2018年の10月に「拠点を変えてみるという選択。」という記事を書いた。当時は在宅勤務という形で会社に属していたけれど、今年の春に退職し、今はフリーランスとして自宅でつけ爪の制作をしている。
自宅での制作が苦痛じゃないのは、インドアという性格だけではなく、在宅勤務の期間があったことによって、家で仕事をすることの慣らしができたからではないかと、最近特に思う。あの期間がなかったら、フリーランスになることには踏み切れなかったかもしれない。もちろん、当時お世話になった会社の方々のお力添えがあってのこと。「お世話になりました」と文字にするのは簡単だけど、今回ばかりは真面目に「伝われ、この9文字」と思いながら書いている。
会社で6年半働き、そのうちの2年半が在宅勤務だった。そして勤務時間もちゃんと決められていた。始業時間になればチャットで挨拶をして、終業時間にはチャットで「お疲れ様でした!」と送信して夕飯の支度。フリーランスになった今でも、その時間はできるだけ崩さないようにしている。
仕事に集中するために心がけたことは、服を着替えること。一張羅! とまではいかないけど、少なくともパジャマのまま仕事をしたことはたぶん一度もない。なんとなく決めている基準は「電車に乗っても大丈夫かどうか」だ。コンビニに行けるくらい、にしてしまうと私はジャージでも平気で行けてしまうので、電車に乗って数駅行けるくらいがちょうどいいと思っている。
何十年も家で仕事をされている方からすれば、私の2年半はたいした期間ではないけれど、在宅勤務をする人の習慣は、このご時世になるまであまり知る機会がなかったので、これを機にもっと在宅勤務の人の話をたくさん聞きたい。
最近はコロナの影響で、在宅勤務への思いを漏らす人が増えてきた。気軽に外出できない辛さからの、ちょっとした解放とも思えるような緊急事態宣言の解除によって、久々に会社へ通勤して、やっぱり会社のほうが集中できる、と思った人もいると思う。そしてその一方で、在宅勤務が自分に合った環境であると知った人間にとっては、このまま在宅勤務がいいと思っていても、なかなか会社では言いづらいかもしれない。
「やっぱり会社が働きやすいよね!」という言葉に足並みを揃えないといけないような気がして、自分に合わない環境と分かっていながら、自身の成長のためと割り切って会社で働く人や、在宅勤務だからといってサボっているわけではないのに、怠けていると思われることを恐れ、「実は在宅勤務もそれなりに大変なんですよ」とわざわざ苦労を探して、結果的に「これが自分に合っている」という感覚そのものを手離してしまう人もいると思う。
でも、苦労というものは家にも会社にも、ちょっと探せばそこらへんに落ちているけど、自分に合う場所はそう簡単に見つけられるものではないことを、私たちは忘れたらいけない。
例えば、仕事で使うボールペンを、書きやすいという理由で人と違うペンを使っても、特に非難を受けることがないのと同じように、会社勤務と在宅勤務を選べる(そしてそれを非難されない)ような世界になればどんなに素晴らしいことか。これはあくまでも理想だし、もちろん職種や業務内容によっては難しい場合もあるけど、だからこそせめて、可能な会社からどんどん選択肢を広げていけたらいいのに、と思う。自分に合った環境を一人でも多くの人が見つけられるように。
5・6月の特集テーマ「ここで生きる」の爪「Optimal」
苦労というものはちょっと探せばどんな場所にも落ちているけど、自分に合う場所はそう簡単に見つけられるものではないことを、私たちは忘れたらいけない。
使った色
A.薄い黄色
B.白
C.マットトップコート
D.水色
E.ボルドー
F.青
塗り方
1. 左手の人差し指から小指までの4本の爪に薄い黄色を塗り、乾燥したらマットトップコートを塗る。
2. 乾いたら中央に小さく点を描く。
3. 左の親指と、右の小指の爪に白を塗り、左の親指の爪に、青で山のようなモチーフを描く。
山の右側は、習字で「大」の字の、最後のはらいを書く時のようにすると、細くかっこよく描くことができる。
習字が苦手な人でも(私は苦手)、山の左側より若干細く右側を描くだけで、だいぶかわいい。
4. 右の親指から薬指までの4本の爪に、水色とボルドーで2色塗った直後、色の境界線の下部を筆(爪楊枝でも可)でぼかす。
4の工程では、塗る順番に注意。
色の境界線が乾燥しないうちに筆でぼかしたいので、4本の爪に水色を塗る→4本の爪にボルドーを塗る、という順番ではなく、一本一本、人差し指に水色とボルドー・筆でぼかす→中指に水色とボルドー・筆でぼかす、という順番で塗るのがおすすめ。
筆でぼかす時のコツは、あまり色が混ざりすぎないようにすること。
筆圧を弱く、すすすっと、マーブル模様になるくらいがいい。