく「神がかっている」という言葉を使いたくないけれど、
最近「神がかっている」と思っているスカートがある。
好きな服は高い頻度で着てしまうのに、今回は気に入りすぎて劣化させたくなくて、
逆にあまり履かないようにしているので、この表現は大げさではないかもしれない。

6月の終わりにハワイへ行った。
海は得意じゃないくせに、ハナウマ湾の浅瀬でシュノーケリングをやってみたり、
高級ブランドに疎いくせに、ショッピングモールに行ったりもした。
結果、楽しかった。慣れない英語だったけど意思疎通できたし、
十数年ぶりの海で、しましまの魚を見てブレブレのiPhoneで撮影して、
違う意味で酔いしれそうな動画を残すこともできた。

買い物は、ほとんどが誰かへのお土産やお菓子類でスーツケースを埋めてしまったような気がするけど、
一番買って良かったのが、Anthropologieのスカート。
スカートの外側の透ける花柄が素敵なのはもちろん、内側がサーモンピンクになっているのがもうたまらない。
「何ですかこれはまじで可愛い見ているだけでごちそうさまですありがとうございます」の一文を息継ぎなしで
言えそうなくらいに思いがただれ落ちる。好きなものを見ている時ってそうなる。
店全体の雰囲気も好みで、帰国したら絶対に日本の店舗にも行く気でいた。

これは帰国してから知ったことだけど、Anthropologieは日本にはなかった。
なんとなくそんな気もしていたが、日本にあったら絶対好きになる人多いと思うのにな、という
根拠のない自信と残念な気持ちで「Anthropologie 日本」「Anthropologie 取扱店舗」などの
単語を検索履歴に残していった。

この夏に気付いたのは、外を歩いた時にスカートの影が素晴らしい造形を成すこと。
服そのものを見て素敵だなと思うことはあっても、服によって生まれる影に見惚れたのは初めてで、
いつもは苦手だと思っている夏を「少しは良いかも」と思えるようにしてくれた。
もうじき夏は終わるし、秋冬の服とはどう頑張っても合わせられないけれど、無理やり通年履くのではなくて、
また来年履くことを夏の唯一の楽しみにしたい。

9・10月の特集テーマ「よそおうわたし」の爪「dress」

全てが輝いているよりも、一部だけ煌めいているのが、本当の「眩しい」なんだと思う

使った色

A. She is オリジナルネイル「Dress up」
9月のギフト「よそおうわたし」に同梱)
B. ゴールド
(ラメの粒が大きいものよりも、どちらかというとメタリックに近いようなゴールドがおすすめ)
C. 細筆の白
D. 大きめのラメが入ったネイル

塗り方

1. 全ての爪に「Dress up」を塗る
2. 両手の親指と人差し指の爪の先端にゴールドで細く縁取るように塗る。
3. 右の小指の爪に、大きめのラメが入ったネイルで重ね塗りする。
4. 左の中指に細筆の白で線を4,5本描き、最後にゴールドで点を描く。

メタリックカラーを爪の先端に細く塗ると、どんな色でも一気に上品な印象になる、と思っている。
小指に使用するラメのネイルはどんなものでも良い。
普段そんなに使わないまま自宅に眠っているものでも良いし、
あえてこのためにラメのネイルを探しに行ってみるのも楽しいと思う。

PROFILE

つめをぬるひと
つめをぬるひと

爪作家。CDジャケットやイベントフライヤーのデザインを爪に描きそのイベントに出没する「出没記録」、「身につけるためであり 身につけるためでない 気張らない爪」というコンセプトで爪にも部屋にも飾れるつけ爪の制作、爪を「体の部位で唯一、手軽に描写・書き換えの出来る表現媒体」と定義し、 身体性のあるファンアートとして、DOMMUNEの配信内容を描く「今日のDOMMUME爪」。これら活動を並行しながら年に数回、人に爪を塗る「塗る企画」を TONOFON FESTIVAL2017等の音楽フェスやその他イベントにて実施。

INFORMATION

連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
She isのオリジナルネイルを使って生まれた爪のレシピとエッセイを毎月お届け

第一回:彼は「自分なんて」を一切言わない。
第ニ回:コンプレックスの有効活用。
第三回:ターニングポイントはボーナストラック。
第四回:変わることと隠すことは紙一重。
第五回:「始まっている」と思った時から、それは始まっている。
第六回:誰も行けないのに、誰にも言いたくない店の話。
第七回:過去の手紙と、SNSをやっていない友人。
第八回:帰省という日常と、旅行という非日常。
第九回:朝5時、蒸し暑い夏の幕張。
第十回:物欲と金銭状況の均衡。
第十一回:拠点を変えてみるという選択。
第十二回:全力で応えるのは敵意ではなく好意でありたい。
第十三回:競技よりも色濃い、発掘された石の記憶。
第十四回:爪作家と名乗る理由。
第十五回:配色という名の遊び。
第十六回:夢のような夜明け。
第十七回:苗字が変わることで救われる人もいる。
第十八回:自分に課した楽しみでさえも逸してみる休日。
第十九回:服の影に見惚れたこと。
第二十回:体の操縦。
第二十一回:根拠のないおまじない。
第二十二回:なんてことない場所でも楽しいと思えることを誇ろう。
第二十三回:自分に合うという感覚を大事にする。
第二十四回:ダミ声の猫。

イベント情報
イベント情報
つめをぬるひと個展『アーカイブハイ』

2019年10月26日(土)OPEN:13:00 CLOSE:18:00
2019年10月27日(日)OPEN:12:00 CLOSE:17:00
会場:東京都 渋谷 SLC NY(東京都渋谷区鶯谷町1-3 外山ビル(PORTOFCALL)2F)

これまでにSNSでアップした「作ってます」の投稿写真展示や
オリジナルつけ爪販売のほか、様々なジャンルで活動されている方々と共につけ爪を制作。
これまでのShe isネイルを使用したつけ爪も制作予定。

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