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第二十回:体の操縦。

体はいたわれば癒やされるし、おもいやれば応える

2019年11・12月 特集:生理現象をおもいやる
連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
テキスト・撮影:つめをぬるひと 編集:竹中万季
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20代を10年過ごしてきた自分と、30代になってから1年経つ自分は、そんなに大差ないと思っていたけど、今年は特に、自分の行動と体の状態がちゃんと繋がっているということを身をもって体感した年でもあった。

私は元々お酒に強かったが、そのことに慢心し、20代半ばまで日本酒を水のように呑んだり、梅酒のロックをジョッキでいったりもした。それが仇となり、当時の健康診断では肝臓だけひどい成績を叩き出してしまい、脂肪を分解する機能が衰え、その時期は体重がむくむくと増えていった。

そのこともあってお酒を飲む量を控えた時期があったが、そもそも意識して控えようとしなくても、少し飲んだだけでお腹がいっぱいになってしまって、あまり飲みたいと思わなくなってしまった。それでも肝臓の数値はあまり変わることがなかったのだが、昨年風邪をひいて病院に行った時、その病院が肝臓の治療に力を入れている病院だったこともあって、風邪の受診ついでに、肝臓のことを相談してみたところ、一言「とにかく水を飲んで」と言われた。

家で仕事をしている身としては、水をいちいち外に買いに行くことが若干面倒に思ってしまうが、今年からBRITA(浄水機能付き水筒)を使うようになり、気軽にがぶがぶと水分補給ができるようになった。人に聞いて分かったことだけど、私は人よりも水を飲まなさすぎた。巷では、案外みんな水を飲んでいる。当たり前のことを言うけど、水を適切な量飲むのは体にとても良い。肝臓の数値も少しずつ回復して、体重も元に戻ってくれた。どんなに拙い文章だと思われようが、水はすごい。水は飲んだほうがいい。

当たり前のことといえば、うがいをすれば風邪はひきづらくなるし、暖かくすれば鼻水は出づらくなる。そのことを体感したのも今年だ。私は季節の変わり目に弱く、だいたい10月くらいになると風邪をひいていた。まずは鼻水から始まり、喉が痛くなり、既に風邪ですよそれ、という状態になる。一人暮らしの頃は、季節の変わり目だからと諦めていた。そういう体質だと思っていた。しかし、夫と住むようになってから「ほらうがいして!」「女の子は身体冷やしちゃだめなのよ!」と親のようなことを言われるようになり、それまでになかった「予防」という習慣が追加された。

こんなことしてもどうせ季節の変わり目になれば体調は崩れるんだ、と思っていたが、実は、なんと、体を暖めたら鼻水は引っ込んだし、うがいをすれば喉の痛みはひいていくのだ。

行動がちゃんと体調に結びつくようなことをここ最近でいくつも体験してきて、自分のことなのに「へ~すごいじゃん体~」と、まるで友人にどこか他人事なんだけど「資格受かったの? すごいじゃん~」と言っている時のように、自分の体を称えた。

今までは、体のことなんてどうせ何かしたところで予想できることは少ないし、体質だからと諦めていた部分もあって、何か起こってから対処するという、後手後手なやり方で体を扱ってきた。

でも、これは当たり前すぎてあまり意識していなかったけど、ちゃんと体というものは操縦できる部分がたくさんある。体はいたわれば癒されるし、おもいやれば応える。せっかく年齢の十の位が一つ増えたんだから、そのあたり更新してもいい頃だと思っている。

11・12月の特集テーマ「生理現象をおもいやる」の爪「Biorhythm」

体はいたわれば癒やされるし、おもいやれば応える。

使った色

A. She is オリジナルネイル「Cloudy」
12月のギフト「生理現象をおもいやる」に同梱)
B. モスグリーン
C. ベージュ
D. 発色の強いピンク

塗り方

1.全ての爪に「Cloudy」を塗る。
2.左の親指と薬指に発色の強いピンクで線を描く。
3.右の中指と薬指にモスグリーンとベージュで写真のような模様を描く。

PROFILE

つめをぬるひと
つめをぬるひと

爪作家。CDジャケットやイベントフライヤーのデザインを爪に描きそのイベントに出没する「出没記録」、「身につけるためであり 身につけるためでない 気張らない爪」というコンセプトで爪にも部屋にも飾れるつけ爪の制作、爪を「体の部位で唯一、手軽に描写・書き換えの出来る表現媒体」と定義し、 身体性のあるファンアートとして、DOMMUNEの配信内容を描く「今日のDOMMUME爪」。これら活動を並行しながら年に数回、人に爪を塗る「塗る企画」を TONOFON FESTIVAL2017等の音楽フェスやその他イベントにて実施。

INFORMATION

連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
連載:つめをぬるひととつくる自分のために塗る爪
She isのオリジナルネイルを使って生まれた爪のレシピとエッセイを毎月お届け

第一回:彼は「自分なんて」を一切言わない。
第ニ回:コンプレックスの有効活用。
第三回:ターニングポイントはボーナストラック。
第四回:変わることと隠すことは紙一重。
第五回:「始まっている」と思った時から、それは始まっている。
第六回:誰も行けないのに、誰にも言いたくない店の話。
第七回:過去の手紙と、SNSをやっていない友人。
第八回:帰省という日常と、旅行という非日常。
第九回:朝5時、蒸し暑い夏の幕張。
第十回:物欲と金銭状況の均衡。
第十一回:拠点を変えてみるという選択。
第十二回:全力で応えるのは敵意ではなく好意でありたい。
第十三回:競技よりも色濃い、発掘された石の記憶。
第十四回:爪作家と名乗る理由。
第十五回:配色という名の遊び。
第十六回:夢のような夜明け。
第十七回:苗字が変わることで救われる人もいる。
第十八回:自分に課した楽しみでさえも逸してみる休日。
第十九回:服の影に見惚れたこと。
第二十回:体の操縦。
第二十一回:根拠のないおまじない。
第二十二回:なんてことない場所でも楽しいと思えることを誇ろう。
第二十三回:自分に合うという感覚を大事にする。
第二十四回:ダミ声の猫。

イベント情報
『Girlfriends CLUB vol.2 好きなCDを爪に塗る。コタツライブペインティング&音楽座談会』

GirlfriendsとMembersが出会い、考えを深め、これからの場所をつくる「Girlfriends CLUB」。Vol.2はつめをぬるひとがコタツで好きなCDを爪に塗ってくれるライブペインティングと音楽座談会を開催。応募方法など詳しくはお知らせページをチェック。

2020年1月11日(土)11:00~18:00 爪塗りライブペインティング ※爪塗りはMembersのみの事前予約制、閲覧は誰でも可能
2020年1月12日(日)11:00~18:00  爪塗りライブペインティング ※爪塗りはMembersのみの事前予約制、閲覧は誰でも可能
19:00~21:00音楽座談会
会場:東京都 渋谷ヒカリエ MADO
つめをぬるひとのコタツライブペインティングと音楽座談会。Girlfriends CLUB

『つめをぬるひとフェア in MADO』

Girlfriends CLUBの前後に「つめをぬるひとフェア」も開催。MADO限定爪や、She isネイルを使用した爪、成人式の晴れ着にもあわせられそうな付け爪、今冬の新作、秋冬限定のカフェオレ爪などが勢揃い。ぜひ遊びにいらしてくださいね。

2020年1月10日(木)~1月19日(日)
会場:東京都 渋谷ヒカリエ MADO
つめをぬるひとのコタツライブペインティングと音楽座談会。Girlfriends CLUB

第二十回:体の操縦。

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